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2008.11.30 (Sun)

リトル・バイ・リトル 島本理生

主人公ふみは、母親と異父姉妹のユウちゃんとの3人暮らし。
母が二番目の父親と離婚し進学が困難になったふみは、バイト生活。
家庭が複雑にもかかわらず、特に大きな不満もなく穏やかな毎日。

ある日母が「今日ふみちゃんの好きそうな男の子が来たわよ」と言う。
母は治療院で働いており、そこにキックボクシングをしている男の子が来たらしい。
特に意識もせず母の治療院を訪れたふみは、その日周に出会った。

淡々と静かな日常。
でも日常の奥にある何かが垣間見える。
ドラマティックな展開はないが、周とふみの関係ってなんかいいなと思った。

★★★★☆



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2008.11.29 (Sat)

しかたのない水 井上荒野

あるフィットネスクラブに集まる男女の短編連作集。
利用者だったり、クラブのコーチであったり、登場人物は実に様々で個性的だけど、
話のトーンはずーっとグレー(もしくは黒)な感じ。

次々と女を乗り換える最低な男、その男を夜のオカズにする女。
水泳コーチの妻が謎の失踪をし、受付嬢はうだつの上がらない中年男に取り入る。

とにかく嫌な男と嫌な女のオンパレード。
そこから繰り広げられる話は、生々しくグロテスク。
これぞ井上荒野の世界観っていう感じで良い!

★★★★★


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2008.11.28 (Fri)

明日の記憶 荻原 浩

最近物忘れがはげしいな、そう感じていた主人公の佐伯は
ある日突然若年性アルツハイマーの宣告を受ける。
日々失っていく記憶。忘れたくない。
せめて娘の結婚式までは広告代理店の営業部長のままでいたい。
部下や取引先に悟られまいと、メモでポケットをパンパンにする毎日。

家族すら忘れてしまう、自分が自分でなくなってしまう。病気の恐ろしさとともに、
今の自分は永遠ではないということを考えさせられました。
ラストは特に感動です。

★★★★★


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2008.11.27 (Thu)

流しのしたの骨 江國香織

タイトルだけ見ると猟奇殺人的な感じがしますが、いたって普通の物語です。
ある家族の日常。他人の家の普段の生活をちょっと覗き見している気分になる。
主人公は19歳で三女のこと子。3人の姉弟と、両親と暮らしている。
ボーイフレンドと食事をするときに手をつなぐために、左手でご飯を
食べる練習をするところがかわいい。
クリスマスに姉弟で大量のシュウマイを作ったり、食卓を野趣あふれる感じに飾る
母親など(そのために子供たちは落ち葉や木々を拾いに行かされる)
ちょっと変で、でも現実にいそうなそんな家族のお話。
なぜだか癒されます。

★★★★☆

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2008.11.26 (Wed)

きつねのはなし 森見登美彦

主人公の私は、ひょんなことから古道具屋「芳蓮堂」でバイトすることになった。
お店の女主人ナツメさんに頼まれて天城さんのもとへおつかいするようになってから、
次々と不思議なことが起こる。
謎の自殺をした須永さん、そして恋人の奈緒子まで姿を消してしまった。
ナツメさんと天城さんの関係、天城さんの正体、そして奈緒子の行方は?
きつねのお面をめぐる不思議な物語。

他、果実の中の龍・魔・水神

★★★★★


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2008.11.25 (Tue)

ふしぎな図書館 村上春樹

いつも行っている図書館で、ぼくはいつも通りに本を返却して、いつも通りに本を探した。
案内されたのは聞いた事もない「107号室」。そこには老人がいて、ぼくが知りたかった
「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方について」書かれている本3冊を持ってきてくれた。
しかしその本は持出厳禁なので、読書室で読んでいけ、と言う。
なかば強引に連れてこられたそこには羊男がいて・・・。

不思議な部屋で過ごす3日間。ぼくは無事に家に帰れるのか?
村上ワールド炸裂!とても短い話なので、初心者にうってつけです。

★★★★★


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2008.11.24 (Mon)

恋のトビラ

読むだけで、恋したくなる。と書かれているのが頷ける。
恋が始まる前、のドキドキする感じ。

・ドラゴン&フラワー(石田衣良)
20歳までにヴァージンを捨てたいと思っている透子は、なぜかまとわりついてくる
サークル一の危険人物龍児が気になりだす。

・卒業旅行(角田光代)
女三人の卒業旅行。自分以外の二人は旅先での毎日を楽しんでいるのに
自分は怖くて外にも出れない。そこへ同じ日本人旅行者と出会って変わっていく。

・Flying Guts(嶽本野ばら)
いつも間が悪くてことごとくチャンスを逃す私が企画部の黒ぶちメガネに一目惚れ。
自分から声かけるなんてとんでもないと思っていたが・・・

・初恋(島本理生)
影があって魅力的な声を持つ先輩に惹かれて、両親に反対されながらも
付き合っていたが、先輩はある日突然姿を消してしまった。

・本物の恋(森絵都)
夏祭りの日に、カップルのふりをすることになった二人が、8年後に偶然出会った。
8年前二人が見ていたものは別のものだった。

個人的には森絵都が一番良かった。最後びっくり。そうきたか。

★★★★☆



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2008.11.23 (Sun)

やがて目覚めない朝が来る 大島真寿美

有加が語る祖母「蕗さん」の人生。

蕗さんとは有加の父方の祖母。
小さいころから蕗さんのことを「おばあちゃん」などと呼んだことがない。
だからなのか、おばあちゃんというよりは一人の女性として捉えている。

両親が離婚し、母と二人きりになった有加は、蕗さんの家で3人で暮らすことになった。
そこに自然と集う蕗さんを慕う個性的な仲間たち。
有加はそこで父の出生の秘密や、蕗さんや仲間たちの歩んできた人生を知る。

離婚した息子の嫁と暮らす蕗さんも、蕗さんの女優時代を知る仲間たちも
どの人もとても魅力的に描かれている。
そしてどの人にも「目覚めない朝」が訪れる。
自然に流れる大きな川のように、ゆったりとした流れなんだけどとても深い。
大げさじゃない「人生とは」みたいなものが芯にある感じで、良かった。

★★★★★


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2008.11.22 (Sat)

幸福ロケット 山本幸久

お花茶屋小学校に通うわたし、山田香な子は読書が大好きな小学校5年生。
お父さんがリストラされて転職したため、小石川からお花茶屋へ引っ越してきた。

隣の席のコーモリ(小森裕樹)と親しくなった香な子は、クラス一の美女町野さん
から恋のキューピッド役を仰せつかる。
香な子と正反対のタイプの町野さんにかなり戸惑いながら一応応援するのだが、
塾の帰りの電車でコーモリと二人で話すうちに、町野さんを裏切っているような自分に気づく。

と、こう書くと単なる小学生の初恋話だけど、色々深いところもあってかなり良いです。
小学生が読んでももちろん楽しいと思うけど、大人になったからこそ読みたい作品かも。
ラストが切なくて少し泣けました。
優しい気持ちになれる1冊です。

★★★★★



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2008.11.21 (Fri)

ワーキングガールの落とし穴 植田ひさの

20代、30代の働く女性たちが陥りやすい落とし穴33個。
病気の症状チェックという形で書かれています。

第1章 「いつか王子様が・・・」の落とし穴
第2章 「ずっと、このままでいたい・・・」の落とし穴
第3章 「わたしらしく・・・」の落とし穴
第4章 「仕事一筋!馬車馬のように・・・」の落とし穴
第5章 「バリバリのキャリアウーマンの鏡なのよ!」の落とし穴

最初は「いるいる!こういう人」と思って読んでいた私ですが、何個かチェックに引っかかりました・・・。
作者自身の経験と、キャリアコンサルタントとしての6年間を通じ実際に見てきたという女性達の話。
もしかしたらあなたも落とし穴に片足突っ込んでる、もしくは、完全にハマっているかも。
働く女子、必見です。

★★★★★


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2008.11.20 (Thu)

限りなくキョウダイに近いフウフ 小林光恵

竹内涼と真樹は結婚12年を迎えた夫婦。一人っ子同士。同い年。もうす36歳。
子供はいない。とても仲は良くスキンシップも多いが、性的関係はない。
二人の関係は夫婦という枠を超えて肉親のよう。
ならばいっそ戸籍上でもキョウダイになってしまおう!と考え付く二人。
それはとてつもなく理に適ったことのように思えた。
しかし周囲は大反対。特に飲み仲間「白の会」のメンバーは執拗に妨害してくる。
おかげで今まで静かだった生活が一変した。
そんな大反対に逆らってまでキョウダイ化に本気になる真樹には動機があった。

本当にフウフがキョウダイになれるのか!?

★★★★☆

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2008.11.19 (Wed)

グランド・フィナーレ 阿部和重

主人公沢見は、溺愛する愛娘のちーちゃんと別れなければならなくなった。
自業自得。誰が見ても悪いのは沢見。
親族や友人からも見放され、沢見は故郷の実家に引きこもっていた。

社会との関わりを拒み続けていた彼に、思いもよらない機会が訪れる。
故郷の小学校で行われる芸能祭で芝居をやることになり、映画監督の経験を持つ
沢見に舞台演出の話が舞い込んだ。
最初は渋っていたが、少女二人の懇願により引き受けることに。

二人がなぜそれほど芸能祭の芝居に執着するのか?そこには理由があった。
沢見は二人の期待に応えられるか?
”最低”な彼は変われるのだろうか?

沢見の変質っぷりがなかなかリアルです。
自暴自棄になっていた彼が誰かのために一生懸命になるあたりはじんわり良い感じです。

★★★☆☆

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2008.11.18 (Tue)

土の中の子供 中村文則

集団で暴行を受けるシーンから始まるこの作品。
タクシードライバーをしている僕は、死産の経験を持つ白湯子と一緒に暮らしている。
幼少時代に親に先立たれ、遠い親戚の元に預けられた僕は、そこで容赦ない暴力を受ける。
そして暴力の結末は、山中の土の中に埋められることだった。

そのような経験を持つからか、なぜか自らすすんで恐怖を作り出してしまう。
そんな僕が見るものは。生きていくこととは。白湯子との関係は・・・。

衝撃的なシーンが多く、黒いどんよりとしたイメージの作品ですが、暗いだけで救いようが
ない、というのではなく、最後はどこか少しホッとします。

★★★★☆

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2008.11.18 (Tue)

八月の路上に捨てる 伊藤たかみ

映画の脚本家の夢を持つ敦は、自販機のルート配送をしている。
明日離婚届を提出する敦と、今日でトラックを降りる、一緒に働く水城さんとの最後の一日を描く。

水城さんがバツイチだからか、敦は離婚に至る経緯を事細かに話している。
仕事だけで繋がっているはずの二人だが、お互い素直に思っていることを話せる不思議な関係。
夏の何気ない一日と、二人の日常的な会話。
特別なドラマは何も起こらない分、サラっと読める作品です。

★★★☆☆


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2008.11.17 (Mon)

第三の時効 横山 秀夫

F県警捜査第一課が舞台の短編集。
それぞれにキャラクターが異なる3人の班長。
次々に起こる事件に、3つの班が異なる理屈と捜査方法で事件を解決していく。

タイトルになっている”第三の時効”----

15年前に起きたタクシードライバー殺害事件の時効のその日、刻一刻と迫る
その時間まで秒針を見つめる被害者家族と2班。
しかし、犯人は一週間海外へ渡航しており、本当の時効は1週間後であった。
犯人が知らなければ、第一の時効を過ぎた時点で連絡してくるに違いないと
踏んだ2班は、張り込みを続けるが・・・
2班の班長、超冷徹な楠見が見極めた事実は。


男くさくて泥臭い。
隠語が多用されていて、リアリティはある。
でも短編より長編のほうが良かったかも。

★★★☆☆



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2008.11.16 (Sun)

Q&A 恩田陸

とある祝日、都心の大型ショッピングモールで原因不明の大事故(大事件?)で多くの死傷者が出た。
物語はすべてQ&A方式で、その事故に関わった様々な人物が、真相も分からないままに語っていく。
それは作為的に行われた事件なのか、それとも人間の本能が様々に入り混じった事故なのか。
犯人はいるのか、いるとしたら誰なのか。

本のタイトルや、1つのQ&Aでは全くわからないところが推理をかきたてて、なかなか面白いです。

★★★★☆



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2008.11.15 (Sat)

幸せになる嫉妬不幸になる嫉妬 和田秀樹

人はなぜ嫉妬するのか?
良い嫉妬と悪い嫉妬とは?

人は自己愛が満たされていないと嫉妬するらしい。
確かに!自分が幸せなときって満足してるから周りが幸せそうでも素直に「良かったね」って
思えるけど、自分が窮地に立たされるとそんな余裕はなくなってる気がする。

心理学の本って言葉が難しいからなんとなく読み進まないが、この本は分かりやすかった。

でも具体例に
「広末涼子を”男の子に人気がある”からと早稲田に入れると同姓の嫉妬を買って…」
というのがあるが、男の子に人気があるから早稲田に入れた??とちょっと疑問・・・。
そうだったのか?

★★★☆☆



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2008.11.15 (Sat)

ひとり日和 青山七恵

主人公千寿は、母親が中国へ行くことになり、遠い親戚にあたるおばあちゃんと
同居することになった。
千寿21歳、吟子さん71歳。年の離れた二人の同居生活を描く。
二人と、そのお互いの恋人、猫、駅。日常生活は淡々と進んでいく。

千寿は”吟子さんはもうつらいこともたくさん経験したから、ラクでいいな”とうらやむ。
若いってめんどくさい。出会いもあるし、別れもあるし、仕事もあるし、浮気もある。
イマイチやる気の感じられない千寿と、それを温かく(半分放置で)見守る吟子さんとの関係は
なかなかステキです。依存していない感じがスッキリです。

★★★☆☆



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2008.11.14 (Fri)

月が100回沈めば 式田ティエン

”サンプル”と呼ばれるアルバイトをしている男子高生のコーは、ひょんなことから
同じサンプル仲間の佐藤アツシの失踪を追跡することになった。
本来、他のサンプルとの接触は禁じられているが、アツシの手がかりを探すため、
同じサンプルバイトをしている弓に声をかけ、二人で探偵まがいの調査を開始した。
アツシが最近起こっている連続中学生行方不明事件に関わっているのでは?
と心配するコーは、渋谷の街を走り回り、いろんな怪しい人物たちと交流を持ちながら
事件の真相に迫っていく。
アツシは一体どこにいるのか?そしてサンプルのバイトにどんな秘密があるのか?
「普通」でありたいと常々思っていたコーが出会う、「普通」でない人々。
コー自身にもある隠された秘密とは。

高校生が織り成すミステリー。コーの心理描写や行動が”青春”という感じで、ミステリーながら
人生訓のような要素もたくさんあります。
話自体は長めですが、読みやすい作品です。

★★★★☆



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2008.11.13 (Thu)

乳と卵 川上未映子

姉の巻子が、豊胸手術を受けたくて姪の緑子と一緒に上京してきた。
胸に執着する巻子と、そんな母に嫌悪感を抱く緑子。二人の関係は悪い。
緑子は口をきかないで筆談する。
緑子が巻子に聞きたい本当のこととは何か?

大阪弁、少ない句読点、口語調の文章で最初は読みづらく感じるが、
3人の勝手気ままな雰囲気が伝わってきて良い感じ。
緑子の日記がところどころに入ってくるが、内容がいかにも思春期っぽくて
女子が読むとどこか懐かしいかもしれません。

★★★☆☆



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2008.11.12 (Wed)

星々の舟 村山由佳

戸籍上義兄妹の暁と沙恵は、お互いに惹かれあい、結ばれてしまった。
しかし義母の連れ子だと思っていた沙恵は、本当は暁と血を分けた兄妹だった。
それを知った暁は家を飛び出してしまう。それから15年余りが過ぎ、
暁のもとに義母の危篤の連絡が入り。。

15年ぶりに再会した二人は、それでもなお惹かれあっていた。
すでに所帯を持っていた暁だが、やがて離婚することになり、
それを知った沙恵は婚約を解消してしまう。

暁と沙恵、さらにその下の妹の美希。兄の貢、貢の娘の聡美、父の重之。
それぞれの目線で描かれる6つの話で構成されています。
それぞれの思いと取り巻く環境、最後の重之の章が一番重くずっしり心にきます。
各世代における思いが1冊に凝縮されていて、読みごたえたっぷりです。

★★★☆☆



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2008.11.11 (Tue)

まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん

多田は東京のはずれ、まほろ市の駅前で便利屋を営んでいる。便利屋というからには何でもやる。
息子の代わりにお見舞い、庭の草むしり、犬の預かり・・・。

年明け早々、お得意様の岡さんから、庭と納屋の掃除を依頼された。
しかしそれは建前で、真の依頼は、最近間引き運転しているのではないかと岡さんが疑っている
バス運行の監視だった。1日中庭の掃除をやりながら見張っていたが、その日は滞りなくバスは走っていた。

帰りに、他の依頼者から預かっているチワワの姿が見当たらないので探していると、
バス停のベンチで同年代の男がそのチワワを抱えていた。
その男は多田の高校の同級生、行天春彦だった。
そこから変人として名を知らしめていた行天と多田の奇妙な共同生活が始まる。
何を考えているか分からない行天に辟易する多田だが、タダ飯を食わすわけにはいかず、
便利屋の仕事を手伝ってもらうのだが・・・。

個性的な依頼者に二人はどう応えるのか?行天が抱えている過去とは。指の傷は?

軽快なテンポで進むストーリーと、風変わりな依頼者たちがどんどん読む者を話に引き込んでいきます。
痛快でスカッとして、最期はじんわりする作品です。

★★★★☆



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07:51  |  三浦しをん  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)

2008.11.10 (Mon)

私の男 桜庭一樹

「私の男はぬすんだ傘をゆっくり広げながらこちらに歩いてきた。」

花は幼い時に津波で家族を亡くし、遠い親戚である淳悟に拾われて育てられた。
淳悟は花の養父であり、花の男だ。

物語は現在から過去に向かって進む。
結婚を決めた花と、淳悟の別れから、過去に遡り出会いに至るまでを描いているが、
遡るにつれて花と淳悟の関係が明らかになり、生々しく匂いたつ描写ながら引き込まれます。
濃密で激しく、時に目を瞑りたくなる箇所もあるが、独特な妖しさで一気に読み進む感じです。

本当の二人の関係と、お互いに求めていたものはなにか。
まさに狂おしい愛情。圧巻です。
まったくもって万人受けする物語ではないので、嫌いな人はホントダメかも。。。といった
感じですが、私はかなり引き込まれました。
ちょっと残念なのは、ところどころ疑問がある物語の設定・・・。

話題の問題作です。

★★★★☆



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2008.11.09 (Sun)

プラナリア 山本文緒

春香は一昨年乳がんで右胸を取った。
病気を理由に仕事も辞めて、年下の学生である彼氏とダラダラ過ごす毎日。
そんな春香は、生まれ変わるなら「プラナリア」になりたいと思っている。
プラナリアとは、山奥のきれいな小川などに生息する茶色いヒルみたいな生き物だ。
例えば2つに切ったとしても、いつの間にか再生して2匹になる。
そしたら無くなった右胸の再生手術をわざわざしなくて良いではないか。

そうやって不貞腐れて生きている春香は、病院で知り合った永瀬さんの下でアルバイト
することになった。しかし永瀬さんのおせっかいで結局アルバイトも無断欠勤で・・・。

他短編4作。
「ネイキッド」「どこかでないここ」「囚われ人のジレンマ」「あいあるあした」

もどかしさや感情の流れがリアルに描かれています。それぞれの作品に出てくる人物は
特別濃いキャラクターというわけでもなく、まわりにいそうな人物像。
感情移入できるようなできないような・・・。
重すぎず読みやすいです。

★★★☆☆



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22:41  |  山本文緒  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)

2008.11.08 (Sat)

窓の灯 青山七恵

大学を中退して途方にくれていたまりもは、ある日喫茶店「シヴェ」でミカド姉さんに拾われた。
お店の2Fの一部屋に住むまりもは、ある日向かい側のアパートに若い男が
引っ越してきたことに気づく。
それまで窓の外を意識せず過ごしていたまりもは、急にカーテンを閉めるようになったが、
向かいの部屋は薄いレースのカーテン一枚で無防備に暮らしている。
カーテンの向こう側が気になって仕方ない。

まりもは夜の街を散歩し、いろんな窓の向こう側を盗み見るようになる。

ミカド姉さんを愛すさまざまな男たち、そして突然現れた「先生」に心動かされるまりも。

窓の向こう側からまりもは何を感じ取ったのだろう。
不思議な魅力を持つミカド姉さんと正体不明の「先生」、静かだけどどこか
荒々しくも感じる物語。

軽めでさらりと読めるが、結構あとからじんわりとくる。

★★★☆☆



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19:43  |  青山七恵  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2008.11.08 (Sat)

コイノカオリ

角田 光代、島本 理生、栗田 有起、生田 紗代、宮下 奈都、井上 荒野
6人の女性作家による6つのラブストーリー。
どの話も題材は「香り」

・中学生の主人公の母親とその恋人から香る同じシャンプーの匂い。
・定時制高校で知り合った年上の女性の使うレモンの匂い。
・マッサージに用いるハチミツの匂い。
・死を連想させる夜の海とタバコの匂い。
・寒さ厳しい東北の街での豆を煮る匂い。
・30年前に私から彼を奪った椎茸を甘く煮た匂い。

過去の恋を思い出すとき、行った場所や見たものよりも匂いが強烈なアイテム
なのかもしれない。
ラブストーリーといっても男女の駆け引きなどとは無縁。
もっと深いところでの心情だったり、感覚が描かれていてオトナ向き。

宮下奈都の「日をつなぐ」が一番良い!

★★★★★



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2008.11.08 (Sat)

切羽へ 井上荒野

セイは島にたった一つだけある学校の養護教師をしている。
画家である夫との二人暮し。島での生活は東京のそれとは違い、とてものんびりしたものだ。
そこへ東京から新しい音楽教師、石和聡が赴任してきた。
自ら希望を出してこの島の学校を選んだはずなのに、なかなか周囲にうちとけようとしない石和が、
セイはとても気になる。惹かれていく。
学校で一緒に働き、友人でもある月江、老女しずか、まわりの島民たちと次第にうちとけていく石和の
一挙手一投足が気になって仕方がない。
セイとは対称的な月江の陰に隠れて、密かな恋心を育むセイ。
何の行動も起こさないところが余計に切なく、官能的に描かれている。
スラスラと読めてしまう文章だが、行間にこそセイの恋心が溢れている。
ゆっくり読みたい作品。

★★★★☆


16:15  |  井上荒野  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2008.11.07 (Fri)

パイナップルの彼方 山本文緒

信金の人事部に勤める深文は、目立たなく、そつなく会社の人間関係を築いている。
面倒なことは嫌いなのだ。彼との関係も順調。喧嘩もないが、ドラマチックな出来事もなく、平凡な毎日。
でもそんな生活に深水は満足している。
それに比べて、友人のなつ美はできちゃった婚、結婚式はピンクのロールスイロイスで入場だ。
もう一人の友人、月子は常に自分探し。現状に満足できず、職場も男も次々に変え、しまいには突発的にハワイに留学してしまった。
そんな二人の友人を少なからずも苦々しく見ていた深文だが、後輩新人の日比野が現れたことによって徐々に「平凡」が崩壊されていく。
なつ美は結婚生活に絶望し、月子はハワイでまたも男にだまされてしまう。それを心配していた深文自身も心を病んでしまい、退職することになり・・・。

それぞれ変化していった三人が行き着くところはどこなのだろう。
どこにでもあるようなOLの生活をなんとも生々しく描いているこの作品。ラストはなかなか気分爽快です。

★★★★☆



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17:13  |  山本文緒  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2008.11.06 (Thu)

JOY!

伝説のバンド「ガーゼ・スキン・ノイローゼ」のボーカリスト、JOYを取り巻く5人の女たちの物語。
・女子高生でありながらピンサロ嬢(嶽本野ばら)
・JOYに傾倒し必死でダイエットする女子高生(角田光代)
・80年代フリークでJOYを自分の父親だと疑う少女(唯野未歩子)
・不倫の恋に悩むOL(井上荒野)
・実の弟と近すぎる関係を持った姉(江國香織)

JOYの復活ライブに集まった当時のファンクラブメンバーには、それまでの十数年に
いろんな出来事があった。

JOYはいい加減で軽くてどうしようもない感じなんだけど、憎めない。

5人の作家で5人の登場人物でそれぞれ違う話なんだけど、見事につながってる。
もっとバラバラな感じを予想していたけど、うまい具合にひとつになってて面白かった。
お得感あり!

★★★★☆



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2008.11.06 (Thu)

西の魔女が死んだ 梨木香歩

中学に入ったばかりのまいは、突然学校へ行かなくなった。
ママは理由も聞かず、まいをおばあちゃんの家へ預けることにする。
昔からおばあちゃんが大好きなまいは喜び、おばあちゃんとの生活が始まった。
間もなく魔女の話を聞いたまいは、おばあちゃんから魔女になるための手ほどきを受けることになった。
おばあちゃんの教えは「精神力をつけること」。そのための基礎トレーニングとして規則正しい生活を
することを目指すまいだが、ある朝ショッキングなものを目にしてしまう。
まいが嫌っている、近所に住むゲンジさんをかばうおばあちゃんをまいは許せず、おばあちゃんとの
距離が生じてしまう。
1ヶ月の後、パパの転勤によっておばあちゃんの家を離れることになったまいは、心にしこりを残したまま
おばあちゃんと離れることになり・・・。

おばあちゃんによる魔女になるための教えは、何も特別なことはなく、でも大切なことが詰まっています。
”大切に生きる”ということなのかな、と思いました。
おばあちゃんが死んでしまうラストに胸打たれます。オススメ!

★★★★★



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22:14  |  梨木香歩  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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