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2009.04.12 (Sun)

ぜつぼう 本谷有希子

本谷有希子。
すっかりハマってしまって、せっせと図書館で予約しまくりです。



主人公の戸越は元売れっ子芸人。
世の中は残酷だ。
売れてるときはちやほやしてくれるけど、ひとたび売れなくなると
誰もが存在すら忘れ、悪意のある言葉をぶつけてくる。

戸越は、絶望していた。

ある日公園で出会った男に、「復讐すればいいじゃん」と言われて
教えられるままに男の故郷である田舎町に行くことになった戸越。
でもその男の家には、全く見知らぬ女が住み着いていた。

村の人々に怪しまれぬように表向き夫婦として暮らす戸越と女。
女シズミは、昔から戸越のファンだったと言う。
シズミと暮らしていくうちに、戸越は自分の絶望は実は大したことが
ないんじゃないかと疑い、自分がどれだけ絶望しているのかを
証明しようと試みる。


売れなくなって世の中から見捨てられてしまった芸人、戸越。
不眠症と闘ったり、誰もが自分を「元芸人」として見ているのでは
ないかという被害妄想っぷりがすごい。
不眠症とか鬱とか描くのどうしてこんなにうまいんだろう・・・。
世界を旅する企画で売れた芸人----もしやあの??(笑)

絶望なんてその当人にしか分からないよな。
他人が想像したところで、それは全然違う。のかもしれない。

前2作ほどの迫力はないけど、サクサク読みやすくて、
ひしひしと切なさが伝わってきた。

★★★★☆



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23:00  |  本谷有希子

2009.04.10 (Fri)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 本谷有希子

両親が交通事故で死んでしまい、仕方なく田舎に戻った澄伽。
女優になるために上京して4年。
4年前に起きた事件を、誰も忘れていてはくれなかった。

澄伽は、その事件の発端である、妹清深に復讐する。

姉の日記を長きにわたり盗み読みしていた清深は、
姉の自信過剰さが面白くてたまらなかった。
自分の胸のうちだけで留めておくことができず、清深はそれを
漫画にする。そして投稿した雑誌で賞を取ってしまう。

澄伽の秘密は小さな田舎町の隅々まで知れ渡ることになり、
そのことによって澄伽は自分の才能が発揮できないと思っていた。

姉妹、義理の兄、その妻。4人を中心に進んでいく。


前回読んだ生きてるだけで、愛。が面白かったのでかなりの期待!
期待を裏切らない面白さだった。
澄伽の自意識過剰っぷりと正反対で、冷静に姉を観察する清深。
澄伽は田舎に帰ってきてから東京に戻るべく、自称映画監督と文通をするんだけど、
そこに書かれる文章も、ホント痛い。
清深苛めも壮絶で、一言であらわすなら、激情型小説といったところ。

映画もぜひ観てみたい。

★★★★★



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23:00  |  本谷有希子

2009.04.04 (Sat)

生きてるだけで、愛。 本谷有希子

本谷作品初読み。

主人公の寧子は、ここ20日間、ほとんど部屋を出ていない。
鬱だ。
3年間同棲している津奈木のもとで、ただただ惰眠を貪っている。
過眠症。寝ても寝ても眠くてたまらない。

バイトを始めても全然続かなくて、ついには引きこもっていた寧子だが、
津奈木の元カノにあらゆる嫌がらせを受けて、ついにバイトを始める
ことになった。しかし、やっぱりダメ。
どうして生きてるだけでこんなに疲れるんだろう。

面白かった!!
寧子の激しさと対照的な、津奈木やバイト先の元ヤン一家。
寧子の愛情表現は、津奈木のそれとは全然違うし、
めちゃくちゃなんだけど、でも痛いほど気持ちが分かった。

ひとつひとつの細かい描写がストライクゾーン!
他の作品も読んでみよう。

他、「あの明け方の」収録。

★★★★★



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22:00  |  本谷有希子
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