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2009.09.30 (Wed)

マルコの夢 栗田有起

大学を卒業しても就職が決まらなかった僕は、パリに住む姉に呼ばれた。
姉はパリで結婚をし、旦那さんと日本の食材を扱う会社をおこしていた。
そして姉の仕事を手伝うはずだった僕は、なぜかパリの三ツ星レストラン
「ル・コント・ブルー」のキノコ担当になっていた。

「ル・コント・ブルー」の名物料理『マルコ・ポーロの山隠れ』。
乾燥キノコを使ったこの料理は、特別な客にしか提供されない特別料理。
この店ではトリュフよりも貴重な扱いを受けている。

ある朝、僕はオーナーであるエメ氏に呼びつけられた。
希少価値のあるこのマルコと呼ばれるキノコの在庫がとうとう底をついてきたらしい。
マルコの原産国である日本へ行って、調達してこい。
1年分のマルコを確保してくるという命を受け、僕は日本へと戻ることになった。


僕と、幻のキノコ、マルコの不思議な物語。
オテルモルのときも感じたことだけど、不思議なありえないような世界に
自然と引き込まれる感じがどこか心地よい。
異父姉弟である姉と、姉の本当の父親と、僕の父親、母親の関係。
キノコに導かれていた人生。
そんな美味しいキノコ、食べてみたい!

キノコの季節、この秋にぜひ読みたい1冊です。

★★★★★



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20:45  |  栗田有起

2009.09.29 (Tue)

シェルター 近藤史恵

もしも、この世に神様がいるのなら。
わたしを許すよりも、罰を与えてください。


恵は東京にいた。妹の歩から逃げるために。
そこで一人の少女を拾う。少女の名前はいずみ。
目鼻立ちの整った綺麗な少女。
しかしパーカーのフードを取った彼女は、明らかに美容院などで切られたのでは
ない散切り頭をしていた。
余計なことに足を突っ込みたくないと思いながらも、いずみの危うさに
かつての自分を見ているようで放っておけない恵。
「わたし、殺されるかもしれない」
いずみはそう言うのだった。

一方、小松崎は歩との交際が始まり有頂天。
世の中全てに感謝したいくらい、ばら色の人生。
でもその大切な彼女歩が、突然悲痛な声で電話をかけてきた。
中国旅行に行くと言って出かけた姉、恵の部屋に行ってみると、
持って行っているはずのパスポートがあったらしい。
誰にも告げずに行方をくらました恵は、一体どこへ行ってしまったのか。

ライターの代わりに急遽東京へ行かなければならなくなった小松崎は、
その取材先である情報を耳にする。
映画の準主役に決まっていたはずの出水梨央が病気で降板することになったが、
実は梨央は誘拐されているというものだった。


「カナリヤは眠れない」「茨姫はたたかう」に引き続きの
合田力シリーズ第三弾。
第三弾ともなると、各登場人物のことが大体分かっているし、かなり入りやすい。
そこからさらに広がる恵と歩や、力先生の過去なんかも出てきて、
これぞシリーズものの面白さだなーと思います。
今回は大阪から舞台が東京に移ったり、失踪中の映画女優だったりと
シリーズの中では一番スケールが大きい。
でもまぁ力先生は相変わらずです。人の心が読めるんかいってくらい的確です。
表紙の絵が私のイメージしてる力先生とだいぶ違うのでそこがちょっと残念だけど。

ストレス社会でたたかう現代女性には、シェルターが必要。
それは人であったり、場所であったり、過ごす時間であったり様々だと思います。
あなたにとってのシェルターはなんですか?

このシリーズ、もっと続いてほしいんだけど今出てるのはここまでみたい。
もっと読みたいなー。

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10:06  |  近藤史恵

2009.09.28 (Mon)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 辻村深月

お母さんに話してしまいたい。切実に、そうしたい。
お母さんなら聞いてくれる。
また怒られるかもしれないけど、一緒に警察にだって行ってくれる。
今までだって、困ったらそうしてきた---。


母親の遺体を残して消えてしまったチエミ。
あの事件から既に半年が経過している。でもまだチエミは見つかっていない。
あんなに仲の良い母娘の間に一体何があったのか。

神宮司みずほは、チエミの中学校までの同級生。
2人は仲の良い友達同士だったが、高校からは離れてしまった。
地元に残って短大まで進み、OLとして働いていたチエミと、
東京の大学へ行きフリーライターとなり、結婚もしたみずほ。
違う道を歩んだ2人だったが、あの「約束」は覚えていた。

なぜチエミだったんだろう。
なぜ私じゃなかったんだろう。

みずほはチエミを探す旅に出る。


人生にはたくさんの岐路がある。
学校選び、仕事選び、夫選び・・・。
人と比べられることが嫌いで、人を比べることが好きな女子たち。
いつも自分がどの位置にいるのかを気にしている。
もしかしたら、チエミは私だったかもしれない。
そう考えると怖くて、でも事件の真相が分かるととても悲しい物語でした。
タイトルの「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」の意味が分かったとき、
胸が熱くなりました。
母と娘という絶対的な関係。それはいくつになっても覆されることがない。

すべての女子は「箱入り娘」である。

自分で幸せを掴み取るみずほと、結婚・出産することで幸せを手に入れられる
と思っていたチエミ。チエミの同僚や友達たち。
女子なら登場人物の誰かに自分を重ねてしまうでしょう・・・。
アラサー女子は特に!

悲しいけど、自分の人生も考えさせられる、引力のある1冊でした。


★★★★★



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09:53  |  た行その他

2009.09.27 (Sun)

ともだち刑 雨宮処凛

どうしてあなたと私は地続きじゃないんだろう。
どうして溶けてしまって一緒になれないんだろう。
私はあなたの一部になったっていい。そうすれば私の記憶は改竄される。

あなたが初めてバレー部を訪れた日から私はあなたに釘付けになった。
あなたといるといつも緊張した。嫌われたくなかった。

でもそれは突然訪れる。
あなたの放ったたった一言で、私はあっという間に嫌われ者になった。


初読み作家さんです。
「ともだち刑」っていうタイトルに惹かれて。

テーマがいじめなだけあって、全体的に重苦しい。
喉の奥に何かを押し込まれたように、ずーっと息苦しかった。
「私」が「あなた」に向ける歪んだ友情(愛情?)。

自分の中学生時代を思い出して、少なからず女の子の間っていうのは
こういう陰湿な駆け引きの繰り返しだったなーとちょっと苦い気持ちになりました。
先輩後輩とかもさ・・・。
先輩って絶対的だったな。怖かった。
今になって思うと、バカバカしー!って笑っちゃうんだけど。

一人の人間の感情によって、他の誰かの人生が狂わされる怖さ。
支配する者とされる者。
怖かったです。

★★★★☆



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12:42  |  あ行その他

2009.09.26 (Sat)

あの子の考えることは変  本谷有希子

Gカップの「おっぱい」を自分のアイデンティティとする23歳フリーター・巡谷。
アパートの同居人は、「自分は臭い」と信じる「自称・手記家」の23歳処女・日田。
ゴミ処理場から出るダイオキシンと自分の臭いに異常な執着を見せ、
外見にまったく気を遣わない変人・日田のことを、巡谷はどうしても放っておけない。

日田だけが巡谷の「男への異常な執着」や「気が触れそうになる瞬間」を
分かってくれるのだ。
変なことばかり考えている二人だけれど、ゴミ処理場のダイオキシンが
二人の変なところを益々悪化させているような気がするけれど、
二人が一緒にいれば大丈夫。
情けなくってどうしようもなく孤独な毎日もなんとかやっていける――。

(講談社BOOK倶楽部より)



本谷さんはイっちゃってる女子を描くのが上手い。
今回もご多分にもれず。
病的なほど臭いに執着する日田と、たまにグルーヴ先輩になっちゃう巡谷。
2人とも変。すごく変。
で、すごく笑える。

本谷さんは好き嫌いがはっきり分かれる作家さんだと思うけど、私は大好きです。
なにがどう、って説明できないんだけど、本能的に好き。
変人っぷりが怖かったり、汚かったりもするんだけど、見ずにはいられない。
このギリギリ感がクセになります。

逸脱した2人は、結局のところ支えあっているのでした。

★★★★★



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18:48  |  本谷有希子

2009.09.25 (Fri)

スコーレNo.4 宮下奈都

人生には、4つの小さな学校(スコーレ)がある。
家族、恋愛、仕事、そしてー

古道具屋「マルツ商会」の長女、麻子。3人姉妹。
次女の七葉とは全然似てない。
七葉は言いたいことははっきり言えるし、顔だってかわいい。
三女の紗英はお豆さんだ。
なんとなく引け目みたいなものを常に感じながらも、姉妹はとても仲が良かった。

でも姉妹の関係、家族との関係も成長とともに変わっていく。

麻子の大人になるまでの成長を描いた物語。


アンソロジーで何回か読んだことのある宮下さんの長編。
実はこれ一度最初のほうだけ読んでなぜか挫折していた1冊。
今回もなんとなく話に入り込むのに時間がかかってしまいました。
最初は麻子の卑屈さみたいなのがにじみ出ているからかな。

いつも妹と比べられてしまう。器量よしの妹と比べて自分ときたら・・・。
自分のことをかわいいと言ってくれる人が現れても、いつも疑心暗鬼な麻子。
でも社会人になってから、仕事を通じて徐々に自信をつけていく。

この本は前半より後半が断然良いです。
仕事である靴の販売に愛を見出せないでいた麻子が、自分の目を信じて
買い付けする場面が本当にこちらまでワクワクしました。
目利きはしっかりとマルツ商会で養われていたんだ。

わかるかわからないかじゃなくて、好きかどうか。

理屈じゃない。ってことですね。

茅野さんもステキ。
最後まで読んで良かった~!

★★★★☆



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22:54  |  ま行その他

2009.09.24 (Thu)

女子と鉄道 酒井順子

茶道、華道、鉄道!-女子にも乗れる鉄道入門-

やー!こんな本を今まで見逃していたなんて・・・。

ホンモノの鉄さんたちが見たら完全に物足りないような気がする
ゆるめの女子のための鉄道入門。
そのゆるさがちょうどよく、楽しく読めました。

私もなにげに鉄道好き。
何がきっかけかといえば、以前の職場に鉄道男子が多かったことです。
初めて一人旅をしようと思った数年前、新幹線で行くのは味気ないと思ったので
なんかいいルートはないか?と相談したときに全員がマイ時刻表を取り出して
調べてくれたのには、危うく惚れそうになりました・・・。
そのあとも夜中に撮影に行ったり、青春18きっぷを使ってみたり、
色々楽しかったな~。

という記憶を呼び覚まさせてもらいました。

寝台車やSLといった王道記事、なじみのある山手線、はては女性専用車両について
まで幅広く紹介したオールマイティーな1冊。
ノン鉄な人にも楽しめそうです。

実際に鉄道に乗ってこれ読みたいなー。
もちろん朝の満員電車なんかじゃなくて、ボックスシートで!

鉄分高まりそうです。

★★★★★



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23:51  |  酒井順子

2009.09.23 (Wed)

個人教授 佐藤正午

男にとってこの世でいちばん頭の痛い存在は妊娠した女である。

新聞記者の僕は、支局へと異動になりこの町にやってきた。
しかし仕事に対する情熱がすっかりなくなってしまい、今は長い休職中。
そして僕の隣には、いつも教授がいた。

教授といっても本当の大学教授などではない。
最初の出会いで教授がついた嘘から、僕は教授を教授と呼び慕うようになった。
毎日のように飲み歩き、僕は教授からの講義を聞く。

僕はこの町に来てからも、何人かの女性と関係を持った。
一夜限りのこともあるし、もちろん恋人だったこともある。
女と寝ることは大変なことじゃない。
ただ、そのうちの一人が子供を身ごもっているらしい。
それは僕の子供なのか?
なぜ妊娠したことを僕に黙っているのだろうか。

僕は彼女に会いに行くことに決めた。


物語の出だし(教授の講義)が面白かったので期待していたんだけど、
読み終わってみると一体なんだったんだろう?って感じです。
ストーリーはなかなか面白そうに見えるんだけど、いかんせん主人公の僕に
感情移入ができない。優柔不断で自分では何も決められないのもそうだし、
なんとなく開き直っている感じがして好きになれなかった。

僕を取り巻く人たちはキャラクターがたっていて良かったと思います。
教授を主人公にした話のほうが読みたいかも。

★★☆☆☆



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09:32  |  佐藤正午

2009.09.22 (Tue)

茨姫はたたかう 近藤史恵

結婚するまではずっと親元にいると思っていた。
弟が急にできちゃった結婚をすることになり、必然的に家を出ることになった
梨花子は一人暮らしを始めることになった。

女性限定のマンションだから安心かと思いきや、同じフロアに住むのは
今まで周りにはいなかったタイプの女性。
ホステスをしている礼子さんはマイペースでお構いなしにズカズカ入ってくるし、
早苗さんは口調がきつくて厳しい。
嫌悪感を持ちながらも、嫌とは言えない梨花子は2人と付き合いを続けていた。

一人暮らしを始めて少しした頃から、梨花子は郵便物が荒らされていることに気づく。
明らかに一度封を開けられているのだ。
怖くなったのでポストに鍵をつけたが、翌日には鍵が外されていた・・・。

これってストーカー?

今まで臆病に生きてきた梨花子が、いろんな人に助けられて強くなっていく物語。


カナリヤは眠れないの合田力シリーズ第二弾。
なぜか図書館にも本屋さんにも置いてなくて、やっとブックオフで買えました。
前作も面白かったので、期待大。
今回は梨花子になかなか感情移入がしづらかったんだけど
(それは私が優等生タイプじゃないから?か?)
力先生は相変わらず人を見抜く力がすごいし、小松崎と歩の進展もありで
なかなか面白かったです。

力先生の言葉、
「要するに、恋愛って、心を無理に軋ませて寄り添うことなんやろうな」が印象的。

ストーカーが意外な人物だったんだけど、もうちょっと犯人の心の歪みっぷりが
描いてあったほうが面白かったかも。
最後がサクサクっと進みすぎてしまったような気がします。

★★★★☆



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22:58  |  近藤史恵

2009.09.21 (Mon)

冷静と情熱のあいだ―Rosso 江國香織

阿形順正は、私の人生のなかの、決して消えないとんでもないなにかだ。

あおいは、満ち足りた生活をしている。
「完璧」な恋人マーヴ、心優しい友人たち、好きな仕事。
でも何もかもを人にぶつけられない。体当たりで付き合うのが怖い。
友人のダニエラは、あおいは変わった、と言う。
自分でだって分かっている。きっと臆病になってしまったのだろう。

わたしの本当の居場所はどこなんだろう?

記憶に蓋をして閉じ込めてきた順正との思い出。
でもそれは、月日に関係なく容易く開けられてしまった。

あの日の約束を、彼はまだ覚えているだろうか。


昨日の冷静と情熱のあいだ―Bluに引き続き、今日は江國さん版です。
あおいの視点から描いた物語。

順正に比べると淡々とした印象。なのにこちらのほうが泣いてしまいました。
静かな中にある狂おしいほどの想い。
自分でも戸惑ってしまうほどの激情。
言葉に出さない分だけ、余計にそれが伝わってきた感じがします。

江國さんらしい入浴や食事のシーンも魅力的。
長風呂したくなっちゃいます。

「順正のいる空気」っていう表現がすごく好きです。

★★★★★



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18:48  |  江國香織

2009.09.20 (Sun)

冷静と情熱のあいだ―Blu 辻仁成

後悔のない人生なんてあるのだろうか。
ぼくはずっと後悔をしつづけている。

人はみな未来を向いて生きなければならないのだろうか。

フィレンツェで絵画の修復士をしている順正は、芽実という恋人もいて
仕事にも誇りを持ち、充実した毎日を送っている。
でも順正の心の中には、いつもかつての恋人あおいがいた。
あの日した約束。

「わたしの30歳の誕生日に、フィレンツェのドゥオーモのクーポラで会ってね。」

10年前の約束を、あおいはまだ覚えているだろうか。

約束を気にしながらも、順正はある事件をきっかけに仕事を失い、
日本へと帰国することになった。
しかし、学生時代の友人からあおいの消息を聞き、運命は動き出す。


江國さんとどちらから読み始めればいいのかな?と悩みながらも、
なんとなく辻さんのほうから読んでみました。
印象的なのはフィレンツェの情景。
歴史ある町並みの荘厳さと美しさが映像で浮かんでくるようです。

芽実という、あおいとは正反対の魅力を持つ女性に愛されながら、
かつての恋人が忘れられない順正。
今でも十分満たされてるのに、それを手放してまでも全うしたい想い。
そこまで誰かを愛せるっていうのは幸せなことだな。

女性の視点で見ると、ここまで想われるのは女性としては幸せだけど、
芽実の立場になると本当に切ない気持ちになりました。

次は江國さんのほうも読んでみます。

★★★★☆



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21:41  |  た行その他

2009.09.19 (Sat)

静子の日常 井上荒野

だって私は、もう、どこにだって行ける生きものに生まれ変わったんだもの。

宇陀川静子は75歳。息子家族と一緒に住んでいる。
最近始めたフィットネス通いは、週1回から2回に増えた。
バスに乗ればどこへだって行けるのだ。

息子家族との関係は良好。
嫁との相性もいいし、孫にだって嫌われてないはず。
いたって自由な毎日。そんな静子の日常を描いた作品。


静子がとっても魅力的です。
飄々としてて、でもちょっと頑固で、一度決めたことは守り抜く。
そして今は亡き夫のことを時々思い出す。
75歳でチャーミングなんです。
こんなおばあちゃんがいたら、というより、こんなおばあちゃんになれたら幸せ。

井上さんの今までのイメージがかなり覆されました。
小気味よさが光っていて、ステキな1冊。

フィットネスの張り紙に付箋をはるところ、かわいいんだよなー!
こんな侮れないおばあちゃんになりたいです。

★★★★★



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22:00  |  井上荒野

2009.09.18 (Fri)

にょにょっ記 穂村弘

にょっ記に続く、にょにょっ記です。

期待を裏切らないです。
シュールさと、かわいさと、くだらなさ。

今回は穂村さんが読んだ古本ネタもいくつかあるんだけど、
その中でも「ヤング愛情学」が気になります。
読んでみたい!

今回も笑わせてもらいました。
嫌なこと忘れられますね。
悩み事なんてぶっ飛んでしまいます。

穂村さんとお友達になりたい。
くだらない妄想話をしたいです。

★★★★★



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18:01  |  穂村弘

2009.09.17 (Thu)

聖女の救済 東野圭吾

「子供を持てないのなら結婚生活に意味はない」

1年以内に妊娠しなければそのときは離婚する。
そういった約束をして結婚した真柴義孝と綾音。
そしてとうとうその1年が過ぎてしまった。

タイムリミットがきたから、出て行ってほしい。
そう言われた綾音は、夫に制裁を加える。

男の変死体が発見された。死因は毒物による中毒。
妻はその日実家の北海道へ帰っており、死体を見つけたのは愛人だった。
当然妻と愛人の両方に疑いがかけられたが、
妻には完璧なアリバイがあった・・・。


2日連続のガリレオシリーズです。こちらは長編。
やっぱり長編の方が読み応えがあって好き。

最初に犯人がわかって、その後トリックを突き止めていくスタイル。
犯人は誰なの?っていうドキドキ感はないものの、
それでもぐいぐいと引き込んでいく力はお見事です。

ここまで被害者に共感できない作品は珍しい。
人の感覚はそれぞれだけど、実際こういう男の人もいるのかな。
女にしてみれば鬼みたいなもんですね・・・。
で、キッチンはまさに女の城なのです。

綾音に心惹かれる草薙と、綾音に不審を抱く薫のバトル(?)も面白い。
女の勘は鋭い。

★★★★★


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23:48  |  東野圭吾

2009.09.16 (Wed)

ガリレオの苦悩 東野圭吾

「落下る」
マンションの7階から女性が転落死した。
自殺ではない。何者かに殺されたのだ。
部屋に残されていたのは、大皿に入った料理と、鍋と蓋。
警視庁捜査一課の内海薫は、先輩の草薙刑事に相談し、
帝都大学の湯川教授へアドバイスを求めに行く。

「操縦る」
帝都大学の元助教授の友永幸正は、その日教え子たちを自宅に招いていた。
脳梗塞を患い、車椅子生活を余儀なくされてしまった幸正は、
久しぶりの教え子たちとの団欒を楽しんでいた。
しかし一転、離れ家から火があがり、息子邦宏の他殺体が発見される。
そこにたまたま居合わせていたのは湯川だった。

「密室る」
大学時代の友人藤村に相談を持ちかけられた湯川は、友人が経営する
山の中のペンションへと足を運んだ。
先日そのペンションで、客が部屋を抜け出して崖から転落死したのだ。
食事時間になっても現れない客を心配した藤村が部屋を訪れたときは
部屋には鍵がかかっていて密室状態だったらしい。
解明を頼まれた湯川は、違和感を感じながらも真相に迫っていく。

「指標す」
住宅街にある大きな屋敷で、老女が殺害された。
盗まれたのは金の地金10キロ。金額にしたら3000万円以上だ。
その日屋敷を覗き込んでいる女性がいたとの証言を受けて、
保険外交員の真瀬貴美子のもとを訪れた草薙と薫。
その後、貴美子の中学生になる娘が“真実を教えてくれる振り子”を
片手に不可思議な行動に出る。

「攪乱す」
警視庁と湯川宛に送られてきた1通の手紙。
それは警察と湯川に対する挑戦状だった。
『悪魔の手』と名乗り、次々と手紙を送りつけてくる犯人。
一見事故死に見える事件が、『悪魔の手』によるものだと分かり始める。
触れることなく人を殺すことができるのか。
湯川が挑戦を受ける。


ガリレオシリーズ第4弾。

この中では「攪乱す」が一番です。
まさに逆恨み。怖いです。
超文系の私でもわかるように描かれているトリックの解明が、
いつもワクワクさせてくれます。
謎解きだけじゃなくて、回を重ねるごとに見えてくる湯川の人間性も
この作品の魅力だと思います。

ドラマ化・映画化されてからは、すっかり湯川=福山。
いやいや、私の中では湯川はあんなにかっこよくなかったんだけど・・・。

★★★★★



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17:28  |  東野圭吾

2009.09.15 (Tue)

スピログラフ 鈴木清剛

浩也と宇田とカンナは、今日も8番ボールを転がしに行く。

子供の頃からつかず離れずの3人の関係。
宇田とカンナが付き合ってたこともあるけど、今はお互いに別の
パートナーがいて、いい友達関係だ。

ずっと変わらずにいると思っていた3人の関係は、それぞれの環境の変化に
伴って徐々に変わってきた。
もうバカなことばっかりはしていられない。
大人にならなきゃいけないし、やるべきこともたくさんある。
そんな時、カンナが壊れ始めた。


モヤモヤしたり、焦ったり、諦めたり、迷走し続ける若者たちの青春小説。
カンナの迷走っぷりに、浩也は戸惑うんだけど、
最後にはしっかり向き合っていく前向きさがあって良かった。

自分が一番リラックスできる関係。
素のままの自分でいられる友人って本当に大切。
そんなに頻繁に会ってなくても、物理的に離れていても、
その人の前だと飾らずにいられるってステキなことだなー。

大事な友達のことを考えました。

★★★★☆



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21:49  |  さ行その他

2009.09.14 (Mon)

贖罪 湊かなえ

取り柄は空気がきれいなこと。
その小さな町で少女殺害事件が起きた。
目撃者は一緒に遊んでいた4人の少女たち。
でも、犯人は捕まらない。4人の誰もが犯人の顔を覚えていないというのだから・・・。

殺された少女エミリの母親は、4人の少女たちにある言葉を投げつける。

「わたしはあんたたちを絶対に許さない。時効までに犯人を見つけなさい。
それができないのなら、わたしが納得できるような償いをしなさい。
そのどちらもできなかった場合、わたしはあんたたちに復讐するわ」


その言葉におびえた少女たちは、それぞれどんな償いをしたのか---。


告白少女、に続く湊さんの3作目。
「告白」に近い印象を受けました。
4人の少女と、エミリの母親が語っていく連作短編のかたち。
物語の世界に引っ張り込むスピードはやっぱり早いです。
なんか気持ち悪いのに、読むのをやめられなくてページを繰ってしまう・・・。

人間の底意地の悪さとか、身勝手さとかの負の感情が生々しいほどリアルなんですよね。
だから不快になるのかもしれない。
でも、自分にも少なからずそういう部分があるから読むのをやめられないのかな。

いやーな気持ちだけが残るのに、また次出たら読んじゃうと思います。
中毒?

★★★★☆




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23:57  |  湊かなえ

2009.09.13 (Sun)

GO 金城一紀

俺は何人なんだ?

高校3年生の杉原は、在日韓国人3世。
生まれも育ちも日本だけど、日本人じゃない。
最近までは在日朝鮮人だった。でも国籍なんて意外に簡単に変えられるもんだ。

中学まで民族学校に通っていた俺も高校からは日本の学校に通った。
在日というだけで挑戦者が来る毎日。
元ボクサーの親父に鍛えられていた俺は、もちろんまだ負けていない。

最初の挑戦者、加藤に誘われていったバースデーパーティーで、
俺は一人の女の子に出会う。
それははじめて大切にしたいと思える日本人だった。


大変遅ればせながらの「GO」です。
映画もそういえば観てない気がする。どうして観なかったんだろう?

芯には差別や偏見があったりするんだけど、そこは金城さんらしい
エネルギッシュさとユーモアで、重苦しい感じにはなってない。

差別や偏見も撥ねのける杉原のエネルギーが、まぶしいです。
親父もめちゃくちゃだけどかっこいいしね。

ただ、いろんなことを考えさせられました。正一の死も。

★★★★★



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19:03  |  金城一紀

2009.09.12 (Sat)

キャンセルされた街の案内 吉田修一

・日々の春
・零下五度
・台風一過
・深夜二時の男
・乳歯
・奴ら
・大阪ほのか
・24 Pieces
・灯台
・キャンセルされた街の案内

10の短編からなる1冊。
久しぶりの吉田さんの新刊です。
発表された時期も、掲載された雑誌も結構バラバラだし、ついでに長さもバラバラ。
でもしっかりとまとまってる感じがしました。

毎日の中でなんとなく思っていること、このままでいいんだっけという疑問、
突然湧き上がる怒り、もどかしさなど、
人間の些細な感情を描くのがとても上手いと思います。
表題作の「キャンセルされた街の案内」も良かったけど、
「零下五度」なんかも好きです。短いからもっと膨らませて1冊にしてほしい。

あ、また来週にも新刊出るみたいですね。
楽しみ~!

★★★★☆



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23:32  |  吉田修一

2009.09.11 (Fri)

ここに消えない会話がある 山崎ナオコーラ

夕日テレビ班の広田はアキバ系(?)の25歳。
某有名国立大学を卒業後、東京へとやってきた。

仕事は自分に向いてると思う。
同い年なのにリーダー風を吹かす佐々木も、なんだかかわいい。
給料はとてつもなく安いし、サービス残業、ボーナスなし。
でも嫌いじゃない。

ちょっとの幸福。
ちょっとの不幸。
いっそすごく不幸だったら、世間のせいにできるけど、
広田はそこまで人生を憎めない。
目の前のことを着実に一歩一歩進めていくだけ。


ナオコーラさんの新作。タイトルのつけ方が相変わらず絶妙!
話の内容は他愛のない職場での会話だったりするんだけど、
そこにはしっかりと作者の世界観。
自分が消えても、自分がした会話は残る。
会話は消えない。

諦めの中にあるほんのちょっとの希望。
広がる何かがある。うまく説明できないけど。

他に、「ああ、懐かしの肌色クレヨン」収録。
最初で最後の2人きりのデート。そのときはもう永遠に訪れない。
一瞬一瞬がぎゅっと濃縮された1冊。

★★★★☆



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07:06  |  山崎ナオコーラ

2009.09.10 (Thu)

ジャンプ 佐藤正午

一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある。

その日、恋人の南雲みはると一緒に「アブジンスキー」という
聞いたことのないカクテルを飲み、元々酒に弱い僕は泥酔してしまった。
翌日に出張を控え、羽田空港へのアクセスが良いみはるの南蒲田のマンションに
2人は向かう。

僕は毎朝りんごを一つ食べることを日課にしており、マンションへの帰り道
コンビニでりんごを買い忘れたみはるは、僕にマンションの鍵を預け、
自分だけコンビニにりんごを買いに走った。
『りんごを買って5分で戻ってくるわ』

そう言ってみはるは二度と戻ってこなかった。


佐藤正午さん初読みです。
本当は「身の上話」を読みたかったんだけど、なかなか予約が回ってこず。

付き合って半年しかたっていない彼女の突然の失踪。
最初は偶然の重なりだったものが、必然に変わっていく。
あの時あのカクテルを飲まなければ。
あの時出張を取りやめてあの電話に出れば。

人生ってこんな些細なことでガラっと変わってしまう。
自分の今までしてきた選択を、考えずにはいられませんでした。
という意味では怖い話。

5年後偶然2人は再会して、みはるの失踪の理由を知ることになるんだけど、
そこも女の執念があって空恐ろしいような・・・。
途中じりじりとじれったい部分もあるんだけど、全体的に面白かったです。

★★★★☆



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20:37  |  佐藤正午

2009.09.09 (Wed)

COW HOUSE―カウハウス 小路幸也

まだ25歳なのに僕は窓際族。
会議で重役を殴ってしまうという大失態をし、東京の本社から鎌倉にある
4000平米を超える大豪邸の管理人を任されることになってこの家にやってきた。

鬱蒼とした森の中にある長い間手を入れられていない家。
着いた早々、敷地内にあるテニスコートで老人と少女がテニスをしていた。
楽しそうにしている2人にお引取り願わなければいけないのは気が進まないけど、
これは仕事なんだからしょうがない。
でも声をかけてみたら、老人は少女に豪邸の中にあるピアノを弾かせてほしいと言う。
老人いわく、少女はピアノの天才だった。
そしてためしに弾いてもらった僕たちは仰天した。

音楽に興味を持たない、とにかく「普通」の両親のもとで、
ふうかちゃんはその才能の芽をつぶしかけていた。

僕の上司である坂城部長、ピアノの調律師の萩原、僕の彼女である美咲。
さまざまな人が集まった「COW HOUSE」。
新しい計画がスタートする。


天才少女と、少女を全力でサポートする大人たちのお話。
こう書くと、あれ?これって昨日読んだ「ブロードアレイ・ミュージアム」に近い?
って感じだけど、少女のサポートは一つのきっかけに過ぎなくて、
みんなが幸せになるためにみんなが頑張るお話。
心優しい人しか出てきません。

2日連続で小路さんだと少し食傷気味な感もあるし、
ご都合主義と言われればそれまでなんだけど、やっぱりいいんですよねー。
小路さんを楽しめないときは、自分の心が荒んでいるのかも、なんて思ってしまいます。

今回は坂城部長がかっこよかったなー。
調律師の萩原さんが、東京バンドワゴンの我南人を彷彿とさせます。

いつまでも小路さんの小説に感動できる大人でありたいと思います。

★★★★☆



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22:29  |  小路幸也

2009.09.08 (Tue)

ブロードアレイ・ミュージアム 小路幸也

ブロードウェイにある不思議な博物館。
新任キュレーターのエディは、毎日驚かされてばかりだ。
とても素晴らしい収蔵品はさることながら、そこにいるのは一癖も二癖も
ありそうな魅力ある人物たち。

少女フェイは、物に触れるだけでそれにまつわる悲劇が見えてしまうらしい。
それを防ぐためにBAMのメンバーは頭脳と人脈を駆使して走り回る。
裏社会に通じたみんなと一緒に、エディは無事フェイを守ることができるのか。
そして、エディがBAMに来た本当の理由は?


タイトルから勝手にミュージカル系の話だと思ってました(汗)
悪党はいるけど悪人はいない、小路さんらしい作品。
キュレーターって職業を今まで知らなくて、はじめは入り込めないかな?と
思ったんだけど、まぁまぁ楽しめました。

物に触れてしまうだけで悲劇を見てしまう不思議な能力を持ってしまった少女。
子供を守る大人たちっていうのはもう小路さんの定番ですねー。
愛に溢れています。ちょっと東京バンドワゴンっぽさもあり。

でもやっぱり舞台は日本がいいなぁ。
カタカナ名前覚えるのが苦手なだけなんですけど・・・。

★★★☆☆



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23:49  |  小路幸也

2009.09.07 (Mon)

カナリヤは眠れない 近藤史恵

どうして夫は私を選んだのだろう。

墨田茜は結婚7ヶ月の新米主婦。
夫は飲食店を数店経営する実業家で、茜は悠々自適な専業主婦を満喫している。
そう、私は幸せなはず。
なのにいつも何かに怯えている。
週に2度は現れる義母、センスの悪いプレゼント。
でも夫にはもちろん言えない。嫌われてしまう。
そして「あの」悪い癖が出てしまうのだ。
クレジットカードでの多額の買い物。タンスに眠っている洋服たち。
もう自分がいくら使ったのかも分からない。

一方、雑誌編集者の小松崎はある日の朝、首の激痛に身悶えていた。
寝違えたのかもしれない。2,3日もすれば治るか・・・。
取材のため街を歩いていた小松崎は一人の女性にぶつかる。
軽くぶつかっただけなのに、容赦ない痛みが襲う。
女性はひどく心配し、小松崎を接骨院へと連れて行った。
商売っ気のその接骨院で治療してもらった小松崎は、身体が一気に軽くなるのを感じる。
変わり者の整体師、合田力は「身体の声を聞く」能力にたけていた。


茜と小松崎2人の目線から交互に語られる物語。
茜の買い物依存症っぷりがすごくリアルで、怖さとともに切なさも感じた。
見劣りしたくない、友達の持っているものと比べられたくない、他人から見て
幸せだと思われたい、っていうのは女性ならではの感覚(男の人でもいるかな?)

甘やかすのといたわるのは違う
ただ道しるべを失って迷っているだけ


ラスト、茜が大きな悪意に囲まれていたことがわかってゾッと。
でも茜が強くたくましくなってくれて、最後は救われました。
力先生がいい仕事するんだよな、これが。

シリーズみたいなので、また読んでみようと思います。

★★★★★



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14:21  |  近藤史恵

2009.09.06 (Sun)

(番外編)お気に入り読書グッズ

今日は珍しく小説・エッセイ以外の本紹介です。





本は図書館で借りることが多いので、あまり傷まないようにしたいなーと
いつも思ってるんだけど、ハードカバー用のブックカバーがなかなか種類が少なくて。
だったら自分で作ってみたい!と思ってこんな本を見てみました。

かわいいのがいっぱい!簡単そうなのから手がこんでるのまであるので
参考になります。
ブックマークも手作りできるんだなぁ!パーツ買ってこなきゃ!

ちなみに今使っているお気に入りの読書グッズはこれら↓です。
goods.jpg

●文庫用ブックカバー
・きのことハリネズミ。一目ぼれで購入
・会社の先輩にいただいたもの。落ち込んでるときだったのですごく嬉しかった!
・大親友にいただいた誕生日プレゼント。なんと私の名前入り!
●ブックマーク(妹からのプレゼント。サマンサのもの。ラインストーンが超かわいい!)
●最近買ってもらった読書用メガネ

本を読む時間も、快適さと楽しさを大事にしたいです。


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21:58  |  その他

2009.09.05 (Sat)

へんてこ隣人図鑑 原宏一

世に宇宙人はたくさんいるが、隣人ほどの宇宙人はそうはいない。 
――松尾スズキ(作家・演出家・俳優)
“原ワールド”全開!奇妙なショートショート集

奇妙なこだわりに固執する人間に振り回される周囲の戸惑いを描く、
シニカルなユーモア溢れるショートショート集。
家の匂いを嗅いで価値を鑑定する“ホムリエ”に惚れられた家の住人、
あらゆるものの“以前”が気になる男に詰め寄られる若者、
純粋に穴を掘りたくて仕方ない男など、
「へんてこ」な人間が引き起こす騒動の顛末とは?
ほか、普段は口に出せないような悪趣味な自慢話を聞く男の悲哀を描く「自慢結社」を収録。
(webKADOKAWAより)


いかにも原さんらしい1冊。
原さんは長編もいいけど、短編のほうがより魅力的な気がする。
世の中を皮肉っていてくすりと笑わせてくれたり、
意外なところでハッとしたりと、本当にうまいなーと思います。
アイディア力も脱帽です。
人間観察とかすごくしてそう。

「ドアポケットの老人」「記憶更新研究所」「株式会社真実の声」が特に好きです。

1編あたり3分もあれば余裕で読めるので、通勤のお供にも最適。

★★★★★



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21:45  |  原宏一

2009.09.04 (Fri)

SPEED (The zombies series) 金城一紀

聖和女学院1年生の岡本佳奈子は、ごくごく平凡な女子高生だった。
あいつらに出会うまでは。

冒険の始まりは、家庭教師をしてくれていた彩子さんの自殺。
憧れの女性だった彩子さんが、私との約束を反故にして自殺なんてするわけない。
死に疑問を抱いた佳奈子は、彩子さんの友人である中川に相談した。
しかし、その帰り道何者かに突然襲われる。

その時現れたのは作業服姿の少年たち。
助けてもらった佳奈子は、事の次第を彼らに話すことになった。
そして、彼ら「ザ・ゾンビーズ」と佳奈子の冒険が始まる。
新しい世界への第一歩。


今週は金城一紀祭りになりました(笑)
好きすぎる!!
対話篇との繋がりもあって嬉しい。
タイトルどおりスピード感があって、一気に読みました。
お嬢の佳奈子がどんどん成長して強くなっていくところも、
相変わらずのゾンビーズの活躍ぶりも、ステキです。
アギーも、スンシンもかっこよすぎるよ~。惚れちゃいますよ~。
先が気になるけど、読み終わるのももったいない、けど読んじゃう!
すっかりテンションが高くなってしまいました・・・。

また大好きな作家さんが増えました。

★★★★★



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20:32  |  金城一紀

2009.09.03 (Thu)

レヴォリューション No.3 金城一紀

新宿区にたった一つだけあるオチコボレ高校。
周りの進学校からは『ゾンビ』と呼ばれている。
ゾンビ=偏差値が脳死と判定されてしまうくらい血圧値しかない
ゾンビ=殺しても死にそうにない

唯一人気のある生物教師ドクター・モローの言葉で僕たちは立ち上がった。
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」
携帯とカラオケと巨人が嫌いなことが共通点のザ・ゾンビーズが結成された!

「レヴォリューションNo.3」
今年も学園祭がやってきた、といっても自分の学校のではない。
毎年侵入を試みている名門女子高、聖和女学院の学園祭だ。
今年は屈強な男たちが150人も警備につくらしい。
無事突破し、見事女子の電話番号をゲットできるのか?

「ラン、ボーイズ、ラン」
最後の学園祭襲撃から3ヵ月後、僕たちはヒロシのお墓参りをするために、
お墓がある沖縄行きを計画し、せっせとお金を貯めてきた。
全員分の旅行代金がやっと用意でき、それを旅行会社に持っていく途中で
山下が何者かに襲われ、全員の旅行代金120万円を奪われてしまった。
ゾンビーズの面々は犯人をとっ捕まえるために動き出す。

「異教徒たちの踊り」
時は少し戻って高校最後の夏休み初日。
暇を持て余した僕は、井上からの電話の内容に思わず飛びついた。
『美女が命を狙われているんだ』
女子大生の吉村恭子がストーカーによる嫌がらせに悩んでいた。
ボディーガードを頼まれた僕も殺されかけた。犯人は誰だ。


学歴社会に取り残されたおバカな男子高校生たち。
やんちゃで、たまにオイタもするけど、性根がまっすぐ!
ヒロシの死は本当に悲しくて切ないんだけど、ゾンビーズの中にはいつまでも
ヒロシの思想みたいなものが残っていて救われた。
くさくない青春あり、笑いあり、涙あり。
ドクター・モローの言葉もいいし、山下のヒキの強さっぷりもいいし、
魅力的なキャラクターばっかりです。

ギョウザ大好き!

バカだなぁ。好きです。

★★★★★



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18:25  |  金城一紀

2009.09.02 (Wed)

片耳うさぎ 大崎梢

奈都は小学校6年生。
お父さんの事業が失敗して、お父さんの実家であるこの町にやってきた。
嫌で嫌で仕方がない。
奈都が住んでいるのは、子供たちからお化け屋敷と称されている「蔵波屋敷」。
大きくて古くて、そして怖い。
おまけに奈都家族は居候同然。居心地が悪いったらありゃしない。
お父さんは残務処理で海外に行ってしまったし、お母さんはおばあちゃんのお見舞いで
今度の週末まで帰ってこない。
一人であの屋敷で過ごすなんて・・・。

そこに突然現れた女の子さゆり。クラスの隣の席の祐太がねえちゃんと呼ぶ中学生。
古いものが大好きで、以前から蔵波屋敷を探検したがっていたらしい。
お母さんが戻るまでの数日、奈都と一緒にいてくれるという。
諸手をあげて喜ぶ奈都だったが、さゆりの好奇心に押し切られ、
いつの間にやら屋敷探検をすることに。
蔵波に言い伝えられている「片耳うさぎ」の謎とは?


書店シリーズ以外で初めて読む大崎さんのミステリーです。
お化け屋敷と怖がられている古いお屋敷、屋根裏、片耳がちぎれたうさぎ。
蔵波家に馴染めていないと感じる奈都の心細さがすごく伝わりました。

謎に果敢に挑むさゆりとは対照的な奈都なんだけど、読んでいくうちに
大成長をしていって、むしろさゆりと立場逆転!

過去に人が死んでいたり、おじいちゃんの流血騒ぎだったりと結構物騒なんだけど、
ベースにはしっかりと優しさがあって、どこかのどかさも感じるミステリー。
面白かったです。

★★★★☆



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21:55  |  大崎梢

2009.09.01 (Tue)

映画篇 金城一紀

対話篇が良かったので早速「映画篇」です。

「太陽がいっぱい」
自分の書いた小説が映画化されることになった。
その撮影現場でかつての同級生、永花と偶然再会する。
永花と再会し、僕は龍一とのことを思い出さずにはいられなかった。
2人で観た映画の数々。主人公に父親がいないのがいい。
あれから月日は流れ、2人は全く違う道を歩むことになるが、
僕は龍一にどうしても伝えたい物語があった。

「ドラゴン怒りの鉄拳」
いつも目覚めるのは11:46。あの日から私は闇が怖くなった。
連れ合いが自殺してから一歩も家から外に出ていなかった私を
外に連れ出したのは、レンタルビデオ店のアルバイトをしている鳴海だった。
連れ合いが自殺する直前に借りていたビデオの延滞を知らせる電話。
私は5ヶ月ぶりに外に出る。
それから私は毎日ビデオ店に通い、鳴海が勧める映画を観る。
どれも笑える映画ばかりで、私は気がつくと笑っていた。

「恋のためらい/ファンキーとジョニー もしくは トゥルー・ロマンス」
『ねぇ、一番好きな映画ってなんなの?』
隣の席の石岡が突然話しかけてきた。
ほとんど学校に来ない石岡と、友達と呼べる人がいない僕。
夏休み最後の日に、2人は区民ホールで上映される映画を見に行く。
そしてその次の始業式の日、石岡はある計画を口にする。

「ペイルライダー」
8月31日、夏休み最後の日、僕は夏休みの自由研究<映画ランキングベスト50>の
ための最後の一本を借りにレンタルビデオ店へと向かった。
悩んだ挙句『アラビアのロレンス』を借りた僕は、店を出たところで
クラスメイトの幹島くんたち3人組に囲まれてしまう。
ヤクザの息子と噂されている幹島くんは僕を目の敵にしているのだ。
そのとき大きくて黒いオートバイが僕を助けてくれた。
颯爽と降りてきたのは、まん丸のえびす顔でパンチパーマの中年のおばちゃんだった。

「愛の泉」
おじいちゃんの一周忌がやってきて、久しぶりに鳥越家が一同に揃った。
しかし肝心のおばあちゃんの元気がない。
いつも「だいじょうぶオーラ」を出しまくっているのに、そのオーラが消えかかっている。
心配した孫たちはおばあちゃんに元気になってもらうべく、
おじいちゃんとおばあちゃんの思い出の映画『ローマの休日』の上映を企画する。


映画にまつわる5つの物語。
それぞれ雰囲気が異なる話なんだけど、映画でつながっていて、
最後の「愛の泉」でしっかりと締めくくられていてアッパレでした。
ダントツで「愛の泉」が好きです。おばあちゃん思いの孫たちもステキだし、
上映会に訪れる面々がそれまでの登場人物だったりと、かなりニクい!
切なくてジーンときて、その後笑わせてくれて、最後は朗らかな気分になれる。
一つの映画を通じて色んなドラマがあって、盛りだくさんの1冊でした。

★★★★★



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18:11  |  金城一紀
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