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2009.07.31 (Fri)

わたしとトムおじさん 小路幸也

帆奈はニューヨークに住むお父さんお母さんと離れて、
「明治たてもの村」という観光施設で、おじいちゃん・おばあちゃん・
トムおじさんと暮らしている。
トムおじさんは元ひきこもり。人と接することが苦手。
でも素晴らしい才能を持っていて、それを仕事にしている。
古い建物や古い物を修繕したり、本物みたいなニセモノを作る。
帆奈はそんなトムおじさんが大好き。

第一章が帆奈が6年生。
第二章が帆奈が10歳。
第三章が帆奈が中学生。

ちょっとした事件あり、色んな発見ありの帆奈とトムおじさんの日常を描いた作品。

子供は明るくなるのが仕事。
大人は優しくなるのが仕事。


こういうのが小路さんらしくて好きです。
周りにこんな大人がいっぱいいれば、もっと住みよい社会になるんだろうな。
ささくれ立った気持ちを静めたければ、小路さんの本が一番だと思います。
(別に今私の心がささくれ立っているわけではないんだけど・・・)。

明治の建物だったり、古い家具だったりが出てくるのでちょっと東京バンドワゴン
っぽい雰囲気もありつつ。でもバンドワゴンほどはキャラは濃くないです。

★★★★☆



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23:00  |  小路幸也

2009.07.30 (Thu)

女の絶望 伊藤比呂美

すごいタイトル。
前知識が何もなかったので、ちょっとオドロキました。

伊藤比呂美さんが新聞で連載している身の上相談を元にしたエッセイ。
で、大半がシモです・・・。
いや、それは全然いいんだけど。

結婚、離婚、子供、更年期障害、老い・・・。
相談は多岐にわたっていて、なかなか切実です。
でも語りが落語調なので、あんまり重くはないです。
だからといって楽観的すぎず、ちゃんとしたことも言ってる。

絶望っていうタイトルとは反対に、まぁ何とかなるかって感じの軽いエッセイ。
あたしはあたし。「がさつ、ずぼら、ぐうたら」。

でも、私にはちょっと早かったかも。
40歳・50歳になったときに、もう一度読みたいです。

★★★☆☆



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17:02  |  あ行その他

2009.07.29 (Wed)

キサトア 小路幸也

キサとトアは双子の姉妹。
キサは日の出とともに目覚め、日の入りとともに眠る。
トアは日の入りとともに目覚め、日の出とともに眠る。
双子の兄アーチ、「風のエキスパート」である父フウガ。
家族は5年前にこの港町に引っ越してきた。

風のエキスパートのフウガさん一家がこの町にやってきてから、
いつも悩まされていた「夏向嵐」がなくなった。
町の人はフウガさんに感謝し、一家もこの町が気に入り住むことに決めた。
海からのぼる朝陽と沈む夕陽を同じ場所で見ることのできるこの町は、
キサとトアにとっても、いい場所なのだ。

アーチは小さな芸術家。色を見分けられないという病気を持ちながらも、
数々の作品を作って世界中を感動させている。
悩みをいくつも抱えながらも、家族は幸せに暮らしていた。

しかし、この町の漁獲量が減ってしまったのは、フウガさんが作った風車の
せいだという疑いをかけられてしまう。
「泣き双子岩」の謎や、死んでしまったケンさんの幽霊が見えたり、
アーチの周りで不思議なことが次々起こる。


ファンタジーです。児童書っぽいけど、大人が読んでも全然イケると思います。
どこかの国のおとぎ話って感じ。
アーチをはじめとする子供たちの周りには、理解力と愛のある大人がいっぱい。
小路さんらしいあったかい作品です。

小路さんが描く大人たちって、子供たちに真摯。
変にごまかしたり、かっこつけないところが好きです。

★★★★★



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19:44  |  小路幸也

2009.07.28 (Tue)

ニシノユキヒコの恋と冒険 川上弘美

ニシノユキヒコと10人の女性たち。
ニシノユキヒコは女性を心の底から愛してはいない。愛せない。
でもいつか愛せると思って、数々の女を渡り歩く。

女たちはどこか冷たくて、とらえどころのないユキヒコに心惹かれる。
でも、ユキヒコが本当に自分のことを愛していないことを知って、
自分から別れていってしまう。
だって自分のことを愛してないって分かってしまったら、つらい。

物語は中学時代から死後まで時系列バラバラの連作短編。
でもニシノユキヒコはいつの時代もニシノユキヒコ。
いくつになってもフワフワとしてて、いくつになってもかっこいい。
そしてむかつくぐらい優しい。
ちょっと切なくて、いじらしい恋愛小説。


ニシノユキヒコ、かわいいんです。
女たらしだし、浮気ばっかりするし、ダメ男なんだけど憎めない。
女たちは愛されることを熱望してるんだけど、終わりは必ずやってきて、
終わるときは潔い。でもずーっと心の中に残っている。
でも結局一番孤独なのはニシノユキヒコなんだよね。
そう考えるとちょっと悲しい。

川上弘美さんの句読点の打ち方と、ひらがなと漢字のバランスが好きです。
読めば読むほど、あぁ~好きだな。と思ってしまいます。

★★★★★



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22:34  |  川上弘美

2009.07.27 (Mon)

スタンド・バイ・ミー 小路幸也

すっかりハマってしまった東京バンドワゴンシリーズ。

3作目は勘一の曾孫が二人も増えて、さらに藍子とマードックさんも結婚し、
ますます賑やかになった堀田家。
家もすっかり手狭になってしまって、マードックさんがまだ通いなのがかわいそう。

今回は、秋から冬、春、夏の季節。
古本屋に持ち込まれた本に「ほったこん ひとごろし」と書かれていたり、
アメリカから届いた荷物の中に重大な日記が潜んでいたり、
研人のガールフレンド、メリーちゃんの後ろをつけてくる羊男。
ついに我南人にスキャンダル!?
今回も事件がいっぱい。

総勢12名の家族と犬2匹・猫4匹!
まさに大家族なのに、堀田家には一体感があります。
家訓にある「食事は家族揃って賑やかに行うべし」が功を奏しているよなー!
食事は「何を食べるか」よりも、「誰と食べるか」が重要だなって思います。

そしてそして今回も藤島さんがやってくれます。
どこまでいい奴なんだ!もうできすぎでしょってくらいいい男です。
現実にいたら絶対惚れる(笑)
藤島さんに幸せになって欲しいと願ってしまいます。

これだけ安心して読める本ってあんまりないかもな。
たとえできすぎであってもいいのです!

★★★★★



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18:44  |  小路幸也

2009.07.26 (Sun)

IN 桐野夏生

編集者の青司と別れて1年以上。
小説家のタマキは、恋愛における抹殺をテーマとした「淫」という小説を
書こうと取材を続ける。

小説の元になるのは、かつて緑川未来男が書いた私小説「無垢人」。
この中で未来男は自分の妻千代子と愛人である〇子との壮絶な諍い、
愛する長男の死などを赤裸々に綴っている。
タマキは〇子を主人公にしようと思い、〇子は誰なのかを調べるために
「無垢人」に関係した人物たちの元を訪れる。

物語はタマキと青司との回想と現在、「無垢人」の登場人物などが
交じりながら進んでいく。
タマキと青司は不倫同士で、お互いの家族もそしてお互いをも傷つけあってきた。
タマキは今でも青司が赦せていない。
タマキは自分と青司との恋愛を抹殺したいと思っているからこそ、
「無垢人」によって抹殺された〇子のことを知りたいと切望する。
恋愛における抹殺ってなんだろう。


「OUT」に対しての「IN」かと思ってたんですがそうじゃなかったんですねー。
小説の中にさらに小説「無垢人」が入っているので、ちょっと不思議な感じでした。
未来男と千代子・〇子との壮絶な諍いのほうが興味があったかも。
タマキと青司もそうだけど、愛情と憎悪って紙一重・・・。
恋愛というよりは愛憎です。生々しいし暗い!
そこがいいんだけど。

小説って悪にもなりうるんだなー。

★★★★☆



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18:20  |  桐野夏生

2009.07.25 (Sat)

シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン 小路幸也

東京バンドワゴンシリーズの2作目。
堀田家は今日も賑やか。今回もいろんなトラブル?が舞い込んでくるけど、
LOVEで解決!です。
登場人物が多いので1作目は慣れるまでがちょっと大変だったけど、
2作目ともなると堀田家の面々も熟知?してバッチリです。

今回もカフェに赤ちゃん置き去りや、古本を売りに来た老人が自分が売った本を
また1冊ずつ買い戻しにきたり、幽霊を見る小学生がいたりで事件満載。
「呪いの目録」の謎も。

今回は藍子とマードックさんの恋の行方もあり、勘一と淑子さんとの再会もあり、
家族も増えてLOVEも盛りだくさんです。
あー藤島さんがいい男すぎる!最後かっこよすぎるよなぁ。

すっかりこのシリーズのファンになってしまいました。
次作にも期待大!

★★★★★



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23:17  |  小路幸也

2009.07.24 (Fri)

風に顔をあげて 平安寿子

風実は「プロのフリーター」。高校を卒業してから25歳の今まで、たくさんのバイトを
経験してきた。若い頃はマニュアルどおりの仕事でも良かったけど、
最近はそういう仕事を空しく感じている。
この年で定職についてないのって、やっぱりまずいのかな。

恋人の英一はボクサー。バイト先で知り合い、ボクサーである英一が好きだったが、
怪我でボクシングをアッサリと辞める事にしてしまった。
おまけに怪我をしたことも、ボクシングを辞める事も、何も相談してくれなかった。
私って本当に英一の恋人なのか?ボクサーである英一が好きだっただけで、
もしかして私は英一のことを何も知らないのかもしれない。

そんな悶々とした日々を送る風実のもとに、弟の幹が転がり込んできた。
しかも衝撃のカミングアウト。幹はゲイだった。

25歳って若くない。30歳になるのが怖い。
仕事も恋も何もかもが中途半端で、一体私はこれからどうしたらいいんだろう。


資格も才能も学歴もない。フリーターとしての誇りは持っているけど
年齢を考えるとこれからのことは不安。そんな風実のもがいている姿が
すごくリアルで共感できました。きれいに作られてなくて、人間くさいところが良い。
風実の飲み友達小池さんが言うこの一言が結構クる。
生きるって懲役刑だ
何にもうまくいかないときって、こうやって思っちゃうんだよなぁ。
人に愚痴って後悔したり、考えもコロコロ変わったり。
でも最後に風実は自分のやりたいことを見つけていくので、読み終わったあと
勇気をもらえます。
今まで読んだ平さんの作品の中で、一番共感できました!

★★★★★



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23:30  |  平安寿子

2009.07.23 (Thu)

町長選挙 奥田英朗

トンデモ精神科医の伊良部シリーズ。

「オーナー」
大日本新聞の会長であり、プロ野球の人気球団東京グレート・パワーズの
オーナーでもある田辺満雄は、どこへ行ってもマスコミに取り囲まれる毎日。
ある日突然暗い所が怖くなり、それは日に日に酷くなっていく。
秘書に手配させた病院に行くと、そこには太った精神科医。
自分ほどの地位があるものに対してもぞんざいな口のききかたをする伊良部に
満雄は怒り心頭。

「アンポンマン」
安保貴明は学生時代にインターネットによるホームページ作成サービスの会社を
興し、会社は風船がふくらむように成長していった。
今は麻布ヒルズに住居を構えるほどの億万長者だ。
とにかく無駄が大嫌い。そして負けることも大嫌い。
貴明は最近ひらがなすら度忘れしてしまう。自分では大したことがないと思っているが、
秘書が強く診療を勧めるので、仕方なしに病院へ行くことにした。

「カリスマ稼業」
白木カオルは東京歌劇団を経て女優へとなった。
会う人会う人誰もがカオルのことを「若い」「綺麗」と褒め称える。
自然体を売りにしているが、自然体でこの若さを保てるわけがない。
陰では血と汗がにじむほどの努力をしているのだ。
強迫観念にとらわれているカオルは、昼間撮影の時に食べてしまった仕出し弁当の
カロリーを消費すべく、エクササイズができる場所を探していた。
そこでたどり着いたのが伊良部総合病院だった。

「町長選挙」
24歳の良平は、2年間の任期で東京からはるか離れた千寿島にやってきた。
その島は小倉と八木という二人の男によって完全に二分されていた。
まもなく行われる町長選挙。良平は小倉と八木の両陣営から毎日迫られていた。
賄賂も平然と飛び交うその島に、2ヶ月間だけ赴任することになったのは伊良部。
老人から絶大な信頼を得た伊良部に、両陣営は何とか自分を応援してほしいと
金をばらまきはじめる。伊良部はもらえるものはもらっておけと金を受け取ってしまうが・・・。


イン・ザ・プール、空中ブランコを読んですごく面白かったので、
伊良部シリーズを久しぶりに。
今回出てくるのはみんな明らかに実在する人物がモデルになっている(と思われる)
ので、イメージしやすかった。
伊良部の傍若無人っぷりも健在で、読んでてスカッと!
鬱々とした日でも、これを読めば元気になれそう。

その中でもやっぱり表題になっている「町長選挙」が一番良かった。
賄賂なんて当たり前の無法地帯に、まさに無法って言葉がぴったりの伊良部。
最後は爽やかで清々しい気分に。

★★★★★


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21:36  |  奥田英朗

2009.07.22 (Wed)

冒険の国 桐野夏生

舞台はディズニーランドができたばかりの舞浜。
平坦な埋め立て地。すっかり様変わりしてしまった町並み。
31歳の美浜は、専業主夫の父、魚市場で働く母、区役所勤めの姉との
4人家族。このファミリー向けの町にまったく馴染んでいない家族だ。

近くの建設会社出張所で留守番として働く美浜は、
ある日偶然姉の同級生であった森口恵一と再会する。
恵一は姉の同級生であると同時に、昔美浜が付き合っていた英二の兄でもあった。
英二が自殺した二十歳のときから、すでに10年以上の月日が流れていた。


英二が死んだあと、美浜は職場の同僚と3年間の同棲生活を送るが、
ある日突然嫌になり、実家である舞浜に戻ってくる。
それからは何かを期待することなく、消去法の生きかた。
喪失感と苛立ち。少しの妬み。
家族の重み。
ちっとも忘れていなかった英二のこと。
美浜のモヤモヤ感がすごくよく伝わりました。
人間、そう簡単に決別できないよなって。

何かが変わりそう、何かが始まりそう、なところで終わってしまうので、
読んだあともなんかモヤモヤ。いい意味で。

★★★★☆



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18:43  |  桐野夏生

2009.07.21 (Tue)

f植物園の巣穴 梨木香歩

妻の三回忌の翌日、私はf植物園へ転任となった。
去年旅先で歯が痛み出して応急処置をしてもらってから、一年も放っておいた
歯がまたまた痛み出した。
紹介してもらったのはf郷歯科。
朝一番で行こうと思っていたその朝、早朝に目覚めたにもかかわらず、
いつの間にやら時間がたっていた。もう陽が真上。
しかも行った歯医者の家内は犬?
「家内は前世が犬でして」と平然という歯医者。
一体どうなっているんだ。

植物園の園丁の私は、ある日椋の巣穴に落ちてしまってから
不思議な世界にきてしまう。
そこは現在と過去が入り乱れている。
子供の身体に戻ってしまった私は、カエルの小僧と一緒に千代を探しに行く。

なんだろう?この感じ。とっても不思議な物語です。
最初はなんだか全然分からなくて、心もとなかったんだけど、
次第にこの雰囲気にのまれていってしまいました。
静かにひたひたと。

前半は雰囲気を楽しみ、後半はストーリーを楽しむ。
夫婦愛ですな。
読後感良かったです。

でも歯医者痛そう・・・
放置している自分の親知らずのことを思い出しちゃいました(汗)

★★★★☆



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23:07  |  梨木香歩

2009.07.20 (Mon)

神去なあなあ日常 三浦しをん

18歳の勇気は、「将来」とか「やりたいこと」がないいまどきの高校生だった。
高校を卒業したら、適当にフリーターで食っていけばいっか。
しかしそれは、卒業式直後の担任教師の一言であっけなく崩れる。

「おう、先生が就職先を決めてきてやったぞ」

あれよあれよという間に、勇気は見知らぬ村へ行く羽目に。
神去村?聞いたこともない・・・。
どんな仕事をするのかもわからないまま着いたのは、恐ろしいほどの田舎だった。
そこで勇気がやる仕事、それは林業。
横浜育ちの勇気にとって、田舎で生活することも、もちろん林業も初体験。

一体どーなる!?


林業っていうなじみのない職業なのに、不思議すんなり入っていけたのは、
自然の描写が素晴らしいからだと思う。
音、色、匂い、味。
自分も山の中にいるような、清々しさを感じて気持ち良かった。

最初は逃げ出すことばっかり考えていた勇気も、次第に山の自然と
林業の面白さに魅了されていく。勇気の成長物語。
とはまったく違った(というより正反対?)の魅力。

ラストのお祭りシーンがダイナミック!

緑と土の匂いを嗅ぎたくなりました。

★★★★★



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23:41  |  三浦しをん

2009.07.19 (Sun)

オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎

元SEの伊藤はコンビニ強盗をし、あっけなく捕まった。
でもその捕まえた相手が悪かった。悪意の塊である城山だったのだ。
しかし、伊藤は気がつくと城山の手から逃れ、見知らぬ島にいた。
そこは日本であるにもかかわらず、外から遮断された島。荻島。
伊藤は轟という熊みたいな男に連れられて、この島にやってきたらしい。

日比野という男に島を案内された伊藤は、喋る案山子に出会う。
その案山子は「優午」といい、未来が分かるという。
伊藤が荻島にやってくることも、優午は100年以上前から知っていたというのだ。
喋る?案山子が?
不思議な島だ・・・。現代において、100年以上も外との交流がないなんてことは
ありえるのだろうか。

伊藤が荻島に来た次の日、その優午が何者かに殺された。
それまでに優午が伊藤に託していたものはなんだったのか。
この島に足りないものとは?


伊坂さんのデビュー作。
伊坂作品は順番に読んでいったほうが良さそうなので、こちらからチャレンジ。
なんとも不思議な物語でした。
これってミステリーなの?ファンタジー?
喋る案山子、鎖国みたいな島、でも現代。

島民はみんなどこか変わっているんだけど、私は一番桜が好きだったなー。
よくやった!!と言いたい!
まぁ、城山はもっといたぶられてもいいんじゃないかとも思うけど。
長い話っぽいのに、本当は伊藤が荻島についてから数日しかたってないんだよね。
はじめは出来事がバラバラすぎて全然わかんなかったんだけど、
最後にはしっくり?きました。
島に足りないもの、で静香の存在理由が明らかに。

全てはつながっている。

★★★★☆




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16:48  |  伊坂幸太郎

2009.07.18 (Sat)

東京バンドワゴン 小路幸也

東京の下町の古本屋「東京バンドワゴン」。
老舗の古本屋に住まうのは、親子4代にわたる大家族。
頑固者の勘一、自由奔放な伝説のロッカー我南人、
我南人の子供たちである藍子・紺・青。藍子の子供花陽、
紺の妻である亜美と息子の研人、総勢8人の賑やかな家族。

そこへ飛び込んでくるさまざまなトラブルを、家族総出で解決していく。

語り手はもう亡くなってしまった大ばあちゃんの堀田サチ。
いつもみんなのそばにいて、家族を見守っています。
春、夏、秋、冬と季節ごとの連作短編集。なのかな?


ずっと読みたいと思っていた、東京バンドワゴンシリーズです。
語り手がおばあちゃんということもあって、とても優しい印象。
堀田家に飛び込んでくるトラブルはさまざまだけど、そこには必ずLOVEがある。
堀田家の面々は、どこか一風変わっているんだけど、なんていうか芯がある。
子供も大人も、曲がったことは大嫌い、な感じ。

大家族、で育ったわけじゃないんだけど、なぜか懐かしく感じます。
古きよき日本の、人情物語。
優しくあったかい気持ちになれます。

次も楽しみだー!

★★★★★



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22:25  |  小路幸也

2009.07.17 (Fri)

C級フルーツパフェ 吉川トリコ

「とけない魔法をかけてくれ」
高校のとき、私は世界史の先生国見と関係していた。
教師と生徒という関係に萌えていただけなのか。
いっそ恋愛だったらよかったのに。

「バイバイベイビー」
また夏休みがやってきた。両親が離婚してからは私たち姉妹は
夏休みになると父親の元へ(というより祖父母の元へ)預けられる。
最初は相手にしてくれた父親は、今じゃほとんど顔も見せない。

「チェルシーとドライブ」
中学のときの友達、平山が死んだ。
通夜に行くことになった俺は、香典にいくら包めばいいのかも分からない。
明日こそ就職活動しようと思いながらもダラダラと過ごす毎日。
みんなあの頃のままじゃないんだよな。

「タイムテーブル」
それは毎週木曜日の夜、卓男から送られてくる。
週末のタイムテーブル。
行く店も、買うものも、全て決められている。
それはまるで軍隊のよう。

「君のためにぼくがつくった愛のうた」
コンパで出会ったA子は、僕の心を鷲づかみにした。
途中B子との浮気を見つかり、でも何とか切り抜けた僕だったが、
結局A子は僕を家から追い出そうとしている。

「スターウォーズエイジ」
今年の春ごろから、英男の心はあっちの世界にいってしまった。
それはスターウォーズ。私にはその良さがサッパリ分からない。
やっぱり私と付き合ってるのって、私の名前が小尾(オビィ)だから?

「芳野がくる」
いつだって芳野はそこにいた。
周りは俺と芳野をいつもくっつけたがっていたけど、俺と芳野はそんなんじゃない。
幼なじみ、同級生、そういう言葉のどれもしっくりこない。

「運命の青」
私はミキにとっての運命の女。
妄想女が突っ走る。中学から大学まで追っかけ続ける。
どこへ行っても人気者のミキ。
いつもつまらない女ばっかり従えて、軽薄な笑みを絶やさないミキ・・・。


「運命の青」が一番好きです。
梶の妄想っぷりがハンパない。どこから来るんだその自信!!
でも恋愛中は誰でも妄想者だよなー。それが楽しいんだよね。ニヤニヤ。
倉持君とくっつかないところも良かった。倉持君は倉持君で。
しかも渥美清似って(笑)女子に向かって。
ひどすぎる。

吉川さん作品で今のところ一番かも。
あーでも「処女同盟」第三号も捨てがたいんだけど。

★★★★★



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22:42  |  吉川トリコ

2009.07.16 (Thu)

感傷コンパス 多島斗志之

昭和30年。
新任教師の明子は、山里にある分校に赴任した。
父親にもらったコンパス(方位磁石)を持って。

受け持つ生徒は4年生と5年生のわずか6人。
新米教師、かつ、地元の地理も言葉も分からない明子は、
子供に教えてもらうことも多かった。
子供たちは明子に慣れ親しんでいくが、一人だけなかなか親しくなれない生徒がいる。
朱根だ。
1時間目から学校に来たためしがない。すぐどこかに行ってしまう。
父親と二人暮しの朱根の家に家庭訪問に行くも、父親に冷たくあしらわれてしまう。

頑ななまでに心を開いてくれない朱根に、明子は近づくことができるだろうか。


多島さんは黒百合以来の2冊目です。
昭和30年という時代と、山里での光景が、静かに染み入ってきます。
同僚の女教師と仲良くなれなかったり、がさつで不躾な空木と出会ったり、
小さな事件もいくつかあるんだけど、やっぱりメインは子供。
朱根をはじめ、子供たちからいろんなことを教えてもらって、
明子自身が成長していく物語。
もうちょっとドラマ性があっても良かったかな、とも思うけど。

方言が和みます。

★★★★☆



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18:00  |  多島斗志之

2009.07.15 (Wed)

ふじこさん 大島真寿美

その頃のリサは、子供のくせに既に絶望していた。
両親の別居に中学受験。
特に父親っ子じゃなかったし、祖父母の家には自分の部屋もあって
物資的にはかなり恵まれている。でも絶望なのだ。

あっさり離婚すると思っていたのに、予想外に両親は親権争い。
反発する気持ちもあって、いつでも父親に会い行けるように合鍵をもらった。
元我が家である父親の住むマンションの屋上に行っては、
下を見下ろし、死ねるっていうことを確認する。それがリサの切り札だから。

鍵はもらっていても訪れたことはなかったのに、その日はなぜかふいに
父親の部屋を訪ねてみる気になった。父は仕事中のはずだし、と
合鍵を使ってみたら、中には見知らぬ女の人がいた。
娘であるリサにお構いなしに、父親の恋人と名乗る。
周りの大人と違って自分を子ども扱いしないふじこさんに、リサは惹かれていく。


子供の頃に出会う両親以外の大人って、インパクトが大きい。
いい影響を受けることもあるし、もちろん悪い影響ばっかりのときもある。
学校の先生しかり・・・。
ふじこさんは、リサを子ども扱いしない。ごまかしたりしない。
教えてほしいことを真摯にきちんと説明してくれる。たとえリサがわからなくても。
宝物は宝箱に入っているわけじゃない。
リサがちゃんと宝物を見つけることができて良かった!

ほか、「夕暮れカメラ」「春の手品師」収録。

★★★★★



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17:18  |  大島真寿美

2009.07.14 (Tue)

Bランクの恋人 平安寿子

7つの短編。

「Bランクの恋人」
七塚次郎、28歳、独身。顔は15人並みだけどモテる。
それはモテるための努力を怠らないからだ。
そんな次郎のもとに、合コンセッティングの依頼がきた。
付き合っている女の子の中で、最近めんどくさいと感じ始めていた珠恵を連れて行くと・・・。

「アイラブユーならお任せを」
カスタムメイドの自転車屋<自転車野郎>を営む信友は
子供の頃から『愛してる』の口稽古を欠かさない。
<自転車野郎>に勤める杉生君が、近所の薬局屋の娘に恋をした。
ここは一肌脱ごうとやる気になる信友だが、意外な展開に。

「サイド・バイ・サイド」
好き好んでキャリアウーマンやってるわけじゃない。
見た目とは裏腹に結婚至上主義者の美由紀は、気になっている男性から、
一人の女性を匿って面倒を見てほしいと頼まれる。

「はずれっ子コレクター」
妙齢の高校教師である澄香さんは、モテなさそうないかにも「はずれ」の
男の子が大好き。失恋したばかりの私は、はずれっ子の一人を
紹介してもらうことにした。

「ハッピーな遺伝子」
勝手気ままな自由なミュージシャン、それが私の父である。
恋愛に対しても情熱的で積極的。でもその娘である私は、
好きな彼を目の前にしても何もできない。告白する前に女の影を見つけてしまった。

「利息つきの愛」
美和は、自尊心が傷つく前に男と別れる。で、結局2年も恋人がいない。
ゲイの友達くうちゃんはいつも自分に正直だ。傷つくのを恐れない。
そんなくうちゃんが新たな恋をした。

「サンクス・フォー・ザ・メモリー」
13歳年上の修平と結婚した亜希は、新婚早々、義父の介護をしなければ
ならなくなってしまった。本当の娘以上に必死に介護をした2年を経て
義父は帰らぬ人となってしまい・・・。


恋愛短編ばかりの中で、最後の「サンクス・フォー・ザ・メモリー」が異質で一番良い。
まさに作品紹介にある、この世の中、愛にもいろいろありましてです。
面白いだけじゃない、ホロリとくる作品集。
愛の形も、さまざま!
自分なりでいいじゃない!

★★★★★


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23:11  |  平安寿子

2009.07.13 (Mon)

三人姉妹 大島真寿美

映研OGの水絵は、大学卒業後も就職せず、ミニシアターでバイトしながら
プラプラしている。そんな水絵は3人姉妹の末っ子。
フリーターでいることも、映画に携わることも、なんとなくな感じの毎日。

地方のいい家に嫁いで何不自由なく暮らしている上の姉亜矢が、
子供を連れて突然実家に帰ってきた。
久しぶりに孫と水入らずの時間を過ごせる母は嬉しそうだけど、
妹二人はちょっと心配・・・。

下の姉真矢は不倫を脱してからは仕事と遊びに精を出す。
でも突然の原因不明の痒がりっぷり。

で、水絵はといえば、まだ始まったばかりの恋愛に暗雲が。
というより、これって恋愛なの?付き合ってるの?

末っ子の水絵目線で描かれた家族の物語。
なんていうかドタバタもするけど、基本的はどこにでもある日常の話。
三人姉妹楽しそうだなー!
私は長女なので、お兄ちゃんとかお姉ちゃんに憧れあります。
お兄ちゃんが欲しい時期もあったけど、今は断然お姉ちゃんが欲しいなー。
(って無理だけど)
雪子さんみたいなお姉さんがいいかも。一番好きなキャラでした。

★★★★☆


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16:00  |  大島真寿美

2009.07.12 (Sun)

筆談ホステス 斉藤里恵

筆談ホステス。
え?筆談で水商売できるの?と半信半疑。

著者の斉藤さんの生い立ちから、銀座のホステスになるまで、
これからの夢などを赤裸々に綴った1冊。
お涙ちょうだいものかと思っていたので、意外にそうじゃなくて良かった。
おそらく、私たちが想像する以上につらい思いをしているはずなんだけど、
それをあまり感じさせない前向きさが出ています。

「声」で伝えられないから「書いて」伝えるだけ。
なんともシンプルだなーと思いました。
そこにあるのは「おもてなしの心」。
男心をくすぐるテクニックって感じじゃない。もっと根本的なもの。

筆談、っていう物珍しさだけから来るお客さんばっかりじゃないんだろうな。
斉藤さんの人柄がなせる業だと思いました。

出てくる言葉が素敵です。

★★★★☆


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18:08  |  さ行その他

2009.07.11 (Sat)

愛の保存法 平安寿子

恋愛短編集。

「愛の保存法」
光太郎とまゆみが結婚する。周りの友人たちは苦笑いだ。
だって、4回目・・・。相手を違えて4回ならまだしも、同じ相手とくっついたり
離れたりの4回。しかも毎回盛大な結婚式を行う。
今回司会を任された友人の奈香子は振り回されてあきれ返っているが、
二人が4回も結婚するにはわけがあった。

「パパのベイビーボーイ」
丈彦は看護士をしている琴絵との結婚が決まっていた。
琴絵が丈彦の父親と会いたいと言うから嫌々会わせたのだ。
昔から女たらしで、今もヒモみたいな生活をしているろくでなしの父親。
しかし、琴絵はなんとその父親に恋をしてしまったという。

「きみ去りしのち」
剛の恋人、有子の母親が亡くなった。
誰よりも有子のことを理解している母親が亡くなったことで、
剛は自分が頼られるのではないかと期待していたが、有子は全然頼ってこない。
頼ってこないばかりではなく、明らかに態度がおかしい。

「寂しがりやの素粒子」
息子の高校時の先生がなぜか我が家に居候しはじめた。
一日中文献を読んでばかりで何をするわけでもない。
だんだん先生が住んでいることにイライラしはじめる鉄太朗だが、
さすがに追い出すわけにもいかない。
そんな中、家を出ていた娘が帰ってきて・・・。

「彼女はホームシック」
都季子の趣味は、物件を見ること。不動産が大好き。
2年に一度は引っ越す。で、その引越しの手伝いをするのは元彼であり
今は友人の島津。その都季子が突然結婚すると言い出した。

「出来過ぎた男」
信光が今年二十歳を迎えた娘の瑠璃にあのことを話したいらしい。
信光は最初の結婚で2子を授かったあと、さらに結婚離婚を繰り返し、
今では計5人の子供がいる。
浮気して子供ができて離婚→結婚。
この事実、どうやって伝える?

「愛の保存法」っていうタイトルがすごく好き。
愛情ってどうして長続きしないのか。永遠のテーマ、ですよね。
でも愛情って、形は変わっていっても永遠に続くもの、だと私は思ってます。
(思いたいだけ?)愛っていっても色々だし。

またしても出てくる男たちはダメ男ばっかり・・・。
腹違いの兄弟が自分の他に4人もいたら、逆に笑っちゃうかな。
ダメ男ばっかりでも、それぞれは自分に正直に生きているだけなのかもな。
もちろん「女の敵」ばっかりだし、自分の身に・・・と想像するだけで怖いけど。

★★★★☆



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18:09  |  平安寿子

2009.07.10 (Fri)

そこへ届くのは僕たちの声 小路幸也

今でも、届く声がある。

かほりが時々耳にする「そらこえ」さん。
あの震災の日、どこからともなく、でも確実に語りかけるあの声。
その声によってかほりは助けられた。
お母さんは死んでしまったし、お父さんは植物状態。
でも叔父さんの元で元気に暮らすかほりは、気になる男の子リンの
不思議な行動を見つける。
フッと消えてまた戻ってきたり、目の前に誰もいないのに、でも誰かと会話している。
仲良くなるうち、リンは「そらこえ」さんなのかな?と思い始める。

定年間際の刑事が、新聞記者が、それぞれが耳にした不思議な噂。
植物人間の言いたいことを代弁したり、全国で起こる1日限りの誘拐事件。
キーワードは「ハヤブサ」。
一体ハヤブサとは何者なのか。

「遠話」という不思議な力を持った子供たちが守るものとは。


SF。
子供たちが泣かせてくれます。子供たちを取り巻く大人たちもいい人ばかり。
小路さんの作品に出てくる大人たちって「よき理解者」。
大人なのに子供みたいにまっすぐ。
もちろん子供たちもまっすぐ。

人間愛。なんです。

★★★★★


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17:53  |  小路幸也

2009.07.09 (Thu)

ファミリーポートレイト 桜庭一樹

マコの娘は、コマコ。
手下はボスに、絶対服従!

マコとコマコは逃げる。「逃げるわよ」の一声で、数少ない荷物をまとめて
身を寄せていたその場所を去る。行き先も決めぬまま。
美しいマコと、凡庸な顔のコマコ。
マコは色んな場所で男の人に真紅をちょっとづつあげながら、生きる。
マコがいるかぎり、コマコはマコについていく。

一番最初の記憶、コーエーから逃げ出して10年。
マコとコマコ、二人の旅は突然終わりを告げる。
見知らぬ男の人に連れられて、マコのいない生活が始まる。


一部は、マコとコマコの逃走劇。
二部は、コマコのその後。

圧倒。心を素手で鷲づかみにされたような、苦しさ。
ゾワゾワして、ドキドキする。
一部の方が圧倒的過ぎて、二部が少しかすんだかと思ったけど、
ラストでやられました。深い。

コマコは学校にも行けないし、家畜のような扱いをされたりもするんだけど、
それでもマコを愛し続ける。
そこにあるのは、母親の絶対性?愛?

「私の男」を読んだときのような、決して綺麗じゃないのに読むのをやめられない、
中毒のような感じでした。

★★★★★



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16:40  |  桜庭一樹

2009.07.08 (Wed)

暴走爺 原宏一

楡乃木ニュータウンに暴走族がやってきた。
ある夜、一台のバイクが暴走し、多之倉夫人の愛犬、玉三郎ちゃんが
足を骨折する大怪我をした。

役所を定年退職した満津夫は、隠居生活を楽しんでいた。
現役時代は無趣味で通していた満津夫だったが、今は日曜大工にハマっている。
庭で電動鉋に電動鋸、金槌を駆使し作業していたとき、
突然多之倉夫人が乗り込んできた。
そうだった、忘れてた。満津夫は最近町内会長に就任したんだった。
多之倉夫人は、一日も早く暴走族をどうにかしないと、
楡乃木ニュータウンがやられてしまうと息巻いている。

長年の役所勤めで培ってきた先送り作戦で難を逃れようとするが、
事態は深刻らしく、他の町内会役員も満津夫めがけて苦情を言ってきた。
暴走族撃退に端を発したこの出来事は、次第にスケールが大きくなって、
ニュータウンを城塞で囲み、自警団まで作り出す始末。
一体どうなる?


相変わらずめちゃくちゃです。
たかが町内会、されど町内会。満津夫の知らないうちに事態がどんどん
変わっていき、スピード感満載。
でもやっぱりラストが圧巻。句読点なしで続くオラオラ劇は、迫力満点。
老人は強い!

★★★★☆


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17:00  |  原宏一

2009.07.07 (Tue)

強運の持ち主 瀬尾まいこ

ルイーズ吉田、本名は吉田幸子。
ショッピングセンターの一角で占い師をしている。20分3000円。
OLを辞めてこの仕事を始めたきっかけは一人で働きたいから。
何の気なしに始めたこの仕事だけど、私は占い師に向いてるみたい。
すっかり人気占い師となった私は、今日も直感で色んな人の人生を見まくる。

「ニベア」
子供のお客さんが来た!小学生とはいえど、れっきとしたお客さんだ。
最初は2つのスーパーのうちどちらに行けばいいか?を占って欲しいと
言われたが、2回目・3回目となるうちに人生においての重大事を占って欲しいと言われ。

「ファミリーセンター」
彼の気を引くにはどうしたらいいですか?と来たのは女子高生。
アドバイスを与えるが失敗の連続。でも女子高生は何度も訪れる。
なんとなく違和感を感じていたルイーズだが、その違和感は彼女の言う「彼」にあった。

「おしまい予言」
ある日突然ルイーズの元に訪れた大学生、武田。
彼は不思議な能力を持っていた。終わりが見えるというのだ。
アシスタントにして欲しいと頼み込まれ、渋々面倒を見ているうち、
彼が本当に終わりを見る能力があることを知る。

「強運の持ち主」
ルイーズの彼通彦はすごい強運の持ち主。
しかし、最近その強運が翳っているよう。
ルイーズは仕事以上に真剣に通彦を占いはじめる。


連作短編になってます。ルイーズは直感勝負の一見適当に見える
占い師なんだけど、その人のことをちゃんと「見てる」。
占いに訪れる人のキャラクターも良くて、読んでいて元気になりました。
私もルイーズに占って欲しい~!
通彦の作る「とんでも料理」が気になります・・・。

★★★★★


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10:15  |  さ行その他

2009.07.06 (Mon)

もっと、わたしを 平安寿子

連作短編。

「いけないあなた」
真佐彦はトイレに監禁された。二股をかけていることがバレてしまったのだ。
二人の女が自分を取り合いしてる。モテない自分にとっては夢のような出来事。
二人にプロポーズしたのがいけなかったのかなぁ。

「ノー・プロブレム」
吉村有樹は顔がいい。仕事だって顔でかなり得してる。
会社の女はみんな有樹とデートしたがってる。
でもデートした女の子から二度目の誘いがない。

「なりゆきくん」
正太はクロス貼り専門のカワサキ建装に入った。
社長の娘であるしのぶは顔もあんまりかわいくないし、何せ無愛想。
でも飲みに誘われてキスはしてくる。
それって俺のこと好きだから?

「愛はちょっとだけ」
歯医者で受付嬢をしている絵真は、瀬戸朝香似の美人。
でもいやらしい顔をしている、男をその気にさせる顔だ、と言われたことを
ずっと引きずっている。本当に好きだったのに、2年付き合った恋人にフラれた。
合コンのサクラのバイトで、高校時代の友達麻衣子に再会した。

「涙を飾って」
私はオヤジ殺しだ。媚び技を極めてここまでやってきた。
一人息子の進を女手ひとつで育ててる健気なシングルマザー。
でもそろそろ一人の子育てもきつい。あの人が新しい父親になってくれないかな。


恋にまつわる短編集です。連作短編なので、前の話と少しずつ関係があって楽しい。
「大きな感動」とか「泣ける!」がないんだけど、面白い。
それぞれタイプの違う5人だけど、感情移入しちゃいます。
いやーな奴もいるんだけど、それがあんまり毒になってなくてサラリと描かれている。
なんてことのない恋愛のかけひきなんかを、なんてことなく書かれてるのに
面白いんだから、すごいなー。
「もっと、わたしを」というタイトル、もっと私を見て!知って!という素直な叫び
のような気がします。

★★★★★


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22:22  |  平安寿子

2009.07.05 (Sun)

骨の記憶 楡周平

その日届いたのは、51年前に失踪した父の遺骨だった。
差出人は、16歳という若さで死んでいるはずの長沢一郎。
そこにしたためられていた真実は、清枝を驚愕させるには十分な内容だった。

東北の田舎町美桑。大地主曽我家。その跡取りである弘明と、農民の息子一郎には
あまりにもかけ離れた貧富の差があった。
しかし、立場は違えどそこは子供。遊ぶのはいつも一緒だった。
そしてあの日、生涯忘れられない事件が起きた。
それは弘明と一郎だけが知る、二人だけの秘密となる。

中学を卒業した一郎は、仕事を求め東京へ。
すずめの涙の給料でこき使われる毎日。仕事先の中華料理屋で
出会った先輩である松木と出会ったことで、一郎の人生は一変する。
故郷を捨て、自分を捨て、新しい人生を歩みだした一郎は、
巨万の富と名声を手に入れた。
しかし、たった一つだけ手に入れられないものがあった。


図書館でこの本を借りてきたときには、あまりの分厚さにビックリ。
でもその長さを感じさせないほど面白い作品でした!
たった一つの間違いから、まったく新しい人生を歩む一郎。
とんとん拍子で商売がうまくいき、まさに勝ち組の一郎の心の奥底には
あの日の事件、あの人への思い、あいつへの怨念があって。
人を陥れるためには手段を選ばないがめつさが、人間くさくて良かった。
ラストの清枝の豹変ぶりも見もの。

オススメです!

★★★★★



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21:21  |  楡周平

2009.07.04 (Sat)

明日、月の上で 平安寿子

あたし、とんがりトビ子は、大好きなブンちゃんを追いかけてこの町にやってきた。
ひなびた温泉町、霧舟。
ブンちゃんのお姉さんである美幸さんのところに転がり込み、
いつ帰ってくるとも分からないブンちゃんを待つ。

霧舟には魅力的な人たちがたくさんいる。
ストリップ小屋に入り浸って、ストリッパーたちと仲良くなったトビ子は、
看板女優であるマリアさんの自叙伝を書くことになった。

誰かの敷いたレールの上を歩く人生なんて送りたくない。
でも本当に私がやりたいこと、いたい場所ってどこなんだろう。
そしてブンちゃんは帰ってくるの?


負けず嫌いで喧嘩っ早いトビ子。
要領よくは生きられないけど、パワフルで、正直で、大好き!
そんなトビ子が惚れるブンちゃんの言葉がイチイチいいんだよなー。

「働くのは大事だ。真面目に働いてきちんと食べるのが、一番の薬になる」
「この世には、老けた子供となり損ないの大人がいるだけだ。
だからお互い我慢しあわなきゃ」

こんなことを言われたら、その場で土下座しちゃいそうです・・・。
霧舟の人たちも、ひと癖もふた癖もあるような人ばっかりなんだけど、
とにかく人情派。おっきくてあったかい。

好き!

★★★★★



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23:00  |  平安寿子

2009.07.03 (Fri)

グラスホッパー 伊坂幸太郎

鈴木は復讐したかった。
寺原の長男に妻を殺された鈴木は、寺原の会社「フロイライン」に潜り込んで
その時を待っていた。フロイラインはとんでもない会社だ。
そのとんでもない会社で、とんでもない仕事をしていたその時、
目の前で寺原の長男が車で轢き殺される。
どうやら何者かに後ろから押されたらしい。
一緒にいたフロイラインの社員に、押した奴の後をつけろと命ぜられた鈴木は、
その「押し屋」と呼ばれる殺し屋の後をつける。

寺原長男の事件から次々つながる殺し屋たち。
押し屋の「槿」、自殺屋の「鯨」、一家惨殺をも難なくやり遂げる「蝉」。
その中にただ一人放り込まれた素人の鈴木。
4人の追いかけっこ。


伊坂さんの作品ってなんとなくの読まず嫌いでまだ2冊目です。
何回か図書館で借りたのに、結局読めなくて返すこと数回。
やっと、やっと読破です。

鈴木、鯨、蝉、で各パートに分かれてて分かりやすかった。
殺し屋の話だからしょうがないんだけど、人が死にまくり!
自殺屋って怖い・・・。人は誰でも死にたがっているのかな・・・ほんとに。
鯨に殺されるのが一番嫌だけど、鯨が一番かっこいい気がしました。
槿もいいんだけどねー。
あの家族(偽だったけど)も良かったし。

でも嫌いじゃないんだけど、好きでもないんです・・・。
なんとなく「入れない」んです・・・。

伊坂さんの作品でオススメがあったら教えてください!

★★★☆☆


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20:47  |  伊坂幸太郎

2009.07.02 (Thu)

素晴らしい一日 平安寿子

平安寿子さんのデビュー作です。短編集。

「素晴らしい一日」
仕事も恋人も何もかも失ってしまった幸恵は、かつての恋人友朗に
貸していたお金を取り返そうと彼の元を訪れる。
相変わらず調子のいい友朗は、幸恵の借金を返すために
あらゆる人のところに出向き、頭を下げてお金を借りようとする。
その姿を見ているうちに・・・。

「アドリブ・ナイト」
金曜日の午後6時。駅前で人と待ち合わせをしていた瑠美は、
突然声をかけてきた見知らぬ男に人違いをされ、田舎へと連れられる。
家出をした娘の替わりに、危篤状態の父親に謝ってほしいと頼まれる。

「オンリー・ユー」
中原の勤める会社に中途入社したきた史織。
森高千里似のルックスと見事な脚、語学も堪能で仕事もバリバリ。
そんな彼女に食事に誘われて、ついに彼女にすることもできた。
しかし、史織にうつつを抜かしていたら仕事で大失態。史織にも逃げられて・・・。

「おいしい水の隠し場所」
ルイは自称モデル。若い頃はそれなりにモデルの仕事もしたが、今は小さい
スナックのチーママだ。友達の沖村の事務所で、かつての同級生室田に再会する。
整形を施したルイに戸惑う室田の力になろうとするが。

「誰かが誰かを愛してる」
部下の下島から内々の相談をもちかけられた。
派遣社員で来ていた園部と付き合い、彼女を妊娠させてしまったというのだ。
子供は堕ろすことになり、お金で解決したそうなのだが、
実は自分も園部と関係しており、同じように妊娠したと言われてお金を払った
ばっかりだった。

「商店街のかぐや姫」 
ひまわりマートに嫁いだ月恵。社長である夫の努は年中浮気を繰り返す
どうしようもない男だ。それでもいいのだ。月恵は努の母である登美子ママに
惹かれてこの家に嫁いだのだから。
ただ結婚に反対した実家とは仲が悪い。でもこの度妹が結婚することになり、
結納の席に努と二人で出かけることになった。


出てくる男がみんなダメ!借金したり浮気したりのとんでもない男たち
なのに、憎めないのはやっぱり可愛げがあるからかな。

「商店街のかぐや姫」の登美子ママが好きです。
アッパレな生き様かっこいい!
全体的に軽い感じなんだけど、なんだか前向きになれます。
「やってやろーじゃん?」的な気持ちに。(なんでだ?)
不思議に活力がわいてくるところが、平さんの作品の魅力だと思います。

★★★★★



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22:28  |  平安寿子
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