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2009.08.31 (Mon)

対話篇 金城一紀

「恋愛小説」
大学生活最後の試験が終わったその時、クラスメイトに声をかけられた。
<透明人間>というあだ名のついた彼とはそう親しい間柄でもなかったが、
2人は時間があったこともあって、お茶をすることに。
彼が語りだしたのは、自分の運命いついてだった。
かつて<死神>と呼ばれ恐れられていたこと。
自分と親しくなる大切な人は、みんな命を落としてしまうという。

「永遠の円環」
あした、死ぬとしたら、何をする?
僕はもうすぐ死ぬ。そして死ぬ前にやっておきたいことがある。
それはあの男を殺すことだ。
大事な彼女を奪ったあの男を。
でももう人を殺すほどの力は僕には残っていない。
そこで誰か頼める人はいないかと思っていると、見舞いに現れたのはKだった。

「花」
僕は生まれて初めて意識を失った。
翌日意識を取り戻すと、そこに待ち受けていたのは動脈瘤という病気だった。
すぐに仕事を辞め、長野の実家に帰った僕は両親に病気のことを告げないまま
ただ毎日を過ごしていた。
そこへかつての同級生からアルバイトの依頼が。
有名な弁護士と鹿児島までのドライブ。高速を使わず一般道だけの。
その旅の目的は・・・。


金城さんの短編集です。
金城さんといえば、「フライ,ダディ,フライ」しか読んだことがないんだけど、
この対話篇も本当に良かった。
3作全てに共通しているのは「恋愛と死」。
最後の「花」には思わず涙してしまいました。
どんなことがあっても手は離しちゃいけない。
心にしっとりとしみました。大切な人のことを考えますね。
オススメです。

続いて「映画篇」も読んでみようと思います。

★★★★★



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18:31  |  金城一紀

2009.08.30 (Sun)

平台がおまちかね 大崎梢

井辻智紀は中堅どころの出版社「明林書房」の営業。
学生時代は編集部でバイトをし、大学卒業が危ぶまれていたため就職活動に
専念できず、危ないところを正社員として拾ってもらった。
ライバル出版社の営業真柴に「ひつじくん」なんて呼ばれてしまうまだまだひよっこ。

書店から書店へと走り回る営業マンの業務日誌!

「平台がおまちかね」
売上データを見ていたら、新刊でもないのに異様に売り上げが伸びている1冊があった。
なぜその本が、その書店でだけ売れるのだろう。
早速ワタヌキ書店へと足をのばした智紀が目にしたのは、華々しく飾られたフェア台だった。
嬉しさを店主に伝えるが、なぜか店主は苦い顔。
「君には関係ない。帰ってくれないか。」
え?どうして?

「マドンナの憂鬱な棚」
ハセジマ書店の望月さんは僕たち営業のマドンナだ。
お客さん思いで、本が大好きで、僕たち営業にも気持ちよく接してくれる。
その望月さんがピンチ!
何者かが彼女のことを「つまらない女」と中傷したのだ。
マドンナを守る会が立ち上がる。

「贈呈式で会いましょう」
明林書房が主催する「宝力宝賞」の授賞式。
今年の大賞受賞者に伝言を頼んできたのは、一人の老紳士。
しかし、当の受賞者がいつまでたっても現れない!
無事に授賞式は行われるのか?

「絵本の神さま」
やっと訪ねることが出来たユキムラ書店は先月閉店していた。
絵本が充実してて町の人からも愛されていたその書店がなくなったことを
惜しむ声は多い。智紀も訪れるのを楽しみにしていたのに。
シャッターの前で立ちすくんでいると、声をかけてきたのは蕎麦屋の店主。
最近東京から来たと思われる人が同じように店の前にたたずんでいたらしい。

「ときめきのポップスター」
訪問先の某大型書店で開かれる「ポップ販促コンテスト」。
各社の営業がポップを作り売り上げを競い合う。
ご褒美は次の1ヶ月の平台独占だ!
しかし、不思議な現象が起こった。本の配置が次々に変わるのだ。


大崎梢さんの新シリーズ。
配達あかずきんは書店員が主人公だったけど、今回は出版社の営業。
いろんな書店が出てくるので、成風堂シリーズとはまた違った魅力。
本が1冊できるまでに、いろんな人の、いろんな想いがあるんだなー。
智紀と真柴の掛け合いも面白いし、智紀の成長ぶりも良い。
また楽しみなシリーズが増えました。

1冊1冊、大切に読みたいです。

★★★★★



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21:43  |  大崎梢

2009.08.29 (Sat)

派遣ちゃん 宮崎誉子

「派遣社員はビニール傘みたいだよね」
「強風ですぐに骨が折れるのは、突然の契約終了に似てるかも」

今日も面談と職場見学。
優等生的な面談を終えて、真実は見えない職場見学をして、でも落とされた。

小説家を目指す兄は27歳になっても一度も働いたことがなく、
私が帰ってくると小説のネタになる話をしろとせがむ。
なんで兄は働かなくても怒られないのに、私は怒られるんだ!理不尽。

やっと新しい派遣先にもぐりこむことが出来た。
でも会社なんてどこも一緒だー。


タイトルに惹かれて読んでみたはいいものの、きつかった!
会話で成り立っているからか場面がコロコロ変わるのについていけないし、
なんていうか中身がない。
派遣の実態を知る、みたいな感じでは登録から仕事の流れとかはまぁ分かるけど。
つけまつ毛をしないと兄を凝視できないっていうのも結局よくわかんなかったし。

久しぶりに時間がもったいないと感じた本でした。

☆☆☆☆☆



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18:03  |  ま行その他

2009.08.28 (Fri)

削除ボーイズ0326 方波見大志

世の中のどんな事件でも、それが起こることになったきっかけは
数秒に満たない行動だったり、些細な思い付つきだったりする。

小学6年生のグッチは、フリマで不思議な機械を手に入れた。
デジカメのようなその機械は被写体を捉えてタイマーで時間をセットし「DELETEボタン」
を押すと、その時間から5分間を削除できるというものだった。
半信半疑で使ってみたグッチは、それが間違いなく過去をなかったことにできる
機械だということを知る。

グッチの友人のハルは、1年前のあの事件から車椅子生活になってしまった。
走ることが大好きで、クラスの人気者だったハルは身体が不自由になってしまった
ことですっかり変わってしまった。
あの事件がきっかけで変わった人物がもう一人。それはグッチの兄だ。
ひきこもりになってしまった兄が、ある日屋根から飛び降りてしまう。

あの事件さえ削除できれば。
そうしたらハルも怪我をしなかったし、兄も飛び降りることはなかったかもしれない。
削除装置「KMD」をめぐる少年たちの物語。
そこには知りたくない現実もあった。


発想がなかなか面白い。
タイムスリップものとはまたちょっと違って新鮮です。
小学生らしい心理描写も〇。
はじめは入り込むまでに時間がかかるけど、中盤以降からグッと引き込まれて
最後まで一気に読みました。
ラストまで読んでプロローグに戻ってもう一度読むとちょっと切ないです。

第一回ポプラ社小説大賞、大賞受賞作。
賞金2000万円って!!すごい。
と、話の内容とは関係のないところですごくビックリです。

★★★★☆



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21:25  |  か行その他

2009.08.27 (Thu)

ふたりの季節 小池真理子

夏の昼下がり、並木道に面したオープンカフェであの人に再会した。

早めの夏休みをとっていた由香は、偶然かつての恋人であった拓と再会する。
実に30年ぶりだ。
1970年の夏。2人が過ごしたあの頃。
狂おしくて、切なくて、大好きだった。

由香は2年前に離婚し、拓は6年前に妻と死別していた。
違う道を歩いていた2人が長いときを経て再会し、あの時に思いを馳せる。


物語は今の2人の今後の展開は全然なくて、若かったあのときの
思い出を回想するかたちで進んでいく。
あんなに大好きだったのにどうして別れが訪れてしまったんだろう。
あのとき読んだ本、聞いた音楽、狭いアパートの部屋。
必然的に学生時代の恋人を思い出してしまうような物語です。
50代、60代の人が読むともっと楽しいかな?
30分くらいで読めてしまうので、それこそ昼下がりのカフェで白ワインを飲みながら
オシャレに読んでみたいものです。
もちろん私は自宅で麦茶片手にでしたが(笑)

★★★☆☆



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06:46  |  か行その他

2009.08.26 (Wed)

夏と花火と私の死体 乙一

9歳の夏休み、わたしは死んだ。

わたしはその日いつものように森に入っていった。
友達の弥生ちゃんと弥生ちゃんのお兄ちゃんの健くんと3人の秘密基地。
木に登って弥生ちゃんと健くんのことを話していると、遠くから
健くんがこちらに向かって歩いてくるのが見える。
おーい!と手を振ったその時、小さな弥生ちゃんの手がわたしの背中を押し、
わたしはあっけなく死んでしまった。

死体を見つけた健くんはビックリしたものの、泣きじゃくる弥生ちゃんをなだめる。
2人の幼い兄妹は、わたしの死体を隠すべく冒険を始める。


実は初・乙一です。なぜか今まで読む機会がなくて。
これ書いたのは作者が16歳の時なんですね!驚き。
主人公があくまでも「わたし」という死体であることが斬新。
死体目線の小説なんて読んだことない。

不気味な冷静さを持つ健くんと、必死になってついていく弥生。
親戚の緑さんがまた妖しくていいです。
「わたし」目線なんだけど、「わたし」の恨みつらみが全然描かれていないのが
良かった。温度感的に。

同時収録されている「優子」も〇。
狂気に充ちている。素晴らしいー。
「夏と花火と私の死体」よりも「優子」のラストのほうが意外でした。
だまされました。

夏はホラーがいいですね。

★★★★★



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18:26  |  乙一

2009.08.25 (Tue)

野良女 宮木あや子

鑓水、28歳。
そういやこの2年いたしてない。
もしかして苔が生えてしまっているかも。
と思っていたら、子宮内膜症になっていた・・・。

苔を一掃して、女としての再出発をしなければ!と出入り業者の営業と
なんとかお近づきになるが、その、いたすまではいかない。
あー28歳ってもうとっくに結婚してると思ってた。
結婚してない、定職についていて、親子ほどの年の開きのない人を恋人に
したいと思うことは、果たして28歳の女子にとって高望みなのか?


アラサー女5人の雄叫び集!

宮木さんの作品をたくさん読んでるわけじゃないけど、この作品にはビックリ!
爆笑しっぱなしでした。ヤバイです。
シモの話がかなりきわどいんだけど、ここまでいくと清々しささえ感じる。
面白かった~!
女子ってもんは結構これくらい話してしまう(私だけ?)
久しぶりに女子だけトークをしたくなっちゃいました。

お下劣なのはダメっていう人には完全にNGな1冊だけど、
私的にはめちゃめちゃ面白かった!
美カリくんって!!最近エヴァンゲリヲン見たばっかりだったので、笑いが止まらず。

★★★★★



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23:48  |  宮木あや子

2009.08.24 (Mon)

サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ 大崎梢

駅ビルにある書店成風堂にビッグニュース到来!
あの人気ミステリー作家の影平紀真のサイン会を開くというのだ。
通常大型書店でしか開かれない人気作家のサイン会に成風堂の面々は大騒ぎ。
ただし、成風堂で開くには条件があった。

レッドリーフと名乗るファンを特定してほしい。

はじめは熱狂的なファンだと思われていたその人物は、実は巧妙な嫌がらせを
するストーカーだった。
男か女かも、もちろん年齢も何も分からない「レッドリーフ」とは誰なのか。
無事にサイン会を成功させることはできるのか。


成風堂シリーズ第三弾。すっかりハマってしまいましたー。
今回は連作短編。やっぱりこの形のほうが好きだな。
他に
「取り寄せトラップ」
「君と語る永遠」
「バイト金森くんの告白」
「ヤギさんの忘れもの」

やっぱりタイトルにもなっている「サイン会はいかが?」が一番良かった。
本のタイトルを使った巧妙なメッセージがワクワクして楽しかった。
あとは「ヤギさんの忘れもの」はまた一味違ってじんわりと。

今回は本屋さんの仕事の大変さがよく伝わってきました。
このシリーズを読んでから、本屋さんに行った時に見るところが変わったな(笑)
まだまだ続きそうで楽しみです。

★★★★★



21:38  |  大崎梢

2009.08.23 (Sun)

女ですもの 内田 春菊, よしもと ばなな

内田春菊さんとよしもとばななさんの対談集。
結婚・出産・男について・家族について赤裸々に語っています。

興味深いところもたくさんあるんだけど、全体的に拭えない違和感・・・。
私にまだ子供がいないこともあると思うし、お二人の結婚生活が一般的ではない
っていうのもあるのかもしれない。
作家さんっていうのは狭い世界なんだなーと思ってしまいました。

ちょっと愚痴っぽいかな。
共感できるところは少なく・・・。
でも自分に正直なところはいいと思います。
これだけ言いたい放題言えたら結構スッキリするのでは?


★★☆☆☆



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10:02  |  あ行その他

2009.08.22 (Sat)

ブエノスアイレス午前零時 藤沢周

東京の広告代理店で働いていたカザマは、仕事を辞めて故郷の温泉宿に
帰ってきた。実家は豆腐屋を営むが、そちらにはあまり帰っていない。

カザマが働いているのは「みのやホテル」。
ホテルには巨大なコンベンションホールがあり、社交ダンスをしに来る客も多い。
カザマは源泉で毎朝温泉卵を作ったり、ダンス客の相手をしている。
ダンスは大嫌いだけど。

ある日来たダンスの団体客の中にその老婆はいた。
サングラスをかけて足元が覚束ない老婆ミツコは盲目だった。
そしてだいぶ耄碌していた。
現在と過去の記憶が入り混じっている。
ブエノスアイレスに電報を打ちたいと言い出したり、
カザマのこともなかなか覚えてもらえない。

初日に些細なトラブルを起こしたミツコは、次の日ダンスの会場に
姿を現さないと思っていたが、妹の反対を押し切り会場へやってきた。
カザマはミツコをダンスに誘う。
そのときカザマが見るものは。


藤沢周さん初読みです。
芥川賞受賞作。

短いけれど濃い。
雪で埋め尽くされる小さな温泉宿。何かを諦めてしまった青年。盲目の老婆。
静かなのにどこか荒々しさも感じる不思議な魅力があります。
ちょっと切なさもあり、心に染みます。

他に「屋上」収録。

★★★★☆



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17:51  |  は行その他

2009.08.21 (Fri)

晩夏に捧ぐ 大崎梢

先日読んだ配達あかずきんの成風堂書店シリーズ第二弾です。

杏子のもとに届いた1通の手紙。
差出人は以前成風堂で働いていた同僚、美保だった。
美保が現在働いている故郷の老舗書店「まるう堂」で幽霊事件が勃発。
とうとう美保本人も幽霊と遭遇してしまい、いまやまるう堂存続の危機とまで言われている。
本屋で起こる事件を解決する名探偵として杏子と多絵に早急に来てほしいというのだ。

幽霊事件は27年前に起こった殺人事件が端を発しているらしい。
渋る杏子だが多絵は目を輝かせている。これは行くしかない・・・。
根っからの書店フリークの杏子は、老舗書店の見学もできると士気を奮い立たせ
2人は一路長野へと向かう。

27年前に起こった弟子による作家惨殺事件。
幽霊はその犯人とされていた小松秋郎であるというまことしやかな噂。
もうとっくに時効を迎えた事件が再び動き出す。


今回は長編です。
前作よりはミステリー色が強いかな。
最後の最後まで犯人の予想がつかなくて面白かったです。
意外にサラリと終わっちゃったけど、秋郎の隠された心の闇が深くて気になりました。

それに加えて、まるう堂の描写が細かいのも嬉しい!
本屋好きのポイントをついてますねー。
杏子のマニアックぶりも良かったです。

ただ「出張編」というだけあって豪華だったけど、成風堂で解決される事件のほうが
親しみがあって私は好きです。
短編のほうが好み。

★★★★☆



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17:27  |  大崎梢

2009.08.20 (Thu)

ラジオデイズ 鈴木清剛

カズキの前に突然現れたのは、幼なじみのサキヤだった。
10年ぶりの再会。
でもそれは決して喜ばしいことではない。
カズキは子供の頃からサキヤのことが嫌いだった。

サキヤは歯科医の子供で、持っていないものは何もなかった。
家が2軒隣だったカズキは、仕方なしに付き合っていたようなものなのだ。
両親の都合でサキヤが転校するあの日まで。
それからサキヤのことなんて思い出しもしなかった。

でもなぜかそのサキヤが俺の一人暮らしのアパートにいる。
1週間だけと言われ、また押し切られてしまった。子供の頃から変わってない。
6畳一間のアパートに大して仲良くもない男が2人。
奇妙な同居生活が始まった。


なんてことのない日常生活。楽しくもないけど、つまらなくもない。
そんなカズキの元に転がり込んできたサキヤは、しっかり自分を持っていた。
カズキのちょっとした焦りや苛立ちがリアルに描かれている。
友情物語でもないし、三角関係って感じにも発展しない。
淡々としててあまり起伏がないんだけど、結構好きです。

カズキの彼女チカがいい感じだったな。
3人の距離感が良かったです。

★★★★☆



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11:51  |  さ行その他

2009.08.19 (Wed)

かげろう 藤堂志津子

雪江は最愛の夫、白沢弘道を失ってしまった。
初めて出会ってから恋焦がれ、やっと手にした結婚生活。
年の差25歳。雪江は初婚だが、白沢は再婚だ。
そう長くは一緒にいられないと分かっていての結婚だったが、
やはり雪江にとって白沢の不在はこたえるものがあった。

そんな雪江の心中を察していつも気遣ってくれたのは、白沢の弟子である
乙彦とその妻の紅子。
白沢の病状を伝えるとすぐさま飛んできて、見舞いも1日もあけることのなかった
乙彦夫妻に、雪江は言葉では伝えられないほど感謝していた。

子供のいない雪江は、乙彦夫妻に白沢の財産を託すことも考えて
養子縁組の話を持ちかける。
一人になってしまった雪江にとって、乙彦たちは家族も同然だったからだ。

しかし、養子縁組をしてからというもの、3人の関係は徐々に変化していってしまう。


藤堂さん初読みです。
表題の「かげろう」の他に、「あらくれ」と「みちゆき」を収録。
中年女性の孤独を描いた作品だと思うんだけど、残念ながら感情移入できず。
淡々としすぎていて、後に何も思うところがなく残念。

読後感もイマイチ・・・。

★☆☆☆☆



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11:21  |  た行その他

2009.08.18 (Tue)

配達あかずきん 大崎梢

大崎梢さん、気になっていてやっと初読みです。

駅ビルの6階にある本屋、成風堂。
そこで働く杏子と、バイトの多絵が次々と謎を解明するミステリー。

「パンダは囁く」

一人の小柄な中年男が、本を探しにやってきた。
近所に住む寝たきりの老人から本を買ってきて欲しいと頼まれたらしい。
しかしそのメモは解読不能。

あのじゅうさにーち いいよんさんわん ああさぶろうに

寝言よりひどいこのメモだけで、ご所望の本は探せるのか?

「標野にて 君が袖振る」

いつも溌剌として元気一杯のお客様、沢松さま。
その娘さんが現れて、沢松さまが先週木曜日に成風堂を訪れてから
行方がわからなくなってしまったという。

調べてみると先週お買い求めになったのは『あさきゆめみし』。
どうしてご高齢の沢松さまが突然今まで買ったことのない漫画文庫を?
そこには20年前に交通事故で亡くしてしまった息子さんの想いが込められていた。

「配達あかずきん」

成風堂の配達先の一つである美容室で、雑誌の間からプライベートな写真に
『ブタはブタ』との殴り書きが発見されて大騒ぎ。
読んでいたのは美容室のお客様で、写真を盗撮された本人。もちろん大激怒。

一方成風堂のバイトのヒロちゃんが、配達の途中に何者かに階段から
突き落とされた?

「六冊目のメッセージ」

本を選んでくれた店員さんにお礼がしたい。
そう言って訪れたのは、若い女性客。
そのお客様が入院中に、母親が成風堂を訪れ本を探していたら、
親切な店員さんが本を選んでくれたというのだ。
次々に選んだ5冊の本は、ジャンルも好みもバラバラ。
探してみたけれど成風堂の店員に、その本を選んだ人はいなかった。
一体誰が?

「ディスプレイ・リプレイ」

出版社が企画するディスプレイコンテスト。
今まで一度も参加したことはなかったけど、新しくバイトに入った夕紀が興味を
示したことから、杏子の担当するコミック部門で参加することになった。
今回の対象商品である超人気コミック『トロピカル』で挑戦!
夕紀の学校の友達二人も参加して、出来のいい見事なディスプレイが仕上がった。

けど、次の日フロアに来てみると、何者かによって黒いスプレーで悪戯が。


ミステリーとしてどうこうよりも、本屋さんが舞台の作品って本当に面白い!
出てくる本のタイトルが読んだことのあるものだとうれしいし。
ミステリーとして考えるならば、「パンダが囁く」が一番良かった。
それにしても出版社が全然違うのに、東京創元社さんはなんて寛大なんだ(笑)

シリーズものみたいなので、早速続編を読みたいと思います。

読書好き、書店好きの人にオススメ!
こんな書店員さんがいたら、毎日通ってしまいそうです。

★★★★★



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06:26  |  大崎梢

2009.08.17 (Mon)

空色ヒッチハイカー 橋本紡

お兄ちゃんが消えた。

彰二はいつも兄の背中を追いかけていた。
頭も良くて、スポーツもできて、女の子にモテモテのお兄ちゃん。
東大生で、難関の国家一種をパスした将来有望のお兄ちゃん。
そのお兄ちゃんが突然いなくなってしまった。

18歳の彰二は受験勉強をほったらかして、夏休みの長いドライブに出る。
お兄ちゃんのキャデラックで国道1号をひた走る。

旅のお供はヒッチハイカーたち。
そりゃやっぱりかわいい女の子がいい。
美人で色っぽい杏子を乗せて、キャデラックは一路九州へ。


お兄ちゃんとの思い出と道中が交差しながら進んでいく。
なんとも爽やか!ザ・青春小説。
人生の目標を失ってしまった少年の心の動きが伝わる。

おいおい、できすぎ!と突っ込みたくなるところもあるけど、読後感は〇。
夏休みにピッタリの1冊。

★★★★☆



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06:08  |  橋本紡

2009.08.16 (Sun)

オテルモル 栗田有起

オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン。
「眠る」ためのホテル。

希里はその求人内容を見て早速応募した。
その条件とは

1:夜に強いこと
2:孤独癖があること
3:めったにいらいらしないこと

よし、これならできそうな気がする。
早速面接に行き、外山さんに「誘眠顔」と太鼓判を押されて即採用となった。
勤務は日没から日の出まで。
一風変わったこのホテルで、希里の仕事が始まる。

希里は双子の姉で、妹の沙衣は子供の頃から身体や精神が弱く
入退院を繰り返している。両親も小さい頃から沙衣につきっきり。
沙衣は今も入院しているので、希里は沙衣の夫と娘と3人で暮らしている。
しかも沙衣の夫は元々は希里の恋人だった。

そんな境遇なのに、希里はどこか諦めているような雰囲気がある。
全然悲劇的ではなくて、むしろ穏やかに時は進んでいるように見える。
「眠り」を通して、希里は家族との関係をもう一度確認しているのかも。

オテルモルの描写がすごく細かい。こんなホテルあったら絶対行ってみたい!

不思議な物語だったけど、読み終わったあとなんだか落ち着きました。
今日はぐっすり眠れそう!

★★★★★



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16:48  |  栗田有起

2009.08.15 (Sat)

春、バーニーズで 吉田修一

最後の息子の10年後の設定。連作短編。

「春、バーニーズで」
オカマのヒモをしていた僕(筒井)も、いまや1児の父。
子供とは血はつながっていないが、まぎれもなく自分の子供である。
ある日息子の入園式用の服を買いに行った新宿で、その元恋人であるオカマと
偶然再会する。

続編といっても、これ単品でも十分楽しめると思います。

なにげない日常の中でふとわいてくる気持ち。
もしこの人と結婚してなかったら、どんな違う人生を歩んでいたんだろう。
もしこれを左に曲がれば、違うところに行けるんだろうか。
それは決して今の生活が不満だからっていうわけじゃなくて、
そういう可能性もあったんだよなーって思って人の縁みたいなものを強く感じます。

「パーキングエリア」のラストがいいです。
奥さん、やるね!かっこいい。

サラリとしてて読みやすい。けどしっかり吉田修一さんの世界になってる。
うまい。

★★★★★



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14:09  |  吉田修一

2009.08.14 (Fri)

星間商事株式会社社史編纂室 三浦しをん

川田幸代29歳。企画部から社史編纂室へと異動になった。
企画部時代の腕が見込まれ、責任者になることもできたのに
それを拒んだわけは・・・趣味のためだ!

社史編纂室はとにかくゆるい。
幽霊部長(誰なのかもわからない。見たこともない、)をはじめ
本間課長、矢田、みっこちゃん、幸代の総勢5名。
始業時間に全員揃わないし、仕事もやってるんだかやってないんだかわからない。
幸代はそんな環境にイラつきつつも、感謝もしていた。

幸代の趣味は同人誌制作。「月間企画」は、「月間商事株式会社」を舞台に
繰り広げられるBL小説を出しまくっている。
要するに幸代は腐女子だった。

ある日お昼休みに一人こそこそ小説のコピーをとっていた幸代は
運悪く本間課長に見つかってしまう。学生時代に小説を書いていたという課長は
なぜか乗り気になってしまい、社史編纂室で同人誌を出そう!と意気込む始末。
おいおい、同人誌の前に社史だろう!

その肝心な社史は今年度中には仕上げなければならない。
仕事を続けているうちに、1箇所だけ躓く箇所があった。それは「高度成長期の穴」。
取材する先で、誰もがそのときの話をしたがらないのだ。
会社の裏で何かがあったと悟る矢田、幸代、みっこちゃんの3人は
その謎に迫ることになるが、そこにはさまざまな妨害が・・・。


社史編纂というマイナーな仕事と、幸代の腐女子っぷりが見事に融合!
星間商事の原稿用紙の謎もすごく面白かったです。
社編のみんなのキャラも際立っていて、久しぶりに爆笑しました。
BL小説を読んだことないんだけど、作中に幸代の作品が入ってくるので
そちらも楽しめてお得(笑)。本間課長の時代小説(自伝?)も良かったし。
私も社編に入りたいなぁ・・・。

私的にはとってもツボでした。

★★★★★



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23:58  |  三浦しをん

2009.08.13 (Thu)

モサ 山崎ナオコーラ&荒井良二

カルガリ家の長男モサはニートである。
年齢は14歳。ニートだからもちろん学校にも行ってない。
イッカイの町の隣のニカイという町に住んでいるモサは、
昼に起きて家事をして、それから星を見に行く。

その日も展望台で星を見ていたら、星と一緒に少女が落ちてきた。
二人は一緒に生きていくことを決意する。

ナオコーラさんの物語と、荒井さんの絵がすごくマッチしてる!
荒井さんの絵がまたいいんです。
不思議な魅力に満ちてます。

モサとホシヨミさんの会話がすごくステキ。
周りにこんな大人がいれば、迷える子供たちが少なくなるんだろうな。
大人のためのファンタジー。
迷える大人もぜひどうぞ!

★★★★★



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23:24  |  山崎ナオコーラ

2009.08.12 (Wed)

シングルベル 山本幸久

その日進藤恵が行ったのは、「月下老倶楽部 未来セミナー」。
そこには30代以上の子供を持つ親たちが、嫁や婿を探すべく集っていた。
恵は姉たちにはっぱをかけられて無理やり参加することになったのだった。
「最低でも3人の嫁候補を探してこい!」という命令に従い、何とか3人の
嫁候補の写真を手に入れる恵。

恵の息子陽一は今年36歳。絵画修復師。もう10年も彼女がいない。
別に結婚を諦めたわけじゃないけど、そこまでガツガツしていない陽一。
いわゆる草食系。
そんな陽一の周りが突然賑やかになってきた。

ちょっと強めの女たちと草食系男子、そして婚活。
イマドキな感じのテーマ。
親っていうのはいつまでたっても子供のことが心配なんですねぇ。
それに比べて30歳過ぎても結婚に積極的になれない子供たち。
ドタバタっぷりは楽しく読めました。

★★★☆☆



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23:18  |  山本幸久

2009.08.11 (Tue)

ファースト・プライオリティー 山本文緒

ここ最近、私にしては珍しくバタバタした日々でした。
まとめて更新したので、お時間あるときにでもぜひ♪



31歳の31通りの生き方。

同じ31歳でも、もちろん一人一人全然違う人生を歩んでいる。
結婚してたり、離婚してたり、独身だったり。
仕事に生きる女も、家庭に生きる女も、どの女も悩み戸惑い続ける。

勢いだけで突っ走れた10代・20代を過ぎて、こわごわと30歳を迎える。
仕事もそれなりの仕事を任されるようになったり、子供を産んだり、
一番変化が訪れる年齢。
いろんなことを見て、いろんなことを「諦める」っていうことも学ぶ年齢。

それぞれの女の、ファースト・プライオリティー。

なにせ31人もいるから、一人くらいは
「お!?これって私のこと?」と思える人がいる。
1編がすごく短い(10P弱)なので、サクサク読み進められます。
すごく好き!
そんなに深くないのに、なぜだか心に残る作品です。

★★★★★



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22:32  |  山本文緒

2009.08.10 (Mon)

ナラタージュ 島本理生

今でも忘れられない人がいる。

大学生の泉は、高校時代の演劇部の顧問である葉山先生から突然連絡を
もらった。あの日以来1年ぶりに。
演劇部の後輩たちの公演する舞台を手伝ってほしいと言われ、
卒業以来初めて母校を訪れる。

再び時間を共にすることになった泉と葉山先生。
はじめはぎこちなかった二人も、いつの間にか昔のように戻っていった。
卒業式のあの日から泉の気持ちは変わっていない。
でもそれは抑えなければいけない気持ちなのだ。

演劇部を一緒に手伝うことになった小野との出会いもあり、
泉は自分の気持ちを押し込みながら、気づかないフリをする。
葉山先生への想いと決別し、泉は小野との交際を始める。



恋愛小説の王道。教師と生徒という関係も、二人の間にある障害も。
いかにも、なストーリーなんだけど、最後は本当に切なかった・・・。
前半より後半が断然いいです。
小野君の豹変っぷりが、比較的平坦な印象を持つこの作品のスパイスになってると
思います。人は恋愛すると醜くなってしまうものなのかも。

たまには王道の恋愛小説もいいなー。

★★★★☆



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14:40  |  島本理生

2009.08.09 (Sun)

ドラマチック・チルドレン 乃南アサ

またまた子供モノです。

富山県にある「ピースフルハウス・はぐれ雲」。
さまざまな事情を抱えた子供を預かり、共同生活することによって
子供たちが自立できるように支援する施設。

はぐれ雲を訪れる子供たちは後をたたない。
非行であれ、引きこもりであれ、川又夫妻は一人一人に真摯に向き合う。
そんな川又夫妻の苦悩と、子供たち・親たちの成長を見つめる作品。

乃南さんといえばミステリー。
だけど今作はほぼノンフィクションです。
子供たちが抱える心の問題の深さと、それを支える大人たちの姿勢。
川又夫妻が本当にすごい。
親ですらお手上げの子供たちを預かるのは想像を絶する大変さだろう。
子供もさまざまなら、親もさまざま。
子供と向き合うこともせずに、川又夫妻に託して知らん顔の親だっている。

子供たちの心の変遷が忠実に描かれていて、とても興味深い作品だった。
子供を変えるためには、親も変わらなければならない。

戦いはこれからも続くのです。

★★★★★



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07:01  |  乃南アサ

2009.08.08 (Sat)

HEARTBLUE 小路幸也

HEARTBEATの続編です。
前作を読んだのは4月だったのに、いやはや結構忘れていてビックリ。
本は手元にないので、なんとか過去記事で思い出すありさま・・・。

ニューヨーク市警の失踪人課に勤めるダニエル・ワットマン。
彼の元に一人の少年が訪れた。その少年は「暗闇」で生きていたサミュエル・マイヤー。
「彼」を知っている少年だ。

失踪したのはサミュエルの友人で、同じくかつて「暗闇」で生活していたペギー。
養父母のもとで暮らしていたペギーは、ここ1年くらいは様子が少しおかしかったという。
手続きをとり捜査を始めるが、残念ながらペギーは遺体で発見された。

ペギーは自殺だった。遺体の近くで見つかった胡桃のキーホルダー。
それがワットマンの記憶を呼び起こした。
少女の自殺、遺品の胡桃のキーホルダー。奇妙な共通点を持つ事件を思い出した。
調べていくうちに、二人の共通点はさらに増えていく。
二人は最近悪夢にうなされていたという。性的な夢。
子供の頃の自分が、大人の男性を誘っている夢。
それは何を意味するのだろう。

一方、仕事でニューヨークを訪れていた巡矢は、友人であり有名なフォトグラファーの
恵野かんなが撮った写真の中に、ワットマンを見つける。
そしてそこに写っていた一人の少女。
かんなは現像してから、その場にはいなかった少女が写真に写りこんでいることに
気づいたのだという。独自に調べ始めた巡矢は、あることに気づく。

HEARTBEAT同様、一つの事件を二方向から探っていって、最後にぶつかるっていう
パターンです。
小路さんと「性的虐待」というテーマが意外すぎる。
真実が見えてくるところはドキドキして楽しいんだけど、題材が題材なだけに、
読んでいてちょっと苦しかったです。

これもシリーズとして続くのかな?もちろん読みますとも!

★★★★☆



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06:36  |  小路幸也

2009.08.07 (Fri)

ジーン・ワルツ 海堂尊

生命の基本ビートは三拍子、つまりワルツなのだ。

帝華大学産婦人科学教室の助教である曾根崎理恵は、人工授精のエキスパート。
大学での講義を持ちつつ、週に一度「マリアクリニック」での不妊治療も行っている。
院長の三枝茉莉亜が癌を患い、この病院は閉院が決まっている。
理恵のもとを訪れたのは、それぞれに事情を抱えた5人の妊婦たちだった。

甘利みね子、34歳。結婚8年。男の子一人。経産婦。
神崎貴子、28歳。共働きの彼女には予定外の妊娠。
青井ユミ、19歳。父親不明。早く子供を堕ろしたがっている。
荒木浩子、39歳。5年間の不妊治療を経て、3度着床するがことごとく2ヶ月以内に
流産。今回がラストチャンス。
山咲みどり、55歳。人工授精で双子を妊娠。

5人は全員が出産できるわけではない。
そこにはいろんな試練が待ち構えていて、いろんな涙がある。
もうすぐを読んだときにも思ったけど、妊娠して元気な赤ちゃんを産むことは
奇跡みたいなものなんだ。
生まれてきてもすぐ死んでしまう赤ちゃん、重度の奇形で生まれてくることが
分かっている赤ちゃん。でも母は産む。
人間なんて、不合理で不恰好な生き物。

お母さんたちが堕胎を勧められながらも出産を決意して、そして無事出産する
シーンは、涙なしでは読めませんでした。

代理母の問題も、今までは「そこまでやるか・・・」と正直思っていた部分もあったけど、
赤ちゃんを望む人にとって、それは大きな可能性の一つなんだなって思います。
母の強さを感じました。
自分が生まれてきた事に、自分を生んでくれた母親に、深く感謝。

医学用語が難しく感じるかなと思っていたけど、思っていたよりも読みやすかった。
考えるいいきっかけになる1冊だと思います。

★★★★★


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22:47  |  海堂尊

2009.08.06 (Thu)

学問 山田詠美

東京から美流間に引っ越してきた仁美は、裏山で一人の男の子に出会う。
心太。「ところてん」だからテンちゃん。
初対面のその日、仁美は尿意を伝えることができずその場でもらしてしまう。
驚きと恥ずかしさで泣き出してしまった仁美に、テンちゃんは自らも同じ事をして
おあいこにしてくれた。
仁美はわずか7歳で、「絶対テンちゃんについていく!」と心に決めた。

仁美・テンちゃん・無量・千穂。
4人の少年少女たちの小学校から高校までを描く青春小説。
心と身体の変化。性への目覚めと戸惑い。
こんなに生々しく性を描いているのに、なぜか不快感はゼロ。
性=生。生きることなんだ。
山田詠美さんの描くこのまっすぐさが好きです。

出会った遠いあの日に、仁美は、
心太専用の水晶体を手渡されてしまったのかもしれません。


テンちゃんの男女年齢問わず、誰もを虜にしてしまうカリスマ性。
ジャズバーのキスシーンがステキでした。

★★★★★



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23:25  |  山田詠美

2009.08.05 (Wed)

マイ・ブルー・ヘブン―東京バンドワゴン 小路幸也

子爵・五条辻政孝の長女である咲智子は、父親から国家の未来に関わるような
重要な文書が入った箱を託された。
時は昭和20年。戦争が終わり、町は復興へ向けて動き始めていた。
「箱」を持った咲智子は命ぜられたとおり静岡の叔母の家へ届けるため、
上野駅へと向かう。しかしそこで待ち構えていたのはGHQ。
事の重大さを感じていた咲智子はなんとしても「箱」を守り抜こうとするが、
そこは大人の力に勝てず無理やり連れ去られそうになる。
しかしその時、咲智子を救ってくれた一人の青年がいた。

逃げてきた咲智子と青年は、そのまま青年の家へと向かう。
そこは東京の下町にある古本屋「東京バンドワゴン」だった。
青年は堀田勘一といい、その父親である堀田草平は偶然にも
咲智子の父五条辻政孝の親友だった。

電車の切符を無くしてしまい途方に暮れる咲智子に、草平は
「静岡に行くのは得策ではない」という。
そうして咲智子は身元を隠すために勘一の嫁と偽装して堀田家のお世話に。
「箱」を守るために集まった人たちとともに、「堀田サチ」としての生活が始まる。


東京バンドワゴンシリーズの番外編です。
今回はサチと勘一の出会いから始まります。
東京バンドワゴンのルーツもわかって、さらに愛着が!!
それにしても医学生で英語もペラペラ、喧嘩も強いし、楽器もできるしで、
勘一のかっこいいことといったら・・・。惚れます。
それに他人であるサチのために命までかけてくれる堀田家の人々。
できすぎ!!なんだけどジワッとあったかくなります。LOVEだねぇ。

シリーズの新作が待ち遠しい。

★★★★★


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23:14  |  小路幸也

2009.08.04 (Tue)

カンランシャ 伊藤たかみ

隆一は大学の先輩である直樹の妻いずみからあることを頼まれた。
直樹が浮気しているらしいのだ。

直樹の浮気が元になり、隆一といずみは次第に近づいていく。
隆一は別居中で、今は一人暮らし。
いずみへの想いは日に日に募り、自分でも怖いくらいだ。

一方いずみは直樹の浮気に苦しみながらも、隆一に惹かれていく。
まっすぐな隆一の気持ちに、とうとう答えてしまった。
二人は歩き始めた。
隆一は別居中の妻と離婚し、いずみに「直樹と離婚してほしい」と告げる。

しかし、その時直樹が脳出血で倒れてしまい----


若干ありがちなストーリー展開だけど、気持ちの揺れ動きが絶妙です。
でもやっぱり不倫はその後の展開がどうであれ、どうしても不幸な感じがしてしまう。
なんだか喉がつかえるような読後感でした。

後ろめたさや罪悪感を感じながらも、人は誰かを好きになると止められない
ってことなんでしょうかね。


★★★☆☆



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23:51  |  伊藤たかみ

2009.08.03 (Mon)

ひとりの時間を楽しむ32の方法 古内東子

ミュージシャンの古内東子さんが提唱するひとり時間の楽しみ方。

PART1:自分を磨く
PART2:自分を鍛える
PART3:自分を補う
PART4:自分を甘やかす
PART5:自分を見つめる

なんつーか、「女子!」な1冊です。装丁もかわいい!
朝のヨガから、夜のひとりバーまで色んな場面での女子力の磨き方って感じです。
特に「ひとり」に特化しているわけじゃなくて、古内さん自身のライフスタイルの紹介。
使ってる化粧品だったり、お気に入りの場所だったり。
大げさなことは何も書いてないので、誰でもどれか一つは取り入れられそう。

で、私はといえばなんだか「自分を甘やかす」のところばっかり見ていて(汗)
これ以上自分を甘やかすのはさすがに怒られそうなので、
「自分を見つめる」と「自分を鍛える」を実行しようと思います・・・。

ひとりでお茶するのは全然平気なんだけど、ひとりご飯がいまだに楽しめません。
ひとりでお店には入っても、サササっと済ませてしまうので、
ひとりご飯を楽しめるようになってみたいもんです。
って毎年言ってる気がする。


なんとなくテンション上がります。
「女子」な気分になれる1冊。サクっと読めてオススメです。

★★★★★



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22:03  |  は行その他

2009.08.02 (Sun)

落下する夕方 江國香織

ある晴れた日曜日、8年間一緒に暮らしてきた健吾と別れた。
彼は華子という女に一目惚れしてしまったという。
健吾が家を出て行き、残された私は広い部屋に一人きりになった。

別れても健吾は電話をかけてくる。
近況を語り、そして自分と華子について語る。
身を裂くようなそんな電話でも、私は健吾と繋がっていることに安心する。

華子が突然私の部屋に転がり込んできた。
家賃を半分払うから同居しようという。健吾が焦がれている華子と同居?
不思議な同居生活と不思議な三角関係を描いた恋愛小説。


みんながみんな一方通行。切なくて苦しい。
華子に最初すごく嫌悪感を抱いていたんだけど、読み進めるうちに
子供みたいな、猫みたいな華子の魅力がジワジワと伝わってきました。

好きなんじゃなくて、執着。
逃げるのって苦痛。

もうダメだって分かってるのに、自分に会いに来てるわけじゃないって
わかってるのに、喜んでしまう。だって間接的にでも繋がっているから。
わかります、わかります(涙)
切なすぎます・・・。


★★★★☆



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23:31  |  江國香織
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