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2009.02.28 (Sat)

みんないってしまう 山本文緒

「喪失」をテーマとした短編集。

●裸にネルシャツ
●表面張力
●いつも心に裁ちバサミ
●不完全自殺マニュアル
●愛はお財布の中
●ドーナッツ・リング
●ハムスター
●みんないってしまう
●イバラ咲くおしゃれ道
●まくらともだち
●片恋症候群
●泣かずに眠れ

永遠に続くかと思っていたものも、ふとしたことがきっかけで
無くしてしまうことがある。
友達も恋人も、大切にしていた物も、あのときの感情も、
気がつくと自分の前から無くなっていた、ということって
人生に一度や二度はある。

山本文緒って、日常の中で沸き起こる感情を描くのが
ほんとにうまいなー。ストンと自分の中に落ちるっていうか。

泣かずに眠れ、が何となく印象に残った。
会社から自宅待機を言い渡された主人公が、
個人情報誌(そういえば昔あったよなぁ)を買って、
その中の一人に連絡をしてみる、という話。
街中を歩いていて、この中に知ってる人が一人もいないなーっていう
漠然とした孤独感。
女友達との付き合い方って、年齢を経るとだんだん変わってくるなぁと
最近感じていたばっかりだったので、そう思ったのかも。

一つ一つが短い話なので、通勤時間に最適な1冊。

★★★★★



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23:50  |  山本文緒

2009.02.27 (Fri)

ココナッツ 山本文緒

脱サラした父親が始めた便利屋「ヒョウスケお便利商会」
迷子犬探しからチケット取りまでなんでもやる。

中学2年の実乃は、そんな父親の便利屋仕事を手伝っていた。

夏休み、地元出身のロック歌手で名実ともに大スターの黒木洋介が
実乃の住む町でコンサートをやることになった。
そんな時、便利屋の父親のもとにある女性が仕事の依頼にやってきた。
黒木洋介が狙われているからボディーガードをしてほしいというのだ。

テレビでしか見ることのできない大スターは、実は実乃が想いを寄せる
お坊さんの永春さんと同級生だった。
それに黒木洋介の父親は、実乃の父親とサラリーマン時代の同僚だった。


実乃はこの夏休みでいろんな経験をする。
黒木洋介が抱えていた事情。永春さんの過去。
実乃の淡い恋心と、それを見守るハズム。
山本文緒らしくない爽やかさです。
中学生のその時にしか味わえない感情だったりするんだよなー。
なんか新鮮でした。大人でも楽しめる青春小説。

★★★★☆



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12:30  |  山本文緒

2009.02.26 (Thu)

次の町まで、きみはどんな歌をうたうの? 柴崎友香

デートでディズニーランドへ車で行くという恵太とその彼女、ルリちゃん。
大阪から東京へと恵太の愛車で行くドライブデート。
そこへぼく小林望と後輩のコロ助は便乗した。
コロ助が長年片思いをしている清水さんに会いに行くのが口実だ。

小林望は、かなり自分勝手な男。
運転もできないくせに、高速で走る風景に飽きたから下りろと言ったり、
浜名湖付近で突然鰻が食べたいと駄々をこねたり。
しまいには、恵太の彼女であるルリちゃんを狙い始める。
いつから好きだったんだ?出会ったころから?ドライブが始まってから?
しかしルリちゃんにアプローチをかけるも即玉砕。
それでも、ルリちゃんが好きな曲の歌詞、
「君が笑ったらぼくも笑ったような気分だ。
君が泣いたらぼくは最悪な気分だ」
まさにそのとおりの感情。

長いドライブ。4人それぞれの感情。その中で気づいていくいろんなこと。
望は何をやっても器用で、写真集を出したり、音楽をやっていた過去を持つ。
自分勝手だけどどこか憎めなくて、過去の栄光にすがることもなくて、
自分がこれからどうしたらいいのかが分からないんだけど、
物語の最後で新しい一歩を踏み出そうとしている。
ちょっとだけ前に進めるかもしれない、そんな気分になる物語。

他に、「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」収録。これも良かった!

★★★★☆


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22:13  |  柴崎友香

2009.02.25 (Wed)

東京公園 小路幸也

幼い頃に、フォトグラファーだった母親を亡くした圭司。
自然とカメラマンを目指すようになった圭司は、
大学に通いながら、母が撮りたかったであろう家族写真を撮っている。

ある日いつものように公園で母娘を撮っていた圭司は、
ある男から「妻を尾行して写真を撮ってほしい」と頼まれる。
年若い妻が、もしかしたら浮気をしているのではないか、と不安なのだ。

晴れの日は必ず公園に行くという母娘を尾行する日々が始まった。

写真を撮っていくうちに、被写体である美しい母親である百合香に
惹かれて行く圭司。
そして百合香は自分の写真を撮られていることを知っているようだ。

決して言葉を交わすことなく、撮る側・撮られる側だけの関係。
でもそこには穏やかな信頼関係が築かれていた。


春の日差しのような静かであったかい物語。
公園の景色だったり、そこにいる人たちが目に浮かぶよう。
圭司の同居人や友人、血のつながりのない姉など、
個性がありながらも優しさにあふれた登場人物ばかり。
恋愛小説、というよりは、いろんなかたちの愛情を描いた話かな。
たとえ一緒に住んでいなくても、物理的に離れていても、
「一緒に生きていく」という表現がすごくいいなーと思った。

★★★★★


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23:25  |  小路幸也

2009.02.24 (Tue)

いやしい鳥 藤野可織

高木成一は大学で非常勤講師をしている。
ある飲み会でひどく酔ってしまった学生を、仕方なく自分の家に
連れて帰ることになってしまった。
ろれつがまわってないし、吐くしで最悪だ。

しかし吐くなんて最悪のまだまだ序の口だった。

朝起きて腹が減ったとわめく学生を落ち着かせようと
コンビニまで買出しに走った高木は、帰宅後、惨劇を
目のあたりにする。

大切に飼っていたオカメインコのピッピが、学生に喰われていた。
そして学生は鳥へと変貌を遂げる。


当事者の高木の目線と、高木の挙動を怪しむ隣の主婦、内田百合の
二つの目線で描かれている。
なんだろう、この感じ。
ホラーのようなそうでないような。形容しがたい。
何となく最初はうーん、と思いながら読んでいたんだけど、
途中からズルズルと引き込まれた。
気持ち悪いんだけど、読むのをやめられない感じ。
不思議な感覚。

他に、「溶けない」「胡蝶蘭」収録。

「胡蝶蘭」は話がすごく短いんだけど、作家の世界観が
凝縮されていて良かった。

次の作品に期待!

★★★★☆



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19:30  |  は行その他

2009.02.23 (Mon)

どこから行っても遠い町 川上弘美

商店街のある小さな町。
そこに住む人々を描いた連作短編。

性別も職業も世代も違うそれぞれの主人公。それぞれの日常。
一つ一つの物語が独立してるんだけど、全てを通すと
町全体が浮かび上がってくる。どこかに実在しそうな。

淡々としていて、でもどこか少し切なさを感じる。

誰にでもその人なりのドラマがあって、必ず誰かと
つながりを持って生きているんだなぁと思う。
それは死んでしまっても変わらないものなのかもしれない。

最後の「ゆるく巻くかたつむりの殻」が良かった。
死んでもかけらはずっと生きる。誰かの記憶の奥底で。

魚春にもロマンにも行ってみたくなった。

静かでゆるやかで、少し泣きたくなる作品。

★★★★★



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12:30  |  川上弘美

2009.02.22 (Sun)

家族趣味 乃南アサ

5つの短編。

●魅惑の輝き

有理子は宝石にしか興味を持たない。
宝石を買うために借金をし、借金を返済するために
朝から晩まで身を粉にして働く。でもまた宝石のために借金・・・。

●彫刻する人

恋人の可奈子から「後姿が富士山みたい」と言われたことがきっかけで
水泳で体を鍛え始めた恒春。毎日鏡で自分の美しい肉体を鑑賞することが
日課になった恒春に待ち受ける運命は。

●忘れ物

23歳の美希は、尊敬する上司本橋課長のもとで働いている。
ある日、ニューヨーク支社から阪口という男が異動してきた。
一目惚れした美希が阪口と親しくなるまでには、大した時間はかからなかった。
内緒で交際していた美希と阪口だったが、それを本橋課長が偶然
知ってしまって・・・。

●デジ・ボウイ

高校受験のために父の赴任先であるチュニジアから一人で帰国した直樹。
伯父一家のもとで1年間を過ごすことになった。
同級生の従兄弟彰文は、直樹とは対照的な少年だった。
目標もなく、生きる目的も見出せない彰文は、直樹にあるものをプレゼントする。

●家族趣味

カコ、亮ちゃん、ひろくん。友達のように名前で呼び合う家族。
カコは家庭も仕事も、そして恋も何もかもが楽しい毎日を送っていた。
家族それぞれが独立し、お互いのプライバシーを干渉しないこの生活。
しかし家族はカコが気がつかないうちに、方向を誤っていた。


どれもハズレなしで面白かった。
一番怖かったのは●忘れ物、
なんか悲しくなったのは●デジ・ボウイ。

長さといい、まとまりといい、ちょうどいいとしか言いようがない。
それぞれ違う雰囲気の話だったので、十分に楽しめた。

★★★★★


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15:00  |  乃南アサ

2009.02.21 (Sat)

さよなら渓谷 吉田修一

奥団地、と呼ばれる廃れた住宅街。
そこで幼児殺害事件が起こった。
容疑者の疑いがかけられている母親、立花里美のもとに、
多くの報道陣が集まっていた。

その隣に住む尾崎俊介とかなこ。
俊介は工場の契約社員で、休みの日は子供の野球コーチをしている。

幼児殺害事件を取材していた渡辺は、隣人の俊介がかつて大学時代に
集団レイプ事件を起こしていたことを知る。

そして事件が急展開する。
取調べ中の立花里美が、たびたび俊介の名前を出して関係を匂わせていた。
ついに一緒に住んでいたかなこが、里美と俊介が男女関係にあったと証言した。

渡辺は俊介の過去を調べていくうちに、あることに気がつく。
15年前のレイプ事件、その後の彼らは・・・。


加害者も被害者も、過去からは逃れられないんだ。
かなこの、「許してほしいなら、死んでよ」と、「だって、私がいなくなれば、
私はあなたを許したことになってしまうから」が印象深かった。
誰にも知られたくないからこそ、知っている人といるしかない。
すごく切ない。
二人にとっての幸せって何なんだろう・・・。

★★★★★



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18:07  |  吉田修一

2009.02.20 (Fri)

ロンド・カプリチオーソ 中野順一

セカンドサイトの続編。2年後の設定。

新宿にあるバーCLOUDでピアノを弾きながら、相変わらずの
フリーター生活のタクト。もちろん予知能力を持つ花梨ともまだ交際中。
その花梨から、「新宿西口には近寄らないほうがいい」と忠告を受けるが、
行くなと言われると余計に行きたくなる性格のタクトは、西口へと足を運ぶ。

案の定予言どおり、タクトは出会い頭に衝突事故(?)に会う。
それがきっかけで知り合った女、トモミ。

トモミと出会った頃から、タクトの周りが騒々しくなってきた。
長年疎遠になっていた父親からの連絡、腹違いの弟の存在。
ホステスをする花梨のもとに足しげく訪れる柳田という男。
友達コウジの不可解な行動。
そしてコウジが突然ビルの屋上から転落して死亡してしまった。

コウジの謎の死を解き明かすべく、新宿の街を駆けずり回るタクトは
一体何を見るのか。


続編ということもあって、すごく入りやすかった。
セカンドサイトはドラッグ中心の話だったけど、今回は詐欺。
タクトの無謀っぷりといい、飄々としてるけど鋭いところをつくアキラといい、
相変わらずな感じで安心して読めた。
コウジの謎の死の真相は・・・切なかったな。
花梨が転職?しそうなので、次もありそうだから楽しみ。

★★★★☆


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22:10  |  中野順一

2009.02.19 (Thu)

赤い指 東野圭吾

ある金曜日の夜、前原昭夫のもとに妻から電話が入った。
とにかく早く帰ってきてほしい、と。
急いで家に帰ると、そこにはなぜか女児の死体が。
中学生の息子直巳が殺したというのだ。

直巳は大した反省の色も見せず、相変わらず部屋にこもって
ゲームに興じている。
そんな息子に激しい憤りと情けなさを感じる昭夫は、
直巳に自首させることを考えるが、妻の猛烈な反対と、自分たちの保身のために
結局遺体を捨てに行くことにした。

直巳が犯した最悪の罪を、完全に隠蔽しようと心に決めた昭夫が
とった行動とは・・・。


家族は、昭夫・妻・息子、それに認知症の母親。
昔から妻と母の折り合いが悪く、昭夫にとって我が家は寛ぎの場所では
なかった。
幼女趣味の息子、庭においてあった女児の死体。
息子を腫れ物に触るように扱う妻と、どんどん悪化していく母の認知症。

八方塞りの感じが、読んでいて苦しくなる。
でも、途中でふむふむ、きっとこうなるな、っていう予想がついて
やっぱりそうなった、って思うんだけど、ホントの最後の最後に泣かされました。
親から子供への愛、子供から親への愛。
家族って・・・。

久しぶりに東野圭吾を読んで、やっぱりうまいなぁと思いました。
タイトルの「赤い指」の意味。泣けます。

★★★★★


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22:33  |  東野圭吾

2009.02.18 (Wed)

きっと君は泣く 山本文緒

椿。23歳。自他共に認める美人。
椿の名は、祖母の牡丹がつけてくれた。
神々しいまでの美しさを持つ牡丹。祖母は椿の憧れだ。

父が会社を経営していることもあって、椿は今まで何不自由なく暮らしてきた。
美貌を武器にし、たくさんの男を渡り歩いた。
何も怖いものがなかった。
しかし、祖母がぼけてしまい、父の会社は倒産。
次第に椿の人生は下降していく。

そして椿が尊敬していた祖母は、椿が思っていたものと
全く違う人生を歩んでいた。それに父と母の関係も。
椿にとって本当に大切なものはなんだろう。


同性の友達がほとんどいない椿。
そりゃそうだろ、っていう性格なんだけど、でも自分に忠実だなとも思う。
欲しいものを手に入れようとする貪欲さがある。
そんなところがちょっとうらやましかった。
最後に本当に大事な人は誰なのかを見つけられて良かった。

椿と対照的な魚住が、いい存在だったな。

★★★★☆


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23:59  |  山本文緒

2009.02.17 (Tue)

クロス・ゲーム 中野順一

ネットゲーム「ソロモン2」
航太と優衣は、ソロモン2のオフ会で知り合い、付き合い始めた。
その後航太が東京から名古屋へと転勤になってしまい、
二人は遠距離恋愛を余儀なくされていた。

物理的な距離を、ネットゲームで埋めていく二人。
そのうち航太よりも優衣のほうがどっぷりとゲームにハマっていった。

そして航太を襲う災厄の数々。
正体不明の通り魔、会社での不正発覚、自宅マンションへの放火。
仕事も住むところも失った航太は、優衣が待つ東京へと戻る。
しかし、そこに優衣の姿はなかった。

一方で、ヤミ金業者の男が殺される。
そこへ浮かび上がったのは、商店街で小さなおもちゃ屋を経営する男。
そこにも「ソロモン2」が関わっていた。


面白かったです。
ネットの世界と、リアルの世界。
もしかすると実際にありえなくもないかも…?くらいな感じがちょうどいい。
ハラハラしながら読めました。
これで少しはヲタ心理が理解できたかな?

★★★★☆



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22:17  |  中野順一

2009.02.16 (Mon)

瑠璃でもなく、玻璃でもなく 唯川恵

一人の男を挟んだ二人の女。妻と恋人。

大手音響メーカーに勤める矢野美月は26歳。
ちらほらと周りが結婚し始め、ますます結婚願望が強くなっている。
欲しいのは約束。安定。

しかし、美月が恋をしたのは妻がいる男、森津朔也だった。

一方朔也の妻英利子は34歳。
自分から望んで専業主婦になったにも関わらず、
変わり映えのない毎日に、少しずつ飽きてきていた。
まだ子供のいない英利子は、義母や周囲からのプレッシャーにさらされ、
しかも朔也の帰りが遅いこともあって、孤独を感じている。

朔也を挟んで対極にいる美月と英利子。
望んでいるものが違う二人が、それぞれの人生を歩き始める。


うーん、リアル。
美月の気持ちも英利子の気持ちもどちらも理解できる。
結婚するまでは結婚=安定・ゴールだと思っているんだけど、
結婚してみるとそれがゴールではなかったことに気づく。
人って(特に女って)つくづくないものねだりな生き物。

すごく読みやすいし、
未婚者も既婚者も、どちらも楽しめる作品だと思います。

最後がちょっとアッサリしすぎてて物足りないのが残念。
あとは石川が何かやらかしてくれるかと思ったんだけど、
結局ただの良い人?だったのか?

★★★☆☆



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22:05  |  や行その他

2009.02.15 (Sun)

団欒 乃南アサ

家族にまつわる5つの短編。

●ママは何でも知っている

美術教師の優次は、同僚の加奈と結婚することになった。
一日も早く家に来てほしいという義父母の要望もあって、即同居することになった
優次は、不気味なほど仲の良い一家に面食らう。

●ルール

突然潔癖になってしまった弟。ダニがたくさんいるからとカーペットをはずし、
帰宅後も朝もシャワーを浴びる。そんな弟にすっかり感化されてしまった
姉と母親も交えて、我が家の新しいルールがどんどん作られていく。

●僕のトンちゃん

高級家具店で店長を務める主人公は、外ではバリバリと働く立派な大人だが、
家に帰るとすっかり子供に戻ってしまう。ミッちゃん、トンちゃんと呼び合い、
まるで子供部屋のような家に住む二人。しかしあることをきっかけに
トンちゃんが変わってきた。

●出前家族

二世帯住宅に暮らすおじいちゃん。妻に先立たれ、一人で寂しいのだが
2階に住む息子家族はめったに顔すら見せてくれない。
そんなときテレビで見た出前家族が、おじいちゃんの元へ。
でもそれは出前家族ではなかった。

●団欒

ある日息子が車に死体を乗せて帰ってきた。
デート中に気がついたら死んでいたという死体の処理をめぐって、
家族が久しぶりに一致団結する。


どれも空恐ろしくてすごく面白かったです。
世にも奇妙な・・・っぽい感じ。どれもハズレないです。
大体が「そんな家族がいたら怖い・・・」なんだけど、
●出前家族だけちょっと違う感じかな?
ラストがおじいちゃんよくやった!って感じで小気味いいです。

★★★★★


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21:12  |  乃南アサ  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)

2009.02.14 (Sat)

沖で待つ 絲山秋子

芥川賞受賞作。文庫が出ていたので買ってみました。

主人公の私と、同期の太っちゃんとの友情を描いた作品。

入社した住宅設備機器メーカーで、同じ福岡配属となった私と太っちゃん。
2人とも見知らぬ街への配属で不安を抱きつつ、そんな気持ちを分かち合って
2人は友情を築いていった。

その後、転勤で離れ離れとなり、何年か経ったのち、また2人は再会。
そのときに太っちゃんが私にある提案をする。
「おまえさ、秘密ある?」

お互いがもし死んだら、PCのHDDを破壊して、誰にも見られたくないものを
抹消しようというのだ。
そして太っちゃんは、家の地図・鍵・PCをあけるドライバーを送ってきた。

それを思ったよりもだいぶ早く使う事になってしまった。
太っちゃんが不慮の事故で亡くなったのだ。
誰にも気付かれぬように部屋に入り込み、HDDを破壊する私・・・。


男女でありながらも、私と太っちゃんの間には固い友情しかない。
それは、「仕事」を通してだからこその信頼関係なんだろうな。
そこに死があることは悲しいんだけど、二人の友情が羨ましくて、
太っちゃんが隠したがっていたものがかわいくて、切ないながらも癒されました。

ほか、●勤労感謝の日●みなみのしまのぶんたろう 収録。

★★★★★



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2009.02.13 (Fri)

ブルーもしくはブルー 山本文緒

二人の蒼子。
佐々木蒼子と、河見蒼子。

佐々木蒼子は恋人と別れるためのサイパン旅行の帰り、
成田空港に降り立つはずが、台風のため福岡に降りることになった。

そこでふと思い出した男、河見俊一。
佐々木蒼子は、今の夫と知り合う前に、河見俊一と付き合っていた。
河見と佐々木で迷った挙句、佐々木と結婚したのだった。
しかし、佐々木との結婚は破綻寸前。でも今の自由で豪華な生活を捨ててまで
佐々木と別れられないでいた。

博多で一泊することになった佐々木蒼子は、街中で偶然河見俊一に遭遇する。
そして俊一の隣にいた女は、自分と瓜二つだった。
思わず跡をつけた佐々木蒼子は、もう一人の蒼子、河見蒼子と出会った。

二人の蒼子は、全てがまったく同じだった。
容姿はもちろん、生年月日も思い出も。
自分とは違って幸せそうに俊一と暮らす河見蒼子をうらやましく思った。
佐々木蒼子は河見蒼子に、入れ替わって1ヶ月の間、お互いの夫と暮らすことを
提案する。



何となく山本文緒らしくないストーリーなんだけど、すごく面白かった。
ドッペルゲンガー。本体と陰。
一人が本体なら、一人は陰でしかありえない。
互いを羨んで、次第に憎みあう二人。
でも、互いが嫌いなところは、自分の嫌いなところでもあるのだ。
なんか深いなー。
最初は双子みたいで楽しそう、と思ったんだけど、やっぱりドッペルゲンガーはいらないや。
隣の芝生は青いってことです。

きっと、また二人が出会っても同じことを繰り返してしまうんだろうな。

★★★★★


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2009.02.12 (Thu)

マグネット 山田詠美

「罪」を題材とした9つの短編集。

●熱いジャズの焼き菓子
●解凍
●YO-YO
●瞳の致死量
●LIPS
●マグネット
●COX
●アイロン
●最後の資料

殺人や放火、強制猥褻など犯罪自体はかなり物々しいんだけど、
そんなことを微塵も感じさせなかった。
法で裁ける罪と、法で裁けない罪。

この中では、●アイロン ●最後の資料 が良かった。

●アイロン
毎日の満員電車で痴漢に遭いまくりの主人公が、いつも同じ電車に乗る
青年に対して妄想を繰り広げる。

●最後の資料
作者の義弟の実際の話。
難病に倒れてしまった義弟がつづっていた最後のノート。
切なかった。

山田詠美読むと、猛烈に人恋しくなるなぁ・・・。

★★★★☆


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2009.02.11 (Wed)

残される者たちへ 小路幸也

主人公の川方準一のもとへ、小学校の同窓会の招待状が届いた。
「方野葉小学校」
巨大な方野葉団地の中にあったその小学校は生徒のほとんどが団地の子供だった。
今まで一度も同窓会というものに出席したことのない準一だったが、
何かに呼び寄せられるようにその会に参加する。

懐かしい仲間との再会。
しかしそこでまったく記憶に残ってない同窓生がいた。
押田明人。
向かいに住んでいて、まるで兄弟のように遊んでいたという押田の記憶が
準一には一切なかった。まったくの空白だった。
押田のことを考えるだけでなぜか気分が悪くなった。

そんな準一のもとへ現れたのは、精神科医をしている藤間未香。
子供のころ同じように遊んでいた団地の仲間だ。
ただならぬ様子の準一に気がつき、二人は急速に近づく。

未香の患者である中学生のみつきの身にもまた不思議なことが起こっていた。
大きな交通事故で奇跡的に一人だけ生き残ったみつきは、
事故の後から母親の記憶がみつき自身に宿るようになったのだ。
そしてみつきも方野葉団地に住んでいる。

準一はなぜ押田のことをまったく覚えていないのか。
みつきになぜ母親の記憶が宿るのか。
準一・未香・みつきにある同じ形の痣は?


巨大な団地を舞台にしたSF小説。
普段SFを読まないので、新鮮で結構楽しめました。で、読みやすい。
でも最後がちょっと急ぎ足な感じだったのが残念。
もうちょっと謎の解明のところがあっても良かったのかなーといった感じ。
若干モヤモヤ感が残った。

★★★★☆


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18:24  |  小路幸也  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2009.02.10 (Tue)

誰か 宮部みゆき

義父であり、今多コンツェルンの会長でもある今多義親のお抱え運転手梶田が
自転車に轢かれて死亡した。
犯人はまだ捕まっていない。

主人公の杉村三郎は、義父にあることを頼まれた。
梶田の娘、聡美と梨子が、生前の梶田についての本を書きたいので、
編集者である三郎に手伝ってほしいというものだった。
本を出版することによって、犯人を一日でも早く捕まえたいのだ。

しかし、妹梨子は本を出版することに執念さえ抱いているのに対し、
姉聡美は何とか本を書くことをやめさせたいと思っている。
本を書くことによって暴かれたくない過去があるようだ。
とにかく聡美は何かに怯えていた。

取材のために梶田の人生をさかのぼっていった三郎は、
ある事件にたどり着く。


宮部みゆき、初読みでした。
長編だったけど飽きずに、サクサクと読めました。
ミステリーではない?静かに淡々と進んでいきます。
描写がすごく細かいなーという印象。
大財閥の娘である菜穂子と結婚した三郎が、たまに感じる
違和感(財力の面で)とか、三郎が自分の母親から言われたひどい言葉とか、
もっと深堀りされるのかなーと勝手に思いながら読んでしまいました。

他にも読んでみよう。

★★★★☆



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23:58  |  宮部みゆき  |  トラックバック(0)  |  コメント(3)

2009.02.09 (Mon)

やっぱり今日も処女でした 夏石鈴子

24歳のあおばは、働いていた映画会社の子会社を辞めて、
今は派遣で働きながら、夜にイラストレーターになるための勉強をしている。

「人生って、何歳ぐらいまで迷っていていいのかな?」

実家暮らしのあおばは、父親が1年間家族から離れて一人で暮らす、という
突然の報告にびっくりする。
家族って一緒に住むものだと思ってたのに、お父さんは家族といることによって
バランスが取れなくなっていた。
母親と二人になってしまったあおばは、ちょっとだけ母親に気を遣いながら
二人だけの生活に慣れていく。

自分がやりたいこと、自分の居場所について、何となくまだ決めきれない
そんなところが共感できた。
人生、何歳でも迷ってていいんじゃないかなー。
周りに流されて、また戻ってきて、間違えていてもそれはそれでいいんだと思う。

それと、何か一つでも毎日続けることって大切なんだなーと思った。

あおばは地味な女の子なんだけど、一本筋が通ってる気がして好感が持てる。
これって続きあるのかな?続きを読みたい。

★★★★☆


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2009.02.08 (Sun)

悪人 吉田修一

ずっと読みたいと思っていた「悪人」をやっと読めました。



保険外交員の石橋佳乃が、出会い系サイトで知り合った男に殺害されてしまった。
犯人は土木作業員である清水祐一。

被害者の家族・友人、加害者、その加害者を愛する者、事件を軸に様々な人間の
心情を巧みに描いている。
なぜ事件が起こったのか、悪人とは誰なのか。


今回はあらすじは書きませんです。
最初の数ページで犯人確定です。その後覆されることもない。
そこからかなり長い話なのに、途中だらけることもなく一気読み。
誰も悪人じゃなくて、でも誰もが悪人のような、本当に考えさせられる物語だった。
ミステリーだと勝手に思い込んでいたけど、全然違いました。
ただの殺人事件でもないし、ただの純愛逃走劇でもない。

もちろん殺人をしていいわけないんだけど、祐一と光代を応援してしまいました。
最後が悲しくて本当に切なかった。
暗いし重いし切ないんだけど、また読みたくなる1冊。
傑作です。


★★★★★



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11:28  |  吉田修一  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2009.02.07 (Sat)

日曜日たち 吉田修一

東京に暮らす5人の男女の日曜日を描いた連絡短編。

●日曜日のエレベーター
●日曜日の被害者
●日曜日の新郎たち
●日曜日の運勢
●日曜日たち

どれも全く別の物語なんだけど、全ての物語にある兄弟が登場する。
九州から母親を探して上京してきた二人の幼い兄弟は、
以前母親から届いたハガキの住所を手がかりに東京をさまよっている。
それぞれの日曜日を過ごす主人公たちが、その兄弟と微妙に絡んでくる。


表題にある●日曜日たちが一番良かった。
名古屋から上京してきてはや15年、そして今日名古屋へ戻る乃里子の
東京での最後の日曜日。

当時、彼からのDVに耐えられなくなって、ある団体へと駆け込んだ乃里子が
そこで出会ったのは、幼い兄弟だった。

それから年月が経ち、その最後の日曜日に彼らと再会する。


最後にホッとできて、すがすがしい気分になる作品だった。
一つ一つの話は短いこともあって、サラリと読んでしまうんだけど、
やっぱり兄弟の存在が大きかった。

★★★★★



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2009.02.06 (Fri)

ポトスライムの舟 津村記久子

発売日をチェックして本を購入するなんてすごく久しぶり。
昼休みに本屋へ走りました。



主人公のナガセは29歳独身女子。
工場のラインで、友達の経営するカフェで、役所の主催するパソコン教室で、
そして自宅でも仕事をしている。暇でいることが罪悪かのように働きまくる。
ある日工場の休憩所に貼られていた「世界一周旅行」のポスターに気づき、思いを馳せる。
工場の給料1年分が、世界一周の旅費とほぼ同額なのだ。


そんなナガセのもとに、学生時代の友人りつ子が娘の恵奈を連れて押し掛けてきた。
旦那と不仲で離婚しようと家を出てきたらしい。
ナガセの家でナガセの母親とともに不思議な4人の同居生活が始まる。

特に大きな展開はなく、ワーキングプアな女子の日常が描かれている。
あーわかる・・・というところが多い。
何か目標を見つけることで仕事を頑張る自分とか、学生時代の友達への違和感とか。
旦那や子どもの話ばかりして浮きまくる友人(もちろん本人は気づいていない)が
出てくるんだけど、なんというか「嫌悪」というより「脱力・・・」なんだよなぁ。

アラサーアラサーって言われてるけど、別にアラサーだからどう、ってことはない。
普通なんすよ、普通。
だからこそリアルだった。

ナガセが腕に入れたがっていた刺青の文言「今がいちばんの働き盛り」。
やっぱりいい!

★★★★★


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2009.02.05 (Thu)

セカンド・サイト 中野順一

新宿にあるキャバクラでボーイをしているタクトは、新人で入ってきた花梨に
突然不思議なことを言われた。
初対面なのに「あ、おめでとうございます。」
どういう意味かと訝しむタクト。その数日後にその意味がわかった。
totoで2等が当選し、30万強の金を手にしたのだ。
どうして花梨はそんなことがわかったのだろう。

そんなある日、同じキャストであるエリカに、ストーカーを退治してほしいと頼まれた。
ストーカーは元々エリカの客だった大倉という人物で、行為は次第にエスカレート
しているらしい。以前ストーカーを撃退したことのあるタクトは、1週間で退治する約束をする。

しかし大倉を調べると、裏には中国マフィアやドラッグなど、足を踏み入れないほうが
良さそうなものがいろいろ出てきた。
しかも、エリカも花梨の不思議な助言によって動きだしたらしい。

約束通り1週間で大倉を撃退したタクトだが、その後エリカは何者かに殺害されてしまう。
それと同時に花梨も姿を消してしまった。
花梨の持つ不思議な能力と、エリカや大倉が絡んでいた出来事は何なのか。


第20回サントリーミステリー大賞受賞作。
すごく読みやすかった。けど、ミステリーとしてはどうなんだろう?
夜の闇・裏の世界は興味深くて良かったんだけど。
アキラの洞察力がすごいので、アキラをもっと活躍させてほしかったかな。
あと、通り魔事件の動機がちょっと肩透かしな感じだったのが残念。

★★★☆☆


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12:56  |  中野順一  |  トラックバック(1)  |  コメント(2)

2009.02.04 (Wed)

ミュージック・ブレス・ユー!! 津村記久子

主人公のアザミは、パンク大好きな高校3年生。
バイト代はすべてCDへと化け、欠かさずヘッドホンをつけていつでも音楽に浸っている。
髪は赤くて、歯の矯正器もカラフルで、そしてあんまり頭が良くない。
高校3年生といえば、進路に悩む時期。
でも音楽を聴く以外にやりたいことなんてそう簡単には見つからない。

人が簡単にできてしまうことが、なぜかアザミにはできない。
周りがどんどんと進路を決めていくなか、若干焦りながらもやっぱり決められない。
そんなアザミの高校卒業までを描く。

マイペースなアザミに、すぐキレるくせにどこかさめている友達のチユキ。
ベタついた友情じゃなくて、サラっとドライな関係が読んでて気持ちよかった。
あー高校生の時、こういうことで悩んだり怒ったりしてたなーと懐かしい。
決めなきゃいけないことをつい先延ばしにしちゃうところ、共感・・・。

パンクのことは全然分からないけど、それでも楽しめるのってスゴイ。

毎回テーマを決めて矯正器のゴムの色を変える歯医者さん、行ってみたい(笑)
こういう細かいところがやけに面白いのが津村作品の醍醐味?

★★★★★



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00:37  |  津村記久子  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2009.02.03 (Tue)

愛しの陽子さん よしもとばなな

よしもとばななのWEB日記を1冊にまとめたもの。
今回読んだのは2006年のもので、シリーズで出ているらしい。

前知識ゼロなので、出てくる登場人物がさっぱりわからない・・・。
完全な固有名詞なので、関係性も。

WEBのほう見てればわかるのかな?

ただ、よしもとばななの世界観みたいなのは伝わった。
大事にしている人と、大事にしていることがよくわかる。
あとは、子供の言うことがいちいちかわいい。
子供って日々成長してるんだなぁ。
しゃべることも、単語からちゃんと文章になっていく。成長日記も兼ねてる感じ。

でもやっぱり登場人物が分からないから、その辺がちとつらい。(しつこい?)

★★★☆☆




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2009.02.02 (Mon)

暗鬼 乃南アサ

主人公の法子は、お見合いで知り合った和人のもとに嫁いだ。
法子を入れて総勢9人の大家族だ。
小金井市で豪邸を構え、精米店を営む志藤家。
大家族に嫁ぐことに戸惑いがあった法子だが、家族の誰も彼もが
法子の嫁入りを歓迎してくれているとあって、この結婚に間違いはなかったと実感する。

しかしある日、庭で洗濯物を干していた法子のもとに、
店子である氷屋の「本庄屋」が現れる。法子に何かを伝えたそうだ。
でもその場に義母が現れ、本庄屋は帰されてしまう。
そしてその後すぐ本庄屋一家は無理心中で亡くなってしまった。

身寄りのない本庄屋のために、志藤家が葬式を出すことになった。
しかし、出席したのは法子と義父のみ。
しかも自分を除く家族全員が夜中にコソコソと密談をしている。
法子は、その内容から本庄屋は心中したのではなくて殺されたのだ、と確信する。
誰も信じられない、そんな法子に気づいた家族は、一つ一つ秘密を明かしていく。

志藤家が代々行っている「商売」とは。
「家族」の本当の意味は。



読んでいる間中、ずーっと薄ら寒い感じがしてました。
なんか気持ち悪いんだけど、続きが気になって一気に。

「家族」という名の宗教。
「家族」という名の呪縛。

抜け出せなくなった法子の気持ちが分かる。
やっぱり旦那さんの家族に嫌われるの嫌だし。
一歩足を踏み込んだが最後、蟻地獄にズブズブとハマっていく感じが怖かった。


★★★★★



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12:00  |  乃南アサ  |  トラックバック(0)  |  コメント(6)

2009.02.01 (Sun)

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 川上弘美

先日読んだ東京日記 卵一個ぶんのお祝い の続編。

今回も、独特のシュールさで、楽しませてもらった。
タイトルの「ほかに踊りを知らない」は、壊れた電話機がもしかしたら直るかも
しれないと思った作者が、電話機の前で東京音頭を踊るというもの。
東京音頭以外に踊りを知らないかららしい。
まったくどこまでかわいらしいんだ!!

他にも、近所の赤ちゃんのお言葉とか、電車で隣り合った人の読んでる
クワガタ専門誌とか、思わずくすりと笑っちゃうところがいっぱい。

短いのですぐ読み終わってしまう。
もっと読んでいたいなーと思うのに。

読み終わったあと、ほっこりした気持ちに。
大満足でした。

★★★★★


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