2009年03月 / 02月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫04月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

2009.03.31 (Tue)

まぶしくて見えない 山本文緒

主人公の七生は勉強はできるが、運動はまるでダメ。
初めてのプールの授業中に溺れてしまった。
放課後、クラスでもう一人溺れていた成績トップの伊戸川と
体育教師に呼ばれて説教をされてしまう。

負けず嫌いの七生は、伊戸川に負けたくなくて、
友達のテルコと一緒に塾に通うことになった。
その塾は、難関の越光高校への合格率が高いのだ。
しかし、一風変わったその塾に、当の伊戸川がいた。
そして先生である樺木は、悪そうないい男だった。

越光高校合格を目指して奮闘する七生のひと夏の物語。


山本文緒の青春小説。
お母さんに褒められたくて勉強を頑張る七生に、
家がお金持ちで裏口入学も可能なテルコ、
飄々と難問をこなす伊戸川、
なんか裏がありそうな樺木。
七生が大人の樺木を好きになっていくところとか、
まさに”思春期ってこんなだったなー”と懐かしく思った。
大人の男性に憧れちゃうんだよな…。

まっすぐな七生も、それを見守る伊戸川もホントいい子。

ラスト、樺木が飼っているオウムが発する一言が印象的。
中学生女子にぜひ読んでほしい1冊。

★★★★★



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


スポンサーサイト
23:01  |  山本文緒

2009.03.30 (Mon)

グラスウールの城 辻仁成

レコード会社で制作ディレクターをしている僕は、
10年の不摂生がたたったのか、幻聴に悩まされている。
忙しさにかまけて病院にも行っていない。
彼女との距離も、だんだんと離れていってしまった。

そんなときに僕は、マスタリングエンジニアである鹿島と出会う。
変わり者と評される彼は、音楽はデジタルになってしまったことによって
音の神様の居場所をなくしてしまった、と言う。
僕が手がけた「ストレスレスミュージック」も、根底ではストレスレスには
なっていないのだ。

本当に神様が宿っている音とは。

急な人事異動でディレクターを外されてしまった僕は、鹿島とともに
紋別の流氷の音を撮りに出かける。


初辻作品。
不思議と今まで一度も手に取ったことがなく。

音楽に詳しくないと楽しめないかな、と思ったけど全然大丈夫だった。
鹿島がかっこいいなぁ。ものの見方とか考え方がステキ。
レコード聴いた記憶ってほとんどないから、レコードを聴いてみたくなりました。
始めに出てくる母親の再婚って、何かを象徴してることだったのか?

他、「ゴーストライター」収録。

★★★★☆



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
23:50  |  た行その他

2009.03.29 (Sun)

風花 川上弘美

結婚してから7年。
夫の卓哉が浮気をしていた。
夫の浮気を知らせる電話がかかってきても、のゆりは取り乱せない。
本当は問い質したいはずなのに。

不倫相手である里美は、卓哉とは結婚する気はないのだと言う。
それでも卓哉はのゆりに、「離婚してほしい」と言う。
そしてのゆりは、離婚はしたくない。卓哉が好きだからだ。

叔父であるマコちゃんとの温泉旅行、クリニックでのお勤め、
大学生瑛二との出会い、友人と行く沖縄旅行、
執拗にかかってくる無言電話、卓哉の転勤、
様々な季節を経て、のゆりの心は次第に変わっていく。

夫の不倫や無言電話、不倫相手との対峙に、激昂しないで
向き合っていくのゆりは、冷静なのでもなんでもなくて、
どうしたらいいのか分からないんだろう。
フワフワと頼りなく、周りがつい手をさしのべたくなってしまうんだけど、
実はこういう女性が一番強いんじゃないかな。

我を失って怒鳴られるよりも、夫はのゆりみたいな態度をとられるほうが
よっぽど怖いだろうなーと思った。

★★★★★


ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
17:37  |  川上弘美

2009.03.28 (Sat)

ロコモーション 朝倉かすみ

「いいからだ」を持つ地味な性格のアカリ。
母を12歳で亡くし、父と厳格な祖母に育てられた。
祖母に「隙ばかり」と叱られるアカリは、「いいからだ」で
あることを悟られないように、地味に地味に生きていく。

小さなまちを出て、大きな町のサロンの受付として働くように
なったアカリは、エステティシャンのさくらちゃんや、得意客のティナ、
そして飛沢郁夫に出会ったことで、人生が少しずつズレ始める。

アカリはどこまでロコモーション(移動)し続けるのか。


アカリの半生がぎゅっと凝縮されている1冊。
「いいからだ」を持つアカリが、なんとも生々しい。
むわっと匂いたつような、高温多湿な印象。

でも、他の登場人物が個性が強すぎて、前半はアカリの存在感が
霞んでいたかも。飛沢なんて最悪すぎ。

イマイチ伝えたいことがよく分からなかった。

★★☆☆☆



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
23:50  |  あ行その他

2009.03.27 (Fri)

最後の息子 吉田修一

「最後の息子」
「破片」
「Water」
の三編を収録。

「最後の息子」
オカマバーを経営している閻魔ちゃんのもとで暮らすぼく。
その生活は「体調の良い病人」のようだ。要するにヒモ。
そして仲間である「大統領」がホモ狩りで無残に殺されてしまった。
生活のあらゆる場面をビデオに録画していたぼくは、
残されているビデオで彼らと自分を振り返る。

「破片」
母が死んで、弟の岳志は父と一緒に酒屋を営んでいる。
東京で暮らしている大海は、1年ぶりに故郷に帰ってきた。
ちょっとストーカー気質のある岳志は、倉庫として買った廃屋を
自分の手で改装していた。

「Water」
水泳部のキャプテンを務める凌雲。
仲間たちと高校生活最後の大会に挑む。
兄を亡くしてから心の病にかかってしまった母や、
同性愛の友人、圭一郎、そして家出してしまった圭一郎の母親。
いろんなことがありながらも、大会当日を迎える。


最後の「Water」が、ホントに青春小説って感じで意外。
全く泳げなかった省吾が必死の形相で泳ぎきるところなんて
思わず涙ぐんでしまいました。
一つの目標に向かって、仲間と一緒にがむしゃらに頑張る、
すっかり忘れていた感覚でした。

★★★★☆


ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

23:00  |  吉田修一

2009.03.26 (Thu)

読書は1冊のノートにまとめなさい 奥野宣之

読書ノートの作り方。
100円のノートで確実に頭に落とす、インストール・リーディング。

読みっぱなしで頭に残らない読書を続けていても意味がないので、
読書ノートをつけて、自分の中に落とし込もう!という読書術の紹介。

①探す

②買う

③読む

④記録する

⑤活用する

確かに、読むばっかりで読んだことすら忘れてるってことあるなぁ。
読んだときはすごく感動したり、逆につまらないな、って思ったりしても、
それが持続することってあんまりない。
あとで振り返って分かるように記録するのは重要だなーと実感。

ブログをつけるようになって、上のフローの④まではとりあえずできるように
なったけど、⑤の活用する、のところはできてないので、
これから活用を意識して本を読んでいこう、と思った。

読書とは「思考のタダ乗り」
ある程度のところまで連れて行ってもらったら、そこから先へ、
少しでも自分の頭で考えることが大事。


せっかくたくさんの本を読んでるんだから、それが血肉になれば
いいなー。文章書くのがうまくなるとか。
ビジネス書をよく読む人とかは、余計に読書ノートの効果がありそう。

もともとメモ魔なので、「何でもメモ」はこれからも続けていこうと思いました。
とりあえずノートを新調したくなりました・・・形から入るタイプなので・・・。
最後のインストール・グッズに釘付け。

★★★★☆



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
23:50  |  その他

2009.03.25 (Wed)

アンダー・マイ・サム 伊藤たかみ

僕の親指は異様に長い。
僕はそれをひどく気にしていて、ついつい人前では親指を隠してしまう。
お金さえあればいつでも手術したいくらいだ。

ある日僕は寝返りをうつときに、自分から外れてしまう。
幽体離脱みたいなものなんだけど、もう一人の自分はまた別の人間のようで、
勝手に会話したり、先生の質問に答えたり、頭もいいようだ。
そして、自分から外れているときに、その長すぎる親指で触れると、
他人の心の中まで読めてしまうのだった。

高校生の僕と、友達の清春、みゆき。
不安定で脆い。
何かにイラついたり、とにかくもどかしい気持ちがよく描かれていると思う。

ただ、つまらないってほどじゃないんだけど、中だるみ気味。
僕がメル友のケイに会いに東京に行くところなんかは
結末が先に想像できてちょっとガッカリなところも。

★★★☆☆



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
23:35  |  伊藤たかみ

2009.03.24 (Tue)

Q.O.L. 小路幸也

龍哉、光平、くるみ。
龍哉の家で、男2人・女1人の共同生活をしている。

その龍哉の父親が亡くなり、遺品を取りに行くとそこには車と拳銃。
龍哉の父親は殺し屋。
車と拳銃を元相棒に届けてほしいというのが遺言だった。

光平もくるみも、殺したいほど憎んでいる人がいた。
「拳銃」と聞いて、その憎しみを新たにした二人は龍哉に同行する。
それぞれの悲しい過去が明らかになり、順番で殺したい人を
殺しに行こう、となるが、そこに事件発生。
元相棒である豊次さんの孫が身代金目的で誘拐されてしまったのだ。

まずは誘拐事件が先。光平とくるみの殺人計画は先延ばしになり…。


3人それぞれのトラウマがすごく重いし、拳銃だったり殺人だったりで
物騒なんだけど、そこはやっぱり小路幸也、スイスイ読めて読後感○。
基本爽やかなんだよな。
テーマ重くても、全然暗い気分にならない。
最後は「良かったね」って思える。

ちなみに、Q.O.Lは、

Quality of Life
Quest of Love

3人の関係がステキです。

★★★★☆



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
23:41  |  小路幸也

2009.03.23 (Mon)

太陽の坐る場所 辻村深月

高校を卒業して10年。
今年もクラス会が開かれる。でも女優になったキョウコは来ない。
元クラスメイトの誰もが、キョウコに会いたがっている。

そこに白羽の矢が立ったのは聡美。
みんなを代表して、キョウコに会いに行くことになった。
そこから始まる各々の思惑。あの日の思い出。
5人のクラスメイトがそれぞれの目線で語る。

一番最初の聡美の章が、上から目線さとウダウダ続く感じで、
なかなか物語りに入り込めなかった。
しかし、途中からは一気に。

ん?リンちゃんって倫子?
あれ?キョウコが二人?
違和感感じながらも読み進めて、最後にやっと分かりました。
(何度も読み返してしまったけど)

学生時代に絶対的地位を持っていた女子、いたなぁ。
その辺はリアルでした。
にしても、誰もが高校生活に囚われすぎ!
島津が執着っぷりがこわかった。

★★★★☆



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

21:19  |  た行その他

2009.03.22 (Sun)

初恋温泉 吉田修一

温泉を舞台にした5組の男女の恋愛短編。

●初恋温泉
●白雪温泉
●ためらいの湯
●風来温泉
●純情温泉

最後の「純情温泉」が一番良かった。

高校生の健二は、友達と行くと嘘をついて、
恋人の真希と初めての温泉旅行に出かける。
いつもお互いの部屋で階下にビクビクしながらしか二人きりになれないけど、
旅行では誰に気兼ねすることもなくずーっと二人でいられる。
金銭的に個室露天風呂付の宿には泊まれなかったけど、
貸切家族風呂になんとしてでも二人で入ろうと頑張る健二。

この日をどんなにか心待ちにしていて、相当に浮き足立ってる健二と、
「男なんて浮気するもの」と冷静な真希が対照的で微笑ましい。
”これ以上、楽しい思いを、真希以外の誰かと味わえるとは思わない”
いいです!かわいいなぁ。

温泉行きたくなりました。

★★★★★



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
15:05  |  吉田修一

2009.03.21 (Sat)

雉猫心中 井上荒野

雉猫のヨベルを通じて出会った大貫知子と晩鳥陸朗。
知子には中学で数学教師をしている旦那が、
晩鳥には会計士の妻と中学2年生の娘がいる。

ただそうすることが当たり前のように、二人は貪り合う。
そこには愛情は感じられない。飢餓感?
喉が渇いたから水を飲むように、お腹がすいたから食事をするように、
ただただお互いを食べ尽くす。
精一杯、体当たりで。

知子と晩鳥、それぞれの目線から語られる構成。

二人の関係の描写なんかは、なんというかいつも通りな感じ。
それよりも町内会長の小副川とか、中学生の子供たちが
不気味で怖かった。
町全体が靄がかかっていて、グレーなイメージ。
そこに匂いたつ二人の絡み。生々しい…。
不気味と狂気が合わさって、ドロっとしてます。
読後感?グッタリ。でも嫌いになれないのが不思議。

★★★★☆


ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
22:23  |  井上荒野

2009.03.20 (Fri)

空を見上げる古い歌を口ずさむ 小路幸也

息子の彰がある日「みんなが”のっぺらぼう”に見える」と言い出した。
父親である自分も、妻である母親も、友達もみんながのっぺらぼうに見える。
主人公のぼくは、20年会っていない兄のことを思い出し、
20年ぶりに兄に連絡をとる。

姿を消す前に、「いつかお前の周りで誰かがのっぺらぼうを見るように
なったら呼んでほしい」と言っていた兄、恭一。

そしてのっぺらぼうにまつわる長い長い恭一の話が始まる。

パルプ町で育った恭一は、ある日高熱にうなされたあとから、
人の顔がのっぺらぼうにしか見えないようになる。
そこから次々と起こる不思議な出来事。
友達のヤスッパが消え、交番のサンタさんが自殺してしまった。
でもそれはまだ始まりに過ぎなかった。
なぜ不思議と周りの人間が死んでいくのか、のっぺらぼうに見える人と
ちゃんと顔が認識できる人と2種類存在するのか。


小路幸也の第一作。
「高く遠く空へ歌ううた」より先に読むべきだったなー。失敗。
ミステリーというよりはファンタジーで、児童書っぽい。
パルプ町という世界がしっかりと確立されていて、安心して読めた。
たくさん人が死ぬ割には、ドロドロ黒いものがなくて、
どちらかというとサッパリとした印象。
真の悪がないからかな。

★★★★☆


ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
23:26  |  小路幸也

2009.03.19 (Thu)

オブ・ザ・ベースボール 円城塔

人が降ってくる町、ファウルズ。
そこにいるレスキュー隊はみなバットを持ち、
人が降ってくるそのときに備えている。

人が降ってくるのはだいたい1年に1度で、落下者は老若男女さまざま。
もちろん空から降ってくるために、落ちてきたときには見るも無残で、
なんで落ちてきたかなんて聞けない状態。
所持品で身元を特定するも、それは大した意味をなさない。

で、レスキュー隊。
ユニフォームを着てバットを持って、9人で構成されている。
でもレスキュー隊はあくまでもレスキュー隊で、野球チームではない。
毎日空を眺めて、人が降ってくるそのときを待っている。


空から落ちてきた人をバットで打ち返す、という発想はすごく
面白いんだけど、なんだろう、入り込めなかった。
独特。説明がとてつもなく長くて、退屈してしまう。
最後まで読むのが苦痛だった。

他に「つぎの著者につづく」収録。
こちらはさらに全く分からなかった・・・。理解不能。
自分がすごく頭の悪い人間なんじゃないかと。難解だなぁ。

★☆☆☆☆



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
23:55  |  あ行その他

2009.03.18 (Wed)

チョコリエッタ 大島真寿美

知世子は幼稚園の時に、旅行先の交通事故で母親を亡くしてしまう。
それから森が大嫌いだ。

母亡き後は、父と父の妹である霧湖ちゃんと、犬のジュリエッタとの4人?暮らし。
でもジュリエッタも死んでしまった。

チョコリエッタ
ジュリエッタと兄弟のように仲の良い知世子に母がつけてくれた名前。

犬になりたい。

父との関係。霧湖ちゃんとの溝。
いつしか知世子は犬になりたいと思うようになっていた。

映画研究会の先輩である正岡が知世子にカメラを向ける。
チョコリエッタとしてのひと夏。


犬になりたい=死にたいと願う知世子と、殺したいと願う正岡。
二人の関係は撮る・撮られるに変わっていく。
知世子の憤りと不安定さがすごくよく伝わった。
表紙がかわいらしかったので何となくかわいいイメージの話かと思ってたけど、
全然違って、切なかった。

★★★☆☆


ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
12:00  |  大島真寿美

2009.03.17 (Tue)

なんとなくな日々 川上弘美

エッセイ。

卵一個ぶんのお祝い。からすっかり川上弘美のファンになってしまった。

ゆるい。このゆるさがすごくいい。
ゆるいだけじゃなくて、くすっと笑える。で、かわいい。

このエッセイの中で、家の蛍光灯が切れるっていう話があるんだけど、
その中の

1メートル半以上もある蛍光灯である。
わたしよりもちょっと小さいくらい、わたしが男性で蛍光灯が女性ならば
お似合いの二人、という感じの長さだ。
このひとも、息たえるときに、言葉を残した。
「あの、そろそろ、行きますね」


ってところなんかすごくいい。

毎日こういう視点で物事を見れたら、きっとカリカリせずに
生きられるんだろうなー。

薄い文庫本なので、ポケットにいつも入れておきたいくらい。

★★★★★



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
21:16  |  川上弘美

2009.03.16 (Mon)

7月24日通り 吉田修一

「丸山神社前」は「ジェロニモス修道院前」
「水辺の公園」は「コメルシオ広場」
「岸壁沿いの県道」は「7月24日通り」

ポルトガルのリスボンに形の似た街に住む小百合は、
自分が住む地味な日本の地方都市と、リスボンの地図を重ねて遊ぶ。

会社の同僚である安藤の妻亜希子は、小百合の高校の先輩だ。
少しずついびつさを感じているこの夫婦は、いつも小百合を家に招く。
亜希子は、小百合が高校時代から憧れている聡史の元恋人で、
二人は美男美女のカップルだった。

小百合の元に届いた高校の同窓会案内がきっかけで、
亜希子と聡史は再会する。当然のごとく、二人は夜の街へ消えてしまう。
しかし、その後聡史と会った小百合は、二人の関係が続いていないことを知り、
二人は付き合うことになる。
地味で普通な私には、それなりの男が似合うのかも、と思っていた小百合だが、
それを打破するのもまた自分だ、と新しい一歩を踏み出す。


分かりやすくて、純粋に楽しめました。
10の目次の意味が最後に判明。なるほどねー。
恋愛小説なんだけど、サッパリしてて、前向きな気分になれる。
警備員の男子、いい男だよなぁ。絶対最後はそっちに転ぶかと思ってたのに、
意外や意外でした。でもだからこそこの小説が成り立っているんだな。

★★★★★



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
21:58  |  吉田修一

2009.03.15 (Sun)

ロック母 角田光代

何もない島が嫌で飛び出した私は、また島へと戻ってきた。
臨月のお腹を抱えて。

父親になるはずの男はもう自分から離れていってしまい、
堕胎する時期もとうに過ぎてしまった。
シングルマザーになる覚悟もできていないまま、仕方なしに故郷に戻る。
父親がしてくれるはずのことを両親に望んでいたが、
しばらくぶりに帰った我が家は、私を手放しでは受け入れてはくれなかった。

母親は家で大音量で音楽をかけながら、針仕事に没頭している。
よくよく聞いてみると、それは私が高校時代に聞いていたニルヴァーナだった。
家事を一切放棄している母は、大音量の音楽で壁を作っていた。

島の助産婦はすっかり年老いて惚けてしまっていたので、
出産のために呉に向かう私と母。
いよいよ出産のとき、あまりの痛さに朦朧とする私の耳に突っ込まれたのは、
大音量のイヤホンだった。

出産という人生最大のイベントに、耳に入ってくる大音量のロック。
その対比が面白い。
赤ちゃんが取り上げられたときの、赤ちゃんの泣き声と母の泣き声が
印象に残った。

92年から06年までの短編集。
表題の「ロック母」のほかに、

●ゆうべの神様
●緑の鼠の糞
●爆竹夜
●カノジョ
●父のボール
●イリの結婚式

カノジョと父のボールも良かったなぁ。
前妻の存在感に怯えるとか、坂上から不幸のボールが落ちてくるとか、
やっぱり、うまい!

★★★★★



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
22:10  |  角田光代

2009.03.14 (Sat)

幸福な朝食 乃南アサ

子供の頃から美少女で有名だった志穂子は、女優を目指し
高校を卒業すると上京すると決めていた。
しかしそこへ現れたのは、志穂子と同じ顔をしたアイドル、柳沢マリ子。
マリ子の人気が出れば出るほど、志穂子はあくまでもマリ子に
似ているというだけでしか人に見てもらえなくなった。

あと1年自分のほうが早く世に出ていれば・・・と悔やむ志穂子だったが、
それでも女優の道を諦めきれず、小さな劇団や養成所を転々としながら、
いつしか人形劇の裏方である人形使いのベテランとなっていた。

新しい人形劇がスタートすることになり、そこで声優をつとめる
若手俳優の良助と出会った志穂子は、長年自分を苦しめてきた
柳沢マリ子への復讐を企てる。

結婚もせず、心を許せる友達もいない孤独な日々。
家に帰って待っているのは、人形のミカだけ。
ミカは話は聞いてくれるが、自分から言葉を発してくれない。
体温のある生身の人間にそばにいてほしい。
若かったあの日、自分で始末してしまった子供のことを考え、
志穂子は次第に崩れていく。


志穂子の時間軸がどんどん壊れていくところと、
子供に対する執着がほんとに怖かった。
血の海の生々しさが、実際に臭ってきそうで読んでいて苦しい。
執念って、こんなに人をおかしくしてしまうものなのかもしれないな。
面白かったです。

★★★★★


ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

23:53  |  乃南アサ

2009.03.13 (Fri)

ゆる気持ちいい暮らし術 岸本葉子

「ゆる」をテーマにしたエッセイ。

締め付けない下着、土鍋で炊くご飯、写経などなど。
作者が「ゆるい」と思ったものにたいしての思うところが綴られている。

タイトルがいいな~と思って図書館で予約していた本なんだけど、
私にはイマイチ「ゆるさ」が感じられなかった。
「ゆる」することに必死な感じがしちゃって。

さぁ、ゆるくなるぞ!みたいに意気込んでる時点でゆるくないしなぁ。
(作者は意気込んでるわけじゃないんだけど)


惰性とゆるさの違いが微妙でした。
ちょっと残念。

★☆☆☆☆



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
16:00  |  その他

2009.03.12 (Thu)

となり町戦争 三崎亜記

ある日僕は町の広報でとなり町との戦争が始まることを知った。
開戦日:9/1 終戦日:3/31(予定)
となり町を通過して通勤している僕は、となり町戦争係から偵察業務を命ぜられる。
最初は通勤時間に気がついたところを報告するだけだったが、
その後、潜入偵察業務まで発生することになった。
となり町戦争係の職員、香西さんと結婚し、となり町に引っ越すというものだ。

戦争は始まっているのに、何も感じられない僕。
でも確実に戦争は行われている。
町の広報では戦争犠牲者数が着々と増えている。
香西さんの「戦争の音を、光を、気配を、感じ取ってください」という言葉に
僕なりの戦争の意味を見い出す・・・・。


発想が奇抜で面白かった。
戦争、という身近ではないものと、となり町という身近な存在が
見事に融合していると思う。
お役所的戦争。戦争という点ではリアリティはないけど、
お役所って例え戦争でもこういう処理するんだろうなって思ってしまった。

結局最後までこの戦争の意義は主人公も読者も分からないんだけど、
血生臭くない分、逆に冷えた恐怖感が残る。
主人公の僕と香西さんが、何となく村上春樹を思わせるんだよなぁ。

★★★★☆



ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

19:44  |  三崎亜記

2009.03.11 (Wed)

些末なおもいで 埜田杳

海底のような夜。夜、町は海へと変わる。

不眠症の檜山は、その日も眠れずにいた。
ふと思い立ち部屋の窓を開けると、なぜかそこに同級生の矢鳴がいて、
そこで二人は初めて会話らしい会話を交わした。
それまであまり関わりがなかった二人だったが、矢鳴の幼馴染である
キューピーさんも交えて、次第に打ち解けていく。

ある日体育の授業中に目が痒いと言い出した矢鳴。
それは「あれ」と呼ばれる奇病だった。
体の部分が次第になくなっていき、やがて死に至る病気。
現代では解明されていない奇病。

いつか消えてなくなってしまうことが分かっていてもどうにもできない。
そのうち矢鳴は学校を辞めてしまう。
それでもなお関係が続いていた二人だが、
やがて矢鳴と電話で話すことすら困難になってしまった。


”本当に哀しいのは、消えてしまった瞬間ではないのだ。
本当に哀しく、堪えがたくなるのはその後流れ続ける日常なのだ”

泣けました。

大事な誰かを失ってしまっても、自分は生きていかなければならない。
どんなに哀しいことがあっても、人はそのことばかりにかまけていられない。
日常があるから、忘れていくものもある。

すごく悲しい話なんだけど、どこか気持ち的にスッキリする部分があって、
とても良かった。

★★★★★



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


12:30  |  な行その他

2009.03.10 (Tue)

不正な処理 吉原清隆

母親と二人で団地に住む誠は、ある日見かけた野良犬に魅せられ、
いつしかイヌを探すために団地内を散歩するようになった。
それからしばらくののち、中学生になった誠は、散歩コースである
団地の近くにある展望台で一人の少年に出会った。

周りの人間関係を一切遮断した学生生活を送っていた誠は、
今度はパソコンの魅力にとりつかれる。
部活もやらずに毎日急いで家に帰っては、独学でプログラムを組んでいた。

高校生になった誠は、あの日展望台で出会った少年と再会する。
その少年久賀は、誠がプログラムを組めることを知って、
ある雑誌のプログラミングコンテストの話を持ちかけてくる。

夏休みのほとんどを費やして、誠と久賀はゲーム作りに没頭する。
大好きなことを、大好きな友達とできる至福の日々。
夏休み最後の日にそれは完成し、出来上がったものは、
およそ20年後、誠を苦しめることになる・・・。



短い話で、特段盛り上がりがないまま終わってしまった感じ。
いつも眉間にシワを寄せてる母親、とか、市役所の「あの男」とか
何かあるんだろうな、って思っていた人物が特に何にもなくて残念。
タイトルはうまいなーって思うんだけど。

★★☆☆☆



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
12:30  |  や行その他

2009.03.09 (Mon)

湖水地方 寺坂小迪

香夏子と妹の夏実。
顔も性格もあまり似ていないが、昔から仲が良い。

父が急逝してしまい、二人は遺品であるカメラを叔父に届けに行く。
父の田舎であるその場所には子供のころに一度だけ
訪れたことのある湖があり、香夏子と夏実はそこへ叔父に連れて行ってもらう。
あの時父が捜していた何かとは、何だったんだろう。

夏実の家族公認の恋人である煉。
香夏子は煉に恋をしてしまい、二人は体を重ねてしまった。
そのことに引け目を感じながら、普段通りに夏実と接する香夏子は、
その息苦しさから逃れたいと思う。


香夏子は、父の探していたものと、自分の行く末を重ねて考えていたのだろうか。
静かに見える湖の下では、いろんな感情が渦巻いている。

ちょっと江國香織っぽい印象を受けた。
静かで透明。
荒れ狂う感情を内に秘めた感じ。

他に、「シャルル・ド・ゴールの雨女」収録。

★★★★☆


ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

12:54  |  た行その他

2009.03.08 (Sun)

うつつ・うつら 赤染晶子

マドモアゼル鶴子。
京都の舞台で赤い振袖を着て漫談をする鶴子は、
いつか女優にスカウトされることを夢見て、ひたすら舞台にしがみつく。

鶴子が漫談に立つ舞台の下では、いつも同じ映画が放映されていて、
その映画の中での奇声?嬌声?に、観客はすっかり舞台のことを
忘れてしまう。
このぬるま湯に堪えきれず、芸人たちは舞台から逃げ出してしまう。
でも鶴子は逃げない。
スカウトマンが自分をスカウトしに来るまで。

ある日客席に置き去られた九官鳥。
パリ千代と名づけられたその鳥は、あらゆる音と声を覚え、
人から言葉を奪っていってしまう。
みんながパリ千代に脅え、言葉を発することに脅えていく。


ねっとりと絡みつくような世界。
不快なんだけど、そこから逃れられないような感覚だった。
なんか息苦しい。
一つのことを成し遂げるための執念。
言葉の大きさを感じた。

★★★☆☆



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
12:30  |  あ行その他

2009.03.07 (Sat)

さりぎわの歩き方 中山智幸

表題作の「さりぎわの歩き方」と、「長い名前」を収録。

●さりぎわの歩き方

主人公の僕は29歳。結婚間近。
ネットで情報収集したニュースを加工し、記事として納品する。
僕が仕事をする広尾のシェアオフィスには
多種雑多な職業を持つ人間がいる。

その中の一人から、「大人の夏休み」とは名ばかりの
合コンツアーに誘われた。独身最後の羽伸ばし。

●長い名前

「なんとかなる」が口癖の秋沢さんが経営する喫茶店、ウィーズ。
就職を機にウィーズでのバイトを辞めるはずだった僕は、
就職先の突然の倒産と、秋沢さんの死により、
ウィーズを一人で切り盛りすることになった。

一方恋人のミツはOLとして忙しい日々を送っている。
学生時代から同棲していた二人は、そのうち結婚するつもりでいたが、
僕の就職がなくなったことや、日々の忙しさにかまけて
結婚を何となく先延ばしにしていた。

仕事でのストレスからいつも不機嫌で体調も悪いミツ。
ミツを気遣いながらも、店のことで必死な僕。
ミツはいつの間にかウサギのぬいぐるみ「ジョナス」を溺愛するようになる。


表題作より2作目の「長い名前」のほうが面白かった。
僕とミツの忙しさからのすれ違いや、お互いの苛立ち。
ホントは心配してるってことを伝えたいのに、うまく伝えられない。
ミツも、迷惑をかけたくなくて頑張りすぎてしまう。
もどかしい・・・

ぬいぐるみのジョナスを通じて交わされる本音。
知らなかったミツの会社でのいじめ。
「なんとかなる」と目の前のことをちゃんと見ていなかった僕は、
大事なことにやっと気づいたんだろうな。

2作とも読みやすくてサクサク進むんだけど、
「さりぎわの歩き方」はちょっと軽すぎて印象に残らず。残念。

★★★☆☆


ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

12:35  |  な行その他

2009.03.06 (Fri)

風化する女 木村紅美

れい子さんは一人ぼっちで死んでいった。

43歳独身。会社の居心地も悪く、友達もいなかったれい子さん。
部署も違い、仕事上の接点は全くなかった私とれい子さんは、
一人でランチをとるために入る寂れた喫茶店で仲良くなった。

無断欠勤を不審に思った上司が、一人暮らしのアパートを
訪れたときは、すでに彼女は死んでいた。
そのことを知らせるメールを見ても、社内は何ら変わることなく
通常通り動いている。

私はれい子さんのことをあまり知らない。

しかし、他に仲の良かった人がいなかったこともあって、
私はれい子さんのアパートや、会社のロッカーの荷物の処理を命じられる。
そこで私は、誰も知ることのなかった本当のれい子さんを知る。
会社ではあまり存在感も派手さもなく、黙々と仕事をこなしているだけだった
彼女には、意外な一面があった。

彼女の会社のデスクの中から出てきた、北海道行きのチケット。
私はそれを手に、れい子さんが行く予定だったある場所へと向かう。


たった一人で死んでいき、会社の誰からも嘆かれないれい子さんと、
主人公の私は自分を重ね合わせる。
私にも会社での居場所がないからだ。
れい子さんは確かに風化していってしまうのだけど、
私の中ではいつまでも印象深く残っている。

孤独死、悲しいんだけど、自分のあとをこういう風に辿ってもらえたら
うれしいだろうな。
万人に覚えてもらってなくても、大切な人に覚えてもらえてれば
それでいいんだって思った。

読みやすくてすっと物語に入っていけた。
他に「海行き」収録。
次も出たら読みたい!

★★★★★


ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

12:30  |  木村紅美

2009.03.05 (Thu)

手 山崎ナオコーラ

半世紀も私にくっ付いたまま離れない指。

主人公はおじさん好きの25歳のサワコ。
今まで付き合ってきたのは年上男性ばかり。
おじさんの姿を隠し撮りし、「ハッピーおじさんコレクション」というサイトまで運営している。

森さんの送別会をきっかけに彼と仲良くなるが、
どうやら森さんには彼女がいるみたいだ。
森さんは好きだけど、大したショックは受けてない。
そして森さんと関係を持ちながらも、相変わらずおじさんとの交際を続ける。

おじさんと交際するといっても、肉体関係は持たない。
手をつないで散歩する程度だ。
それでもやっぱりサワコはおじさんを知りたい欲求が止められない。


草食系男子ならぬ、草食系女子な感じとでも言おうか。
森さんに二股をかけられているのをわかっていても、特に憤慨もしてない。
そしてあくまでも趣味としてのおじさん観察とおじさん交友。
でもその根底にあるのは、父親との関係の変化なんだろうなと思う。
淡白な印象なんだけど、奥底にはいろんな感情が渦巻いているのかな。
と深読みしたりして。

他に
「笑うお姫さま」
「わけもなく走りたくなる」
「お父さん大好き」
収録。

どれも大変に読みやすかった。

★★★★★


ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
12:30  |  山崎ナオコーラ

2009.03.04 (Wed)

八番筋カウンシル 津村記久子

八番筋商店街で育ったタケヤスは、小説で新人賞をとったことを
きっかけに勤めていた会社を辞め、地元に戻ってきた。

同じ時期に仕事を辞めて家業の文房具店を継ぐことにしたヨシズミや、
会社で働きながらも喫茶店を出したいと思っているホカリと一緒に
八番筋カウンシルと呼ばれる商店街の寄合に参加することになる。

廃れかけてきている商店街に、新たな問題が浮上していた。
近くに大きなショッピングモールの建設されるかもしれないというもの。
そしてそのショッピングモールの会社に勤めているのは、
かつて商店街の連中が追い出すようなかたちで地元を去って行った
タケヤスの友人、カジオだった。


現在と、タケヤスの中学時代が交互に語られる構成。
子供の頃からの夢だった小説家になれたが、勢いで会社を辞めてしまい
30手前にして生活が心もとないタケヤス。
商店街の行く末と、自分の行く末。
家族を顧みなかった父親との再会や、ヨシズミの祖父が死んだいきさつを
知ることによって、タケヤスの中で何かが少しずつ変わってくる。

相変わらずゆるい感じ。
津村記久子の小説のどこがいいんだろう?って考えてみたら、
登場人物が「頑張りすぎてない」ところだなーって思った。
淡々と日々を生きている、何も大げさなところがない。
それがちょうどいい感じなのだ。

★★★★★


ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

22:51  |  津村記久子

2009.03.03 (Tue)

高く遠く空へ歌ううた 小路幸也

僕はその日、骸骨池で10人目の死体を見つけた。
いつもなぜか死体の第一発見者となってしまう少年、ギーガン。
左目を失ってしまい、義眼を入れていることからみんなにギーガンと呼ばれている。
そしてギーガンは、感情を表に出すことができない。
うれしいことも、悲しいことも、お父さんが死んでしまったときでさえ、
彼は泣くことができなかった。

ビギニングウィークと呼ばれる春合宿で同じ部屋になった上級生の柊さんと
この町に隠された不思議な出来事について探っていく物語。
犬笛が歌われた次の日には自殺者が出る。
そこに必ず現れる革ジャンの男の正体は?


ミステリーなんだけど、どこかほのぼのしているのが小路幸也っぽいと言えるのかな。
心底悪い人っていうのが出てこない。
そして登場人物がみんな魅力的。
だから安心して読める。
シリーズだったみたいで、読む順番を間違えてしまったのが残念。

ギーガンやルーピーの成長っぷりもいい。
柊さんみたいな先輩がいたら、絶対好きになってるな・・・

ほっとする。

★★★★☆


ランキング参加してます。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
13:13  |  小路幸也

2009.03.02 (Mon)

舞い落ちる村 谷崎由依

独特な年の重ね方をする村。
妹だった女たちは、子供を生んで、姉になっていく。
わたしには名前がないし、年齢も分からない。
ものを数えるという概念がない村。わたしはそこで育った。

大学のためにその村を出たわたしは、朔と出会う。
多くの言葉を発する朔と、何もいえないわたし。
街へ出たわたしは、自分が育ってきた村が特別だったことを知る。

摂食障害になってしまったわたしは、夏休み村に帰る。
たった数ヶ月しか村から離れていなかったのに、
育ってきた村は大きく変わっていた。

そして村から街へ戻ると、朔は消えていた。


不思議な世界。独特な雰囲気。
面白い!と表現するのはなんか違う気がするんだけど、
他にうまい言葉が見つからない。もどかしい。

村の描写が特にうまい。
気がつくと増えている子供。自分の妹が次々と姉へと変わる。
神話っぽいかな。惹きつけられる!

時間をおいてもう一度読みたい。

★★★★★



ランキング参加してます。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村



23:49  |  た行その他
 | HOME |  NEXT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。