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2009.03.11 (Wed)

些末なおもいで 埜田杳

海底のような夜。夜、町は海へと変わる。

不眠症の檜山は、その日も眠れずにいた。
ふと思い立ち部屋の窓を開けると、なぜかそこに同級生の矢鳴がいて、
そこで二人は初めて会話らしい会話を交わした。
それまであまり関わりがなかった二人だったが、矢鳴の幼馴染である
キューピーさんも交えて、次第に打ち解けていく。

ある日体育の授業中に目が痒いと言い出した矢鳴。
それは「あれ」と呼ばれる奇病だった。
体の部分が次第になくなっていき、やがて死に至る病気。
現代では解明されていない奇病。

いつか消えてなくなってしまうことが分かっていてもどうにもできない。
そのうち矢鳴は学校を辞めてしまう。
それでもなお関係が続いていた二人だが、
やがて矢鳴と電話で話すことすら困難になってしまった。


”本当に哀しいのは、消えてしまった瞬間ではないのだ。
本当に哀しく、堪えがたくなるのはその後流れ続ける日常なのだ”

泣けました。

大事な誰かを失ってしまっても、自分は生きていかなければならない。
どんなに哀しいことがあっても、人はそのことばかりにかまけていられない。
日常があるから、忘れていくものもある。

すごく悲しい話なんだけど、どこか気持ち的にスッキリする部分があって、
とても良かった。

★★★★★



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